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俳優の渡辺謙さんと女優の南果歩さんが離婚を発表しました。
2017年、渡辺さんはニューヨークで30代のジュエリーデザイナーの女性と密会していたことを週刊誌にスクープされました。報道によれば渡辺さんが浮気をしていたのは、妻の南さんが闘病の時期と重なっていたとのこと。それだけでも衝撃的な事実であるのに、加えて親密なツーショット写真が公開されるなど、当時の「ゲス不倫ブーム」の流れに乗っていたかのように見えたものです。
ところが世間からの非難の声を浴びるかのように見えたものの、「報道はおおむね事実です」と全面的に潔く不倫を認めた渡辺さんに対し、メディアの取り上げ方もマイルドな雰囲気だったのは印象的でした。
そんな二人もとうとう離婚が成立。離婚に際し、一部の報道では「慰謝料は10億円」とも書かれていました。「さすが、“世界のワタナベ”」とパワーを思い知らされたのもつかの間、その後の別の週刊誌が南さんに取材したところ「(渡辺さんには)借金しかなかった」と10億円騒ぎを否定したと言います。今後、事実は明らかになっていくのでしょうか。
一般的に、夫婦間に愛情がなくなった熟年離婚でもめるポイントになることのひとつに、「女の意地」があります。
仕事が成功して世の中に認められるくらいにまで成長した夫に対し、「これまで夫を支えてきたのは妻の私なのに……」と思う気持ちがあるのは当然のこと。仕事が今ほど順調ではないときも、数々のピンチを乗り越えられたのも妻のサポートがあってこそ。にもかかわらず、軌道に乗ってうまく回りはじめた途端、自分より若い女性と浮気を楽しむようになった夫を「許せない!」と思うのです。だからこそ、「高額の慰謝料を支払ってもらえないなら別れない」「すべての財産を私に渡さないなら離婚は認めない」「要求どおりに支払えないなら籍も抜かないし、この先ずっと子どもにも会わせない」というように「女の意地」を見せ、無謀に見える要求をつきつけるケースもあります。
「妻が病気のときの夫の浮気や不倫」も妻の怒りをエスカレートさせ、世間からの批判が集中する原因のひとつ。「妻のピンチのときに、夫は妻を支えるどころか、ほかの女性と楽しい時間を過ごしているなんて許せない!」という怒りの感情が生まれるのです。
ところが、じつは一般的にも妻が病気のときに、夫が浮気に走って熟年離婚を決めるケースは決して珍しいことではありません。50代の男性は仕事もまだまだ現役。会社でも相当なポジションを確立している場合も多く、人によってはもっとも多忙な時期を過ごしていることになります。そんなときに病気の妻へのケアが重なり、どうしても妻を支えることに全力を注げなくなると、夫のほうも心と身体が疲弊していくもの。そんなふうに「仕事」と「妻のケア」の板挟みになった夫が「家に帰るのがつらい」「心が休まる場所がほしい」と思い、逃げ場を求めて妻とは別の女性の元へ引き寄せられてしまうこともあるのです。
現実から逃避したかった夫が熟年離婚をし、妻とは別の女性のもとに走った挙句、幸せになれるとは限りません。妻のほうも自分で離婚を決心したからには、次の幸せに向けて前に進み、自分を大切にしてあげられるように気持ちを切り替えていかなければなりません。新しいスタートを切ると決めたら振り向かないこと。すると、前に進んで行く分だけ、心も少しずつ楽になっていくはずです。