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アラフォー世代ならば「ボルボといえばエステート(ワゴン)」という意見に異論はないはず。最近でこそXCシリーズのヒットで、ボルボ=SUVというイメージも出てきたが、あくまでアラフォーにとってのボルボといえば(青春時代の)850であり、エステートである。
そんなアラフォー世代憧れの850もV70 、V60と世代を経るにつれ、徐々に精彩を欠いていった感は否めない。クリーンでスマートでスタイリッシュ……かつてのボルボのイメージは薄らいでいった。が、今回登場した新型V60に、かつて850に抱いた憧れを思い起こすアラフォーは多いのではなかろうか。
■ボルボ独自の正面衝突対策とは?
先代のV60よりも全長を125mm伸ばし、全高を45mm下げることで実現した低く伸びやかなスタイリングは、初代V70や850の雰囲気に近い。近年の背が高いミニバン、SUVを見慣れた目には新鮮に映るかもしれないが、車好きのアラフォーは「わが意を得たり」と思わず膝を叩くデザイン。天地が薄く、スクエアな意匠のフロントマスクとともに、850の面影を重ねる人も多いはずだ。
新型V60の魅力はデザインだけではない。ボルボは新型の特長を「独自の正面衝突対策」「新車5年保証」「PHEVラインアップ拡大」とアナウンスする。なかでも「正面衝突対策」は安全を社是とするボルボらしいポイントだ。日本国内においても交通死亡事故の30%を占める「正面衝突」を回避するため、対向車接近中に自車の車線はみだしを検知するとステアリングを自動操作し正しい車線に戻すよう支援。また、対向車との衝突が不可避と判断した場合は、自動ブレーキを作動、衝突ダメージを25%低減させる。3点式シートベルトをはじめ、常に最先端の安全デバイスを提案し続けてきたボルボならではの画期的な機能だ。やはり「最新のボルボは最高に安全なボルボ」というわけだ。
■1850mmと聞いてピンとくるのは…
最後に新型V60のトピックをもうひとつ。ボディ幅を先代と比べ15mm縮小し、全幅を「1850mm」に抑えた点だ。都市部のマンションに居住しているユーザーならピンとくると思うが、マンションに数多く採用されているパレット式立体駐車場の最大幅は1850mmのケースが多い。今回の新型の全幅を、日本の駐車場環境に合わせ1850mmに抑えたというから、日本マーケットへの期待の高さがうかがえる。ボルボ・カー・ジャパンの担当者も「ここまでされると(売れない)言い訳はできませんね(笑)」と語る。
かつて850に憧れたマンション住まいのアラフォー世代たち──「850のイメージをもった1850mmボディ」とくれば、心中穏やかじゃないはずだ。流行りのミニバンやSUVではなく、昔を思い出しながらステーションワゴンを検討するのも、車好きの醍醐味に違いない。