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1ヶ月ほど前、ここcitrusで『まもなく迫った「屋外原則禁煙」喫茶店・カフェは今後どうなっていくのだろうか?』というタイトルのコラムを執筆させていただいた。
4月からいよいよ施行される『改正健康増進法』──いわゆる「飲食店をはじめとする屋内施設の原則禁煙」に備え、私が常連としている「喫煙可」だった喫茶店やカフェが、
・ 4月になる前から早々と「全面禁煙」にする
・ 3月いっぱいまで「喫煙可」を引きのばす
・ 4月になる前から早々と喫煙ルームを設置し、他のスペースを「全面禁煙」にする
・ 4月になる前から早々と喫煙ルームは設置しておき、「全面禁煙」は3月いっぱいまで引きのばす
・ とりあえず、4月から「全面禁煙」にして、その後の客足次第で喫煙ルーム設置を考慮する(※前回のコラムからは漏れていたパターン)
……と、おおよそでは「4パターン(+1パターン)の対策で動いている」みたいな内容であった。スモーカーで、しかも自宅では原稿が書けないタチの私ですら「これも時代の流れだからしょうがないよなぁ…」と観念し、自分なりにアレコレと“今後”のシミュレーションを行っていた。ところが! びっくり仰天!!「第6のパターン」をサラリと提示する飲食店が実在したのである。
「ウチは4月からも喫煙OKです」
いったい、どんな裏技を使ったのか!? まずは、東京都の「受動喫煙防止条例」に沿って、4月からも喫煙可能な飲食店の条件をおさらいしておこう。
・ 客席面積100平方メートル以下
・ 資本金5000万円以下
・ 既存店(2020年3月31日までに開業)
・ 個人、家族経営など従業員がいない
「実在」するその飲食店は、とある大型チェーン系の、都内主要駅前ではどこでも見かけることができる老舗の喫茶店だ。もちろん「既存店であること」以外は「客席面積」「資本金」……どれもクリアしていない。従業員だってたくさんいる。なのに、なぜ???
驚きのあまり、Facebookに「今日こんな喫茶店がありましたよ!」と、その事実を店内写真付きで投稿したら、そのスジに詳しい「友達」がこう教えてくださった。
「シガーバー扱いで営業するのかもしれないですね」
なんじゃそりゃ!? さっそく調べてみると、どうやら
1.たばこの小売販売業の許可を取るか、許可業者から出張販売を受ける(=たばこを対面販売する)
2.米・パンなどの主食を提供しない
3.未成年を立ち入らせない
……の条件を、あと、換気に関する一定の基準を満たせば「シガーバー」として認可され、店内での喫煙が可能になる……らしい。
なるほど! そういう“抜け道”があったのか……。我々スモーカーにとっては、降って湧いたような朗報であることに間違いはない。が、私個人としては「どうせ(禁煙に)するなら、もっと徹底してほしかった」という想いも少しはなくもない。
(ほぼ)どこも吸えなくなれば、私としても諦めがつく。自宅、もしくはタバコが吸えない喫茶店やカフェでも原稿が書ける訓練をすることで、完全禁煙とまではいかなくても、劇的に喫煙本数を減らせるのではないか……と、秘かに期待していた(※ちなみに、自宅ではベランダでしかタバコは吸わないと決めている)。これまでは絶対に寄りつかなかったスタバにも4月になったらチャレンジしてみようか……とも目論んでいた。でも、そんな喫茶店ができちゃったら、電車賃かけてでも通っちゃうじゃないですか!
はたして、この「シガーバー」を装った喫茶店は利用客が増えるのか、減るのか? 定番だったサンドウィッチやスパゲティはメニューから消えてしまうのか? 強引な解釈の営業形態自体に破綻は生じないのか? いずれにせよ、しばらくの間その動向に注目したい。