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■急に寂しくなって…
最近、よく聞くのが自分の家族に時間をとられていつしか年をとってしまった女性たちの声だ。
「大学を出て希望の会社に就職して、出張だって国内外を飛び回っていたんです。あっという間に30代後半になったけど、別に結婚なんてしなくてもいいと思っていた」
モモコさん(47歳)は、人生をそう振り返る。そのときどきで一生懸命がんばってきたから、後悔はしていない。
「ただ、40歳になったとき父が急死、その後母が倒れて介護をせざるを得ない状態になりました。でも仕事をやめるつもりはなかったから、人を頼んだり介護保険を使ったりしながらがんばってきたんです」
ひとりっ子だから、相談する相手もいなかった。母の最後の1年は施設に預けるしかなかったが、それでも家の近くだったからたびたび顔を見せていたという。
「そんな母が亡くなって3年。今になって生まれて初めて結婚願望がわいてきたんですよね。とはいえもう子どもはもてない。家族を作るという選択肢はないのかなとも思ってしまって」
今はひとりの家に帰るのが寂しくてたまらない。ときどき、行きつけのバーで知り合いと話すこともあるが、「孤独」の2文字が彼女を苦しめている。
「結婚相談所に入会するしかないのかな」
小さな声で、彼女はふっとつぶやいた。
■バツイチで結婚なんかこりごりのはずが
20代のころに1度結婚し、離婚してからは独身生活を楽しんできたサキコさん(48歳)も、やはり最近になって結婚したいと痛切に感じているという。
「更年期症状が出てきたし、以前より疲れやすくなってる。体力が落ちていて気力もない。このままずっとひとりでいるのかと思うと、恐怖を感じるようになりました」
まだまだ元気そうに見えるのだが、「人と会っているときは気が張っているから」と言う。
「週末も最近は家でのんびりすることが増えました。どうせなら、好きな人と一緒にコーヒーでも飲みながらゆっくり過ごしたいなあと思う。ただ、今から知り合ってもひとり暮らしが長くてわがままになっているから譲り合って生活するのはむずかしいかもしれませんね」
とはいえ、熟年と呼ばれる年代になってから結婚する人も少なくはない。結婚すれば幸せというわけでもないからリスクはあるが。
一度も結婚しない人、離婚して独身に戻った人たちが増えていくと、年をとったときの暮らし方が問題となる。そんな時代がすぐそこまで来ているのかもしれない。