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■『ドラキュラ』:ホラーの古典的名作をアレンジ!! 唯一無二の不気味なドラキュラを怪演
今までに数多くの名優が演じてきた、古典的悪役である“ドラキュラ伯爵”。そんな伝統的な役柄を、ゲイリーとスタッフが独自の解釈で再構築、1992年に公開されたのが本作だ。ゲイリーの人間離れした演技やそのビジュアルは、抜群のインパクトを残した。
1462年。ルーマニアのトランシルヴァニアの城主だったドラキュラは、最愛の妻を亡くした悲劇から、血を吸って生き続けるヴァンパイアと化す。それから400年以上の時を経て、彼は若き弁護士ジョナサンの妻であり、亡き妻と瓜二つのミアという女性に出会ってしまい……というのが、そのストーリーだ。
魔物でありながら亡き妻を追い続ける、悲しき存在でもあるドラキュラ。アカデミー衣装デザイン賞も受賞した石岡瑛子の衣装をまとったゲイリーは、劇中のドラキュラ同様、姿を変えて人を煙に巻き、そして惑わすような妖しい魅力を存分に発揮している。
■『レオン』:孤独な殺し屋と少女の淡い日々を打ち砕く、映画史に残るド外道を熱演!!
1994年公開の映画『レオン』でゲイリーが演じた役は、彼のキャリアにおいて1、2位を争うほどの人気だ。孤独な殺し屋レオンと、家族を失った美少女マチルダとの切ない交流を描いた本作で、ゲイリーは、振り切ったド級の悪辣ぶりを見せてくれている。
ニューヨークの安アパートに住むレオン。あるとき、同じ階に住む少女マチルダの一家が、麻薬組織から商品を横領したことで虐殺されてしまう。唯一生き残ったマチルダをかくまったレオンは、彼女が襲撃犯のリーダー・スタンスフィールドへの復讐心を胸に秘めていることを知り……というのが、本作のあらすじ。
ゲイリー演じるスタンスフィールドは、麻薬捜査班の刑事でありながら自身も麻薬中毒という、危険なサディスト。笑っていた次の瞬間に猛烈な殺意を放つなど、見ていて何をしでかすかわからないその狂気性は、ゲイリーの名演もあって、脳裏に焼きつく恐ろしさだ……。
■『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』:驚異のなりきり演技で念願のアカデミー賞を受賞!!
『レオン』での熱演もあり、悪役のオファーが絶えなかったゲイリー。だが、内心では悪役ばかりで辟易していたそうで、2000年代に入ると、地に足のついた硬派な役柄が増えていく。そして2017年公開の本作では、ついに念願のアカデミー賞を受賞することになった。
第二次世界大戦下のイギリス。ナチスドイツの苛烈な侵攻により、フランスは陥落寸前。そんな激動の最中に、半ば押しつけられるように首相の座に就いたウィンストン・チャーチルは、国の存亡をかけた判断を迫られる……。
日本人メイキャップアーティスト、辻一弘が担当した驚愕の激似メイクもさることながら、体格など、自身とまったく異なる人物であるはずのチャーチルを、ゲイリーはまさに“憑依”とでもいうべき演技で再現。彼のなりきり演技の到達点ともいわれる名演は必見だ。