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東スポ芸能欄の隅っこに、『デビュー40周年!!「トシちゃんへの期待値」ファンが支持する58歳のサービス』なるタイトルの記事がひっそりと掲載されていた。
歌手の田原俊彦(58)が6月30日、都内で新曲『好きになってしまいそうだよ』の発売記念ミニライブを行い、約1300人のファンの前で新曲のほか『ハッとして!Good』など7曲を披露した。
……らしい。ステージ上で田原は、6月18日に自宅で倒れ、都内の病院に救急搬送されているジャニー喜多川氏について、
「(ジャニーズ在籍時代には)ステージングや選曲、演出まで事細かにやっていただき、そばで見てくれていた。僕の中では感謝しかない。日本の音楽シーンに必要な方。一日も早く元気になって、またどこかでお会いしたい」
……とコメントし、さらにはビシッとポーズを決めた途端に腰をクネクネさせるダンスを見せたり、下ネタトークで報道陣の笑いを取ったりと、相変わらずの旺盛なサービス精神を発揮したという。また、そんな田原を某テレビ局関係者は、同記事中で
「こちら側が求めている以上のことをしてくれるのがトシちゃん。だから、いつもどんなことをしてくれるのかという期待値が高い。それがあるから、ファンもついてきている」
……と、称賛する。
たしかに、最近のトシちゃんをたまにテレビで目にすると、場が凍てつく手前スレスレのはっちゃけぶりに、番組関係者でもないのに観ているコッチが、ついついハラハラしてしまったりする。「空気が読めないタレント」とシンプルなカテゴライズをしてしまえば、江頭2:50に近い存在だと言えるが、かつてジャニーズ事務所からの独立の際に遺恨を残したジャニー喜多川氏に向けた“感謝の意”を聞くかぎり、
もしかして、このヒトは「空気が読めない」のではなく、長い芸能界生活から「空気を読まない」というファンサービスの手法をチョイスしたのではないか?
……とも深読みできなくはない。下手すりゃ、トシちゃん凋落の最大要因とされている、あのあまりに有名な「ビッグ発言」(※1994年の長女出産会見で「何事も穏便にやりたかったんだけど、僕くらいにビッグになっちゃうと、そうはいきませんけどね」と発言した)も? いや、この事件を自らの教訓とし、紆余曲折を経てマスコミや視聴者との距離感を正確に測り取っていったのだろう。
そして、「空気を読めないタレント」ではなく、「あえて空気を読まないタレント」は、制作側からすれば、じつに使い勝手がいいキャラクターであることに間違いはない。ベテランならではの知名度と豊富な経験から、新人や中堅とは一段階上に引かれた「ギリセー」のラインを超えない範囲の大暴れは、あくまで想定内の「こちら側が求めている以上のこと」にきちんと収まるからだ。
そういう意味では、もはや壮年世代にしか使用されない「スター」と呼ばれる大御所の面々方々は、大なり小なり「あえて空気を読まない」という処世術を、おのずと身に付けているのかもしれない。HIROMI GOしかり、永チャンしかり……である。