出典:【ご報告】家族が増えました!猫飼います!【ヒカキンTV】【ねこ cat】より


 



以前から猫と暮らしたいと希望していたYouTuber・ヒカキンさんが、7月19日の投稿動画で、最近飼い始めた生後2か月のスコティッシュフォールドの子猫と登場。ネット上では「かわいい!」という好意的な声だけでなく、「残念」「ペットショップからではなく、保護猫を引き取って助けてほしかった」という批判も寄せられ、大きな議論になりました。



 



 



■みんな、“ほしい猫”がほしい



 



筆者は中学生時代から道を歩くとなぜか落ちている猫と遭遇する確率が高く、猫を拾ってはきれいにして新しい飼い主を探す日々を送っていました。しかし、ある日偶然、メインクーン種の猫と出逢い、「こんな猫がいたんだー!」と目からうろこ。この猫種の素晴らしさをもっと広めたいとブリーディングを始め、普及のためにキャットショーのジャッジの資格も取りました。



 



そして、ブリーダーを17年、キャットショーのジャッジを20年。ブリーダーもジャッジも卒業した14年前から、ミルク飲み赤ちゃんの保護、預かり、譲渡を行う猫ボランティアに携わり、さまざまな形で猫と深く関わっています。



 



ブリーダーと保護ボランティアという、ある意味“極地の両方”を経験しているわたしは、純血種を飼いたい気持ちも理解できます。猫と暮らしたいと思う人の中にはそれぞれ、「こんな猫と~」という理想があるでしょうし、それが特定の純血種だったりするのは「黒猫がほしい」「キジ猫が好き」というのと同じです。



 



実際、保護している子猫の飼い主をネットで募集すると、その猫が長毛だったり、アメショー柄だったり、白猫のオッドアイだったりと特徴のある場合だと引き取り希望者が殺到しますが、白の多いキジや白黒の猫には希望者皆無。これが通常営業です。



 



結局、猫がほしい人の多くはペットショップで純血種を買うのと同じように保護猫にも、自分の好みや希少性を求めます。ですから、ペットショップからであろうと、保護猫であろうと、猫を手に入れること自体に大して差違はないと感じています。



 



猫を買うことを「よし」としない方もいらっしゃいますが、保護猫であっても養育費などを請求する団体もありますので、保護猫=無料というわけではありません。



 



 



■一人暮らしだと保護猫を引き取れない?



 



一人暮らしの人、同棲中のカップル、60歳を超える高齢者が猫と暮らしたいと望んでも叶わないことがあります。なぜなら、保護猫の譲渡団体によっては「家族で暮らしている持ち家限定者でなければ譲渡しない」などの規定を設けているからです。



 



ショップで購入することを「悪」とし、殺処分を減らすために保護動物を引き取るべきと主張する人もいますが、先述したように、「どうしてもこの猫種と暮らしたい」という夢があるのなら、その猫とブリーダーかショップで出会う選択肢もあるでしょう。



 



 



■猫と暮らすというコト



 



保護猫であろうと、ペットショップの猫であろうと、生涯面倒を見続け、「いのち」に責任を持つのは同じです。ショップの猫だから、保護猫だからこうでなければいけないという意見があれば、そちらの方がおかしな話ではないでしょうか。



 



毎日ご飯をあげなければいけないのはもちろん、健康に注意して清潔な環境を保たなければいけません。また、ウンチやおしっこもしますし、よく吐く動物だからベッドの上やPCのキーボードにゲロされる可能性もあります。



 



テーブルの上のモノをことごとく落とす遊びを覚えられたら、テーブルにはなにも置けなくなるし……。部屋が暑くなりすぎてないか、きょうは寒いんじゃないか、寂しがってるんじゃないかと、留守番をさせているだけで罪悪感を覚えることもあります。



 



そして、ペットショップの猫であろうと、保護猫であろうと、この先、健康で長生きしてくれる保証はありません。不適切な飼い方をすると、本来の寿命より短い命で終わらせてしまう可能性もありますが、それこそ「いのち」と暮らす意味のひとつではないでしょうか。



 



 



■蛇足ながら心配事も…



 



ただ、今回ヒカキンさんが一緒に暮らすと決めた猫種、スコティッシュフォールド(スコ)に関しては、ちょっと事情が違います。この種の猫について皆さんがどこまで正しい情報を持っていらっしゃるかわかりませんが、スコの特徴である折れ耳は劣勢の奇形遺伝子です。



 



多くのスコは成長とともに胸や脚、しっぽの骨に異常が発生し、そのため活発に走り回ることができなくなったり、痛さのあまり抱かれるのを嫌がったり、何かしらの病気を併発したりします。短命である可能性が非常に高い猫種なのです。



 



自分が選んだ猫種には、このようなリスクがあって、将来こんな病気を発症したり、歩けなくなったりするかもしれないと理解した上で買ったのか、ショップは飼い主に対しそのような説明をキチンとしているのか? 気になるところです。


情報提供元: citrus
記事名:「 結局、ヒカキンはどうすればよかったのか。「猫騒動」が残したモヤモヤ