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『しらべぇ』によると、12月11日放送の『やすとも・友近のキメツケ! ※あくまで個人の感想です』(関西テレビ)にて、タレントの木下優樹菜(31)が、夫の「フジモン」こと藤本敏史(48)が「最近、関西弁を話さなくなった事情」について明かし、その内容が物議を醸している……らしい。
なんでも、番組上で共演者から「(大阪出身の)フジモンが(テレビでも)関西弁を上手に使い分けているのはどうして?」という質問が上がったとき、木下は
「それなんですけど。私が『あなたの関西弁イラっとするからやめてもらってもいい?』って言ったんです」
……と、藤本の関西弁が不快なため、家族の前では標準語を話すよう強要したという。とりあえず、収録中のスタジオでは「上手に使い分けている」「優樹菜ちゃんがめちゃめちゃ好きなんだね」……などの無難なリアクションが飛び交い、その場は丸く収まったようだが、ネット上では
「最低。なら離婚しなよ」
「関西人を敵に回したな」
「夫婦なのに、こんなことまで強要されるのか…今まで育ってきた環境や年月を否定された気分になるな、私なら」
「あなたの10代のヤンキーみたいな喋り方はいいんですか?」
「方言を否定されることは、まるで故郷を否定されているような気分になる」
……ほか、批判の声が相次いでいる……のだそう。ちなみに、しらべぇ編集部は、全国の20〜60代の地方から東京に移り住んでいる男女160名を対象とした「上京しても方言を使い続けているか?」というアンケート調査の結果を掲載し(※「使い続けている」と答えた人は全体で26.3%)、「各地方の“方言”は大切な言葉の文化であり、これからもそれぞれのお国言葉をどうか大切にしていってほしい」と、どちらかと言えば“アンチ木下”寄りな論調で同記事を〆ているが、私は今回の案件に関しては全面的に“木下擁護”の側に一票を投じたい。「夫婦なのに〜」ではなく「夫婦だから〜」言えたんだろう。それをフジモンも受け入れたなら、もう一件落着だろ。そして「関西人を敵に回す」覚悟で断言しよう。私も東京で聞く関西人による関西弁にはイラッとする。
私は大阪生まれで、しかも大学を卒業するまでずっと大阪に住んでいた生粋なる関西人である。そして、上京してだんだんと東京に馴染んでいくにしたがって、自然と関西弁は標準語へと矯正されていった。なぜ「自然と矯正されていった」のか? それは、おそらく「矯正するデメリットより矯正するメリットのほうが大きい」と日常生活から得る肌感覚のようなものが「矯正すること」を潜在下でチョイスしたからではなかろうか。
上京しても「方言が抜けない」人は少なからず実在する。ちょっと親しい間柄になったら、つい“お国のイントネーション”が出てしまったり……と、それはむしろ微笑ましい光景で、そこを批判する気は毛頭ない。が、(一部の)関西人が上京しても頑なに使い続ける関西弁は、そういうのとは少々ニュアンスが異なっている。とくに私みたいな“同郷人”からすれば「東のヤツらには負けへんで!」的な圧、私に言わせれば「悪い意味での攻撃性」を感じてしまうのだ。
そりゃあ、関西弁をこぞってメディアで使用するお笑い芸人なんかは、あくまで“戦略”ゆえ、別にかまわない。しかし、たとえばルノアールの横の席で、デッカイ声で関西弁を交えながら“演説”しているアンタ! アンタは芸能人じゃないんだから。木下同様「関西弁を生理的に受け付けられない人」は案外多いのだ。そのたいがいの人たちはアンタの「真っ黒なうどんなんか人間の食いもんちゃいまっせ!」を木下と違って、ただ我慢しているだけなのだ。
他の“お国言葉”と違って、もはや関西弁は“日本語の二大勢力”となりつつある特殊な方言であること、二大勢力であるからして必然的に「アンチも多くなってくる」ことを、もっと自覚して「上手に使い分けて」ほしい。