現在の缶コーヒーのブランドといえば、コカ・コーラ「ジョージア」、アサヒ「ワンダ」、キリン「ファイア」、サントリー「ボス」がおなじみです。



 



これらのブランドは「ジョージア」が約40年、「ワンダ」「ファイア」「ボス」が約20年続いています。「ジョージア」以外のブランドはバブル期前後に発売されたブランドで、これらの前のブランドもあったわけです。



 



そこで今回は、アサヒ、キリン、サントリーのバブル期の缶コーヒーブランドについて紹介したいと思います。



 



 



■アサヒ「J.O.」と「NOVA」



 



左:「J.O.オリジナルブレンドプレミアム」(1991年)、右:「NOVA ガブノミコーヒー」(1988年)


 



アサヒの「J.O.」は、その前のブランド「NOVA」不振の反省から生まれたブランドです。「NOVA」はガブガブ飲んでのどの渇きを癒すための缶コーヒーとして企画されましたが、実際にそのような飲み方はされず、コーヒーというものは味わって飲むことがわかったのです。今では信じられないようなマーケティングの失敗ですね。味わいを楽しむ缶コーヒーとして、「J.O.」が誕生しました。



 



CMキャラクターには王貞治さんとハンク・アーロンさんという日米のホームラン王を起用し、本格派コーヒーであることをアピールしていました。



 



ちなみに、「NOVA」の缶にはサッカーをしているイラストがありますが、CMにはアルゼンチン代表のマラドーナ選手が登場していました。



 



 



■キリン「ジャイブ」



 



左:「ジャイブ ブレンド」(1990年)、右:「ジャイブ オールドカフェ」(1991年)


キリンの「ジャイブ」は1987年の発売です。「荒挽きネルドリップ」を全面に押し出した硬派な缶コーヒーとして販売されました。高品格さん、小林稔侍さん、古舘伊知郎さんが出演したCMも話題になり、刑事ドラマ風の演出から硬派な缶コーヒーというのがうかがい知れます。



 



バブル期に発売されたので、同じ商品でアイス用・ホット用や豆の浅煎り・深煎りが設定されるなど、バリエーションが豊富だったのが特徴です。



 



 



■サントリー「ウエスト」



 



左:「ウエスト 炭火焙煎ブレンド」(1991年)、右:「ウエスト 炭火焙煎キリマンジャロブレンド太缶」(1991年)


サントリーの「ウエスト」もキリン「ジャイブ」と同じく1987年の発売です。コンセプトは「香りが強く、苦みや渋みのある、本格的なレギュラーコーヒーの味を追求する」。パワーサイフォンによる抽出や、CMに俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんを起用するなど、ヘビーな缶コーヒーということをアピールしていました。しかし、「ウエスト」のコンセプトが缶コーヒーのヘビーユーザーに受け入れられなかったことが、後継ブランド「ボス」の誕生につながります。



 



「ウエスト」も「ジャイブ」同様バブル期発売だったので、驚くほどバリエーションがありました。今では滅多に見ることのない190g太缶(350ml缶と同じ直径)をお目にかけます。



 



 



■バブル期の缶コーヒーは「男臭さ」のイメージ



 



以上、バブル期のビールメーカー系缶コーヒーをご紹介しました。どのブランドも昭和の純喫茶をイメージした本格派であり、CMタレントも渋い俳優や有名スポーツ選手を起用するなど、男臭さを感じる演出が多かった気がします。その後は「ジョージア」の飯島直子さんやキリン「ファイア」の石田ゆり子さんなど、男臭さよりも癒しを求める傾向が強いことからも、バブル期にはギラギラしたイメージを感じられます。


情報提供元: citrus
記事名:「 昭和の純喫茶をイメージ? バブル期の懐かし缶コーヒー