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「一茂」こと(?)長嶋一茂(52)が只今再ブレイク中である。2018年の上半期では114回ものテレビ出演を果たしたという。
『NEWSポストセブン』の取材を受けた上智大学メディア文化論教授・碓井広義さんは、そのブレイクの要因をこう分析している。
「一茂さんのファンは、比較的年齢層が高い印象です。それこそミスター(父の長嶋茂雄)の活躍を知っている世代が、“やんちゃ坊主”を見るような気持ちで応援しています。怖いものなしで好き勝手に物申す姿が、むしろかわいらしく映ってウケているんでしょう」
「根っからのスーパー坊っちゃん」ゆえ、突拍子もない言動も多いわけだが、テレビ局側からすれば「意外と使いやすいタレント」……なんだとか。
「“育ちがいい”というか、“金持ちけんかせず”というか、他人を悪くこき下ろすような発言はしないという安心感があります。毒舌がウケる人(タレント)は、たまにアクセルを踏みすぎてしまうことがあってハラハラしますが、彼の場合はちょっと天然も入っているから、“炎上”には繋がらないだろうと、安心して起用できるんです」(テレビ局関係者)
ネット版のスポーツ報知によれば、とあるイベントのPRトークショーに出演した一茂は、コメントを求められると、
「僕の話を聞いたってなんの役にも立たない。カンペを出してください」
「(テレビでは)あれでもだいぶ(発言を)抑えてる。生番組だと怒られたりするから」
「(自身のブレイクは)もうそろそろ落ち着くんじゃないですか。一過性のものでしょ。タレントとして能力があるわけでもないから」
……ほか、この日も自由すぎる放言を連発していた……らしい。
まず、前出の碓井教授は「一茂さんのファンは、比較的年齢層が高い印象です」とおっしゃっているが、私の個人的な印象だと「一茂の枠に囚われない自由奔放さ」を楽しんでいるのは、むしろ若い世代のほうが多い気もする。「長嶋茂雄の息子」という隠然とした特権に(結果として)守られながらメディア上でも、まるで自宅にいるかのごとくワガママに振る舞う姿を、“親の偉業”をほとんど知らない若者たちは嫉妬心も抱かず素直に受け入れ、そこに“痛快さ”さえ感じているのではなかろうか。
あと、大成はしなかったとはいえ、まがりなりにも「野球をやっている者のなかではトップエリートとされるプロ野球選手」にまで登りつめた人物であるという事実を忘れてはならない。この実績がなければ、単なる「一般人とはあらゆる感覚を異にする非常識なボンボン」止まりで、とうの昔に消費され尽くしていた可能性もなくはない。
さて。同様に「根っからの坊っちゃん」で、アスリートしては一茂以上の華麗なる実績を残しているタレントに、あの松岡修造(50)が挙げられるが、なんの疑いもなく他人の応援に執心できる修造の「熱」と、自分の人気を「一過性」とシニカルに断言できる一茂の「冷」は、バックボーンの酷似に反し、似て非なるものだと私は思う。そして、“お茶の間”の人々は、さすがに(まだ盤石ではあっても)修造の「熱」に、ホンのチョッピリ飽き始めてきているのかもしれない。