脳神経外科医の立場から、健康法やメンタルケアに関するさまざまなノウハウをわかりやすく解説し、多くの著作をも世に送り出しているドクター菅原道仁と、これまで5000人以上の若者を取材し、今なお「永遠の思春期」を自称するカリスマライター山田ゴメスとの“夢のコラボ”企画!ドクター菅原による脳科学に裏付けられた冷徹な分析と、ゴメスが25年のライター業で蓄積してきた膨大なデータをMIXした、死角ナシ&最強の「恋愛相談」をアナタにお届けします!!



 



 



【LOVE BRAIN アラフォー女性編】



#Case10 バツイチ&子持ち女性のリアルな叫びを聞け!






【本日のお悩み】



前夫と離婚し、今年5歳になる娘一人と一緒に暮らしているバツイチのシングルマザーです。これまでは働きながらの子育てに必死で余計なことを考えるヒマもなかったのですが、今年あたりからようやく娘も手を離れ始めて、「そろそろ婚活でもしたら?」と母親や友人からも言われ、「子持ちでもかまわないから」と求婚してくれている男性もいなくはありません。でも、再婚に対してどうしても積極的になれない自分もいて……。私はどうすればいいのでしょうか?(S乃さん:37歳・映像会社広報)




 



■「なんとなく」程度の想いなら、焦って再婚相手を探す必要はない?



 



山田ゴメス(以下、ゴメス):都会だろうが田舎だろうが、女性にとって「バツイチ」はまだしも、「バツ2」のレッテルは世間体的にキツイそうで、おのずと“次の結婚”には臆病にならざるをえない……と、とある知り合いのシングルマザーが申しておりました。その娘さんがね、とにかく可愛いんですよ! 僕はその子が娘になるなら全然彼女と結婚するのもアリで、地味にアプローチをかけたりもしているんですが、全然相手にしてもらえません……。



 



ドクター菅原(以下、菅原):そりゃあ、一度失敗しているわけですから、簡単にはなびいてくれないでしょ。ゴメスさんになんらかの問題がある可能性も否定はできませんけど(笑)。



 



ゴメス:なんでやねん!



 





菅原:人間というのは、過去の失敗を過大評価してしまう習性がありますから。



 



ゴメス:「過大評価」……ですか?



 



菅原:表現を変えれば「損を多く見積もるクセがある」。これは「プロスペクト理論」(不確実性下における決断を迫られた際、得られる利益、もしくは被る損害および、それら確率を比較したうえで、人がどのような選択をするかを研究したもの)と呼ばれており、そのなかには「得をするよりも損を回避したい」という意思決定に関するモデルがあるんです。



 



たとえば、1万円を必ずもらえるくじと、50%の確率で2万円を貰えるくじだったらゴメスさんはどっちを選びます?



 



ゴメス:え~~~!? いくらパチンコ好きな僕でも、ここは手堅く1万円もらいにいきます!



 



菅原:だったら、仮に1万円の罰金を支払うとします。その罰金は無視し続けていたら払わなくても済むかもしれないけど、一方で未払いがバレたら2万円の罰金を払わなければならない……それらの確率が各50%ずつだとすれば、どうします?



 



ゴメス:罰金を支払うのは嫌だからなぁ……僕なら50%の勝負を打ちに出ます!



 



菅原:でしょ? じつは大半の人が、もらえるときは確実にもらえるほうを選んで、支払わなければいけないときはあわよくば支払わなくて済むほうに逃げちゃう。得をするときの1万円と損をするときの1万円って、貨幣価値は同じなんだけど、人間心理に与える影響は同じじゃないんです。このように、ただでさえ人は「損をする」イメージに縛られがちなので、とくにバツの入っている方々は「結婚したときの幸せ」より「また離婚してしまったとき」のつらさを多く見積もってしまう傾向があるのでしょう。



 





ゴメス:それと、シングルマザーはこれまで一人で子育てをしてきて、ようやく安定しつつある現状の生活リズムを、いきなり第三者が介入してくることによって崩されることに不安がある……とも聞きました。



 



菅原:わかります。「なにかが変化する」ということは前頭葉を猛烈に使って、いろんなことを判断しなければならない。そして、それはとても疲れる行為なので。あと、これは種の保存本能レベルになってきますけど、生命体である以上、お子さんがおられる女性は「子を守る」という母性が強くなってくる。「他人である男より自ら出産した子どもが大事」ってことにはならざるを得ない。



 



ゴメス:では、そのような女性が、あえて「婚活」へとマインドを切り替えるにはどうすれば……?



 



菅原:むずかしい問題ですね……。(長考に入る)。これは誤解を恐れず言わせてもらいますが、「なんとなく再婚したいな…」程度の想いなら、僕は「別に無理して相手を探さなくてもいい」と思う。S乃さんの場合は、お子さんがいないバツイチ女性と違って、高齢出産問題もクリアできているわけですから。我々の人生は、戦国時代あたりだと50歳が寿命だったけど、現代は下手すりゃ100歳まで生きられる時代なので、焦る必要はない。



 



ゴメス:そんな元も子もないアドバイスを……(笑)。



 



菅原:とりあえず、その慎重さを解き放ちたければ、自分を変えるしかない。かといって、ゴメスさんもおっしゃっていたとおり、生活はすでに出来上がっているわけですし……。もし、本気で婚活をお考えなら、まず「結婚」に抱いているマイナスのイメージを払拭することから始めてみてはいかがでしょう?



 



ゴメス:え! そこから変えちゃうの!?



 



菅原:「離婚」を失敗だと解釈せず、「一生を添え遂げられない人をちゃんと別れられた」「離婚する方法を見つけることができた」「男性と上手く行かない理由を一つ知った」と発想してみればいい。だから「今度は大丈夫」。「離婚」という経験値を人生の自信にして、次は前回とはまったく逆のアプローチで結婚に臨めばいい。前のダンナさんとは全然違ったタイプの男性を次は選んでみるとか……。



 



ゴメス:なるほど〜!



 



菅原:この手の思い込みって意外と重要。「口に出したものが言霊になる」ってやつです。



 



 



■性急にシングルマザーを口説いてくる男は信用するな!



 





ゴメス:ただね、話を蒸し返すことになっちゃいますけど、僕は彼女らシングルマザーたちが「再婚」になかなか踏み切れない気持ちも理解できなくはないんですよ。僕が秘かに狙っている、とあるシングルマザーが……。



 



菅原:ちょっと待って! そのヒトは、さっき出てきた「娘さんが可愛いシングルマザーさん」?



 



ゴメス:いや、違うヒトです。



 



菅原:どんだけコナかけてるんですか!



 



ゴメス:なぜか、僕の周囲には素敵なシングルマザーが集まりがちで……ゆえにシングルマザーのデータはやたら豊富なんですよー。



 



菅原:すごいんだかすごくないんだか……(苦笑)。



 





ゴメス:で、その彼女はこんな捨てゼリフを残していったわけです……。



 



菅原:「捨てゼリフ」なんですね(笑)。勿体付けてないで、早く教えて!



 



ゴメス:「『シングルマザーでもOK』って寛大なその言葉はとてもありがたいけど、正直、今イチ信用できない。そもそも、アナタは子どもがいる私が好きなの? 違うでしょ。たぶん子どもがいなくても好きになってくれるんでしょ? だとすれば、子どもは“いないほう”がベターでしょ?」



 



菅原:コテンパンだぁ(笑)。まさにグーの音もでない完ペキなロジック……。



 



ゴメス:さらに、「心底から『シングルマザーでもかまわない』なんて受け入れてくれる男は100人に一人いるかいないか。私たちは常に“男を選ぶ”のではなく、“男から選んでいただく”というスタンスなの。裏を返せば『100分の1の確率がポンポンと巡ってくるはずかない』という考えが染みついちゃっているの」とも言われました……。



 



菅原:深い……。



 





ゴメス:ちなみにもう一人、懇意にしている同業者のシングルマザーがいるんですけど、彼女は「こうやって私たちを口説いてくる男には要注意」みたいなことを申しておりました。



 



菅原:ほう!



 



ゴメス:3つありまして……一つめは「オレ、子ども好きだから」を口癖にする男。



 



菅原:そのココロは?



 



ゴメス:子持ちバツイチで子育て経験のある男は、まあ例外として、子どもの面倒な部分を体験したことのない男が言ってくる、この安易なセリフはまったくアテにならない。そう言うなら「毎日夜泣きしてもちゃんとニコニコしていられるんだよね?」「一度子どものウンチを触ってみなさいよ!」と突っ込みたくなる。親戚や友だちの子どもやペットレベルで「子どもが可愛い」と博愛主義を公言してほしくない。私たちは“すべての子ども”じゃなく“自分の子ども”だけを愛してもらいたいの……って理屈です。



 



菅原:すっと入ってきました! 二つめは?



 



ゴメス:「たまには二人で会わない?」とせがんでくる男。



 



菅原:そのココロは?



 



ゴメス:それができれば苦労はしない。大半のシングルマザーは、保育所や両親に子どもを預けて仕事をしている。経済的にギリギリだったり、肩身の狭い思いをしながら毎日を生きている。したがって、プライベートだと必ず子どもが付いてくるのは大前提。デートするなら3人で。エッチも3ヵ月に一度ほど外泊できたとき、子どもが寝てから“やっと&そっと”が当たり前……って理屈です。



 



菅原:コイツは、僕から見ても「論外な男」の典型かも……。



 





ゴメス:最後、三つめは「子どもも一緒に面倒見るから」とプロポーズしてくる男。



 



菅原:そのココロは?



 



ゴメス:結婚したら、確実にいきなり“お金を稼げない扶養家族”が最低でも一人は増えるため、よほどのお金持ちでもないかぎり、家計は相当厳しくなる。そこらへんの冷静な将来設計も立てず、勢いだけで求婚されても、白けてしまう……って理屈です。



 



菅原:どれもこれもじつに勉強になります! じゃあ、逆にシングルマザーさんのハートをキュンとさせる口説き文句って……?



 



ゴメス「僕にはすでに(キミの)娘(or息子)がいるから、新しい子どもはいらないよ」……だそうです。



 



菅原:おおっ! そのココロは!?



 



ゴメス:仮に、再婚して新しい子どもができたら、夫がその子ばかりを可愛がるんじゃないかって不安が、シングルマザーには常にある。実際に新しい子どもができる・できないは置いておいて、このような肩の力が抜けた本音を自然と口にしてくれたら、私たちも安心できる……らしいです。



 



菅原:シングルマザーさんにもシングルマザーさんに恋心を寄せている男性にもゼヒ聞いてもらいたい金言ですね。う〜ん……今日はゴメスさんの独壇場だ(笑)!



 





ゴメス:なぜか、僕の周囲には素敵なシングルマザーが集まってきますから。えっへん!



 



菅原:アンタ、いったい何者なんですか?



 




【今日の結論】



「離婚」を失敗だと考えないポジティブさと、男の甘言を見透かすだけの洞察力を併せ持て!




【プロフィール】



菅原 道仁(すがわら みちひと)



1970年埼玉県生まれのA型。現役脳神経外科医。クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門として救急から在宅まで一貫した治療システムの提供を目指し、北原国際病院に15年間勤務。現在は菅原脳神経外科クリニック院長。その診療体験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする治療を行う。「恋愛とは病気の一つ」をモットーとするが、本人は「すぐ恋に落ちてしまう反面、フラれたらすぐ忘れてもしまう」という至って健康体?



 



山田 ゴメス(やまだ ごめす)



1962年大阪府生まれのB型。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、さらには漫画原作に省庁仕事まで…記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味とするライター&イラストレーター。かつては『Hot-Dog PRESS』の恋愛・SEXマニュアルも担当していた「恋のマエストロ」。「百の恋愛には百の戦略がある」をモットーとし、「いまだ現役」の実体験から得た千差万別のデータに基づいたリアルなLOVEテクニックは他の追随を許さないが、自分の色恋沙汰になると案外ポンコツな一面も時折かいま見せる。



 



 



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情報提供元: citrus
記事名:「 【脳科学恋愛研究所 Vol.10】再婚に慎重なシングルマザーの心理を、脳神経外科医&ベテランライターが徹底分析!