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ストレスのない規則正しい生活に、適度な運動と良い睡眠……わかっちゃいるけど、よい体調づくりもなかなか難しいもの。その点、毎日必ず摂取する食事内容を“ちょっとだけ”変えてみるのは、取り組みやすい手段。手軽で栄養があって、しかも美味しいものに置き換えてみてはいかがでしょうか?
■「第二の腸」が注目されるワケ
その際、着目したいのが腸。最近では、「腸活」も耳慣れた言葉になってきましたよね。
ご存じのとおり、摂取した食事は、まず胃でおおまかに分解されます。ここからが腸の出番。小腸が食事を最終段階まで消化しつつ大切な栄養分を吸収し、大腸が残り分で便を形成して排泄。腸はさらに食べ物とともに侵入してきた病原菌やウィルスなども排除してくれます。消化、吸収、排泄、免疫。食事を体のためにしっかりとさばいてくれるメイン器官が腸なんです。
さらにこの腸にすむ数百兆個の細菌は、体内の快楽物質ドーパミンの50%、安心感に関係する物質セロトニンに至っては90%を生成。腸は心の健康にも関係しています。このため、脳から独立して活動する唯一の臓器でありながら、心身の状態に大きくかかわる腸は「第二の脳」とも呼ばれているのです。
■食物繊維の「黄金比」とは?
腸活というと、真っ先にヨーグルトを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 体にいいのは勿論なのですが、意外と厄介なのが乳脂肪分。これが多いと血中の悪玉コレステロールを増やし、脂質代謝異常症の原因にもなってしまいます。
そこで注目したいのがキウイなんです。乳脂肪分はもちろんありませんし、何より整腸効果が期待できる食物繊維が豊富。ご存じのとおり、食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類がありますが、4万人以上の大腸を診てきた“腸の専門医”で松生クリニック院長の松生恒夫先生によれば、
食物繊維の黄金比は「不溶性2:水溶性1」が適切なバランス
なのだとか。食物繊維を含む食材の多くが、「不溶性」の割合が多いなか、キウイは「水溶性」が多く、この黄金比に近い食物繊維を含んでいるのがその理由。しかも、松生先生が発表したことで注目されたこの水溶性食物繊維の効能とは、便の素をやわらかくしてくれるうえ、コレステロールや有毒物質も吸収してくれます。これが、腸にとってキウイが取り立てて優れた食べ物である理由です。
さらにこの水溶性の食物繊維は、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を増加させ、脂肪が溜まるのを防ぐ短鎖脂肪酸をつくる元となり、大腸の第一のエネルギー源、小腸でもグルタミンに次ぐエネルギー源となる酪酸の生成にもつながります。スーパーで手軽に買えるキウイ。その水溶性食物繊維の特別な多さは、腸に、体調づくりに役立つこと請け合いです。
塩分過多になりやすい現代人の食生活をキウイに置き換え、他のフルーツと無糖のお茶などの飲物と共にいただく。当然食べ過ぎは肥満や糖質過多につながるので1回2個ほどで。手軽に買えて、おいしく健康にもいい。令和元年をいつもよりもっと元気に過ごすため、腸にもいいキウイで体調のベースづくりをしてみてはいかがでしょうか?
【関連書籍】キウイを食べると腸が健康になる!(現代書林)