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『しらべぇ』が『AKB48・入山杏奈、自分が載った雑誌の立ち読みに苦言「買わなきゃ意味がない」』との見出しを打った記事を配信していた。タイトルだけを見るかぎり「何様? この入山杏奈なる人物は」と、ついつい眉根を寄せてしまうほどの傲慢な物言いではあるけれど、本文を読めば、もう少々マイルドなニュアンスであるようだ。
入山は7月9日、自身のインタビューを掲載した雑誌『POPEYE』が発売されたことをツイッターで報告。しかし、その後のツイートで、
私が出てる雑誌を立ち読みで済まされちゃうの本当に悲しい。
本を一生懸命作ってる方々に申し訳ない気持ちになるし、それって私の為にもならない。悲しい。買う動機にならない自分にも悲しい。でもポパイは立ち読みしたらきっと買いたくなっちゃうはず…。
……と、たまたま本屋で本人のページが立ち読みスルーされた現場を目撃してしまったのかどうかは定かじゃないけれど、そのやるせなさを綴った……らしい。
同ツイートにネット住民からは、
「雑誌に写ってる杏奈ちゃんだけ見てくれるだけでも嬉しいと思ったほうが良いかもよ。今回の文章を読むと、金儲けを1番に考えているとしか思えないような」
……なんて声もあったようだが、そんな論調に対しても、入山は
「全然違う。私の出てる雑誌が1冊売れようと10000冊売れようと私のお給料は変わらない」
……と反論。いくら雑誌が売れたとしても、入山の収入には影響が出ないことについて説明した……という。
以上の一連のやりとりを受けて、入山のファンからは、「僕も本をつくる仕事してるからすごくわかる」「雑誌をビニールで巻いて立ち読み出来ないようにしてくのが一番良いのでは?」「僕だったら立ち読みせず迷わず買います。立ち読みも結構迷惑しますよね」……など、賛同のコメントも多く届いたそうだが、そして私もさっき「もう少々マイルドなニュアンスであるようだ」とは書いてみたものの、同様に「本をつくる仕事をしている者の一人」としての立場から言わせてもらえば、やはり今回の入山の苦言は「傲慢」だと断じざるを得ない……のが、私の個人的な感想だったりする。
今回の入山インタビューにPOPEYEの誌面が何ページ割かれていたのかは知らないが、おそらくどんなに多くても10ページといったところか? それだけのために、残り100ページから200ページにもおよぶ、自分にとってはどーだっていいファッションやらクルマやらナンパ術やらの情報が満載の雑誌を購入する層とは、相当にコアな入山フェチだと言えよう。仮にコレが私なら、私・両親・妹……と、売り上げに貢献できるのはせいぜい4〜5冊程度。腐ってもAKB48の人気メンバーである入山なら、ソレ目的のみで購入する奇特なヒトは少なく見積もっても100人くらいはいるのではないか? そんだけいりゃあ充分だろ。その数字を不満とするなら、POPEYEの誌面構成全体をもっと入山ファン向けに抜本的な改革をはかるよう、編集部に進言するしかないのである。
「本を一生懸命作ってる方々」は、はたして本当に「立ち読みで済まされちゃうのを悲しい」と思いながら、本をつくっているのだろうか? 少なくとも私はそう思ってはいない。むしろ、立ち読みしてもらえるだけでもありがたい。もちろん、こういった感謝の意は、私が数ページだけ載っていたり携わっていたりしている雑誌だけではなく、私が丸々一冊書き上げた記名の自著書籍でも変わらない。たとえば、書店の本棚の前で、私の自著を立ち読みしているヒトを偶然見かけたりしたら、それだけでも私は嘘偽りなく、とてもうれしくなる。雑誌と違って、購入していただけたらダイレクトに印税として私のフトコロに直結するにしても、だ。その親愛なる読者様のとなりまですり寄って「買って買って、お願いだから買って…」と心の中で念を送るくらいのことはするけれど(笑)。
自分が載っていたり書いたりした作品にお金を払ってもらうのは当然のこと、見知らぬ人間が手に取ってくださるだけでも、それはまさに奇跡の確率なのだ(※ただし村上春樹は除く)。