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フラワーホールと呼ばれるこの穴は、糸で縫い付けてあるだけで穴が封印されています。そう、穴はあいていません。スーツを着るビジネスマンの方々はここに社章を挿しているかもしれません。ですが、この穴(実際に穴はあいてませんが)はもともと社章を挿すためのものではなかったのです。
■フラワーホールは何のためについている?
「ブートニエール」という言葉をご存知でしょうか。フランス語で「ボタンの穴」という意味です。昔、ヨーロッパの貴族は、ジャケットのボタンホールに生花を挿して、意中の女性にプレゼントしていたそうです。その名残りとして現代ジャケットのデザインに残っていると言われています。
その後、ブートニエールという言葉の意味は派生し、英語では「ボタンホールに挿す飾り花」という意味になっています。そして現在では、ブートニエールは「ボタンホールに着ける飾りピン」のことを指します。
このボタンホールに社章ではなくおしゃれアイテムを持ってくることで、いつものジャケットの印象はガラッと変わります。本当は生花を挿すことが目的のボタンホール。しかしながら、今の時代に生花を挿していたらキザすぎますよね。なので、花を模した飾りピンぐらいがちょうどいいのです。
手頃な価格でスーツを提供している「SUIT SELECT(スーツセレクト)」では1000円程度でブートニエールの扱いがありました。また、一般的には百貨店のネクタイ売り場に3000円程度で並んでいます。
■ジャケットとブートニエール、どう合わせるのが正解?
ブートニエールのカラーバリエーションは豊富です。実際、色選びに悩む方が多いようです。ブートニエール単品の色で見ると素敵に見えるものでも、服と合わせるときには注意が必要です。
合わせ方を間違えると残念なものになってしまうのが小物。合わせ方の法則さえ押さえていれば輝くのが小物です。それでは、ブートニエールとジャケットを合わせる2つの方法を解説いたします。
(1)ジャケットの色に同化させる
ジャケット生地と同色・同系色のブートニエールを選び、色を馴染ませます。一見、小物をつけているということがわからない程度にさり気なく仕掛けること。見つけた人は思わず「おしゃれですね!」と感嘆することでしょう。
「目立たないのでは?」と思われるかもしれませんが、試しに合わせてみてください。ジャケットの印象がグッと引き締まりますよ。
(2)ジャケットの色とブートニエールの中心色をそろえる
ブートニエールは、花弁と中心部の色が異なります。意図的にジャケットの色とブートニエールの中心部分の色をそろえることで、ジャケットと小物が調和します。コーディネート術としては「色を拾う」と表現します。また「リンケージ」とも呼ばれます。
逆に言えば、ジャケット、小物、Tシャツ、靴、などの着用しているアイテムの中に、ブートニエールの色が一切入ってなければ、違和感が生まれます。リンケージされていなければ、ブートニエールが悪目立ちして間抜けに見えるので注意しましょう。ちなみに、白いブートニエールはたいていの色のジャケットに合います。
以上の法則を踏まえて、お手持ちのジャケットの色に合わせたブートニエールを選び、この秋のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。