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■『シザーハンズ』:切ない定めを背負った青年を描いた、ダークファンタジーの傑作
ジョニー・デップのキャリア初期の傑作といえば、1990年公開のダークファンタジー映画『シザーハンズ』であろう。鬼才ティム・バートンの描くダークで悲しい世界観と、ジョニーのどこか人間離れした演技は、世界中で大ヒットを巻き起こした。
とある町外れの山の上、老いた発明家は、ついに人造人間を生み出す。エドワードと名づけられた彼は、仮の手としてハサミを取りつけられ、発明家に愛情たっぷりに育てられた。しかし、彼が正式な手を取りつけてもらう前に、発明家は心臓発作で亡くなってしまい……というのが、本作のあらすじである。
両手がハサミのまま生きる定めを負った青年と、彼を愛するようになる少女キムとの切ない心の交流を描いた本作は、世界中の観客の涙を誘い、ジョニーは当時のゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞するに至った。
■『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』:世界的大ヒットシリーズの第一弾!!
その後、ドラマ、サスペンス、ホラー、ラブストーリーとジャンルを問わず出演し、その人気を高めていったジョニー。そんな彼は、2003年公開の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』で主演を務め、ハリウッドトップスターの地位を確たるものにした。
時は18世紀。海賊が跋扈するカリブ海の港町に、“キャプテン・ジャック・スパロウ”と名乗るひとりの男が降り立つ。刀鍛冶の青年ウィルと、彼の許嫁である、提督の勝気な娘エリザベスは、ジャックを狙う海賊バルボッサ一味の襲撃に遭い、ジャックに導かれながら冒険に身を投じていく……。
ディズニーランドのアトラクションが原案の本作は、のちに4作も続編が作られるほどの人気シリーズに。物語の狂言回しでもある飄々とした海賊“ジャック・スパロウ”を演じたジョニーは、子どもたちのヒーローという、新たなイメージを獲得してみせたのだ。
■『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』:近年ではキャリアに陰りも…!? 大コケしてしまった問題作
そんなジョニーだが、2010年代に差しかかると、興行的に成功したとはあまり言いづらい作品が続くことになってしまう。2015年公開の『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』は、とりわけ批評家から酷評されてしまった一作だ……。
破産寸前の借金を抱え、裏社会でインチキ古美術商を営み、なんとか生計を立てていた貴族チャーリー・モルデカイ。彼のもとに、イギリスの諜報機関がとある名画の捜索依頼を持ちかける。しかしそこには、世界を揺るがす秘宝の秘密が隠されていた……というのが、この映画のストーリー。
持ち前の“変人キャラ”を活かした、ジョニーの新たなるハマり役……と目されていた本作だが、結果は大コケ。批評家からは「『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ以降のジョニー・デップ出演作のなかでも、屈指の駄作であろう」とボロクソなコメントが。全くもって、ジョニーの起死回生を願うばかりだ……。