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ORICON NEWSによると、11月7日放送のドラマ『相棒 Season17』(テレビ朝日系)の第4話で、「シャブ山シャブ子」というギリギリな名前のキャラクターが登場し、その怪演ぶりにネット上は騒然。トレンドワードにも入るまでのプチ・ブーム状態となっている……らしい。
シャブ山シャブ子とは、読んで名のとおりな覚醒剤中毒者で、髪はボサボサ、目の焦点が合っておらず、服もタンクトップに短パンと明らかに異様な雰囲気の女性で、番組終盤に登場し、日中の公園で電話している生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)にフラフラと近づいてきて、右手に持っていたハンマーでおもむろに百田刑事を襲撃。何度も殴って百田を殺害した直後、発狂したように「ワハハ!」と奇声を発しながらうろついた。次は取調室でのシーンとなるが、名前を聞かれると「シャブ山シャブ子です! 17歳です!」と不気味なテンションで回答する(実際の役名は西田信子で年齢は43歳)。
……と、時間にすればたった1分程度の出演だったにもかかわらず、あまりのインパクトの強烈さに、
「シャブ山シャブ子の演技が恐すぎて最後のほう(のストーリー)が全然頭に入ってこなかった」
「あんな短い時間しか登場していないのに、絶対忘れられない」
「これはトラウマになる…」
……など、大きな反響が寄せられているという。私もたまたまこの回の『相棒』をリアルタイムで観ていたんだが、おしっこチビりそうなくらい死ぬほどおっかなかった。
演じたのは「江藤あや」というヒトで、女優・リポーターとして活動する、かつては「テレビチャンピオンの大食い選手権に出演するのが夢」だったそうな、献血マニアの女優さん……だと『NEVERまとめ』には書いてあった。
ドラマや映画にわずか数分だけ単発出演しただけで一気に話題をかっさらう、まるで昨日まで育成枠だった選手がいきなり一軍に抜擢され、代打で逆転満塁ホームランをかっ飛ばすようなミラクルを巻き起こすケースは数年に一度、たしかにある。
私が覚えている、もっとも最近のミラクルとは2013年、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)で、勝地涼が演じた「前髪クネ男」ことTOSHIYAだ。「もっとも最近」とは言っても、もう5年前の話……なのに、あの絶妙にチョットだけ過剰なチャラさ、ウザさ、それにトリッキー動きは、今でも鮮烈なまま目に焼き付いている。
『相棒』や『あまちゃん』といった高視聴率を弾き出す“大舞台”での「逆転満塁ホームラン」……5年や4年に一度だけじゃなく、願わくばもっともっとたくさん私は観てみたい。そして、そんな偉業を果たした役者さんには、それをきっかけとしてどんどん新しい活躍の場を広げていってもらいたい。だって、「怪演」「怪優」なる形容は、役者さんにとって一番の勲章なのだから……。
それにしてもテレ朝って、この手の埋もれた(?)人材を拾い上げるのがホント上手いと思う。水谷豊にせよ、『科捜研の女』の沢口靖子にせよ、主役に起用された当初は「え! なんでこのヒト?」って感じだったし……違いません?