- 週間ランキング
「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)」の「マリナー・オブ・ザ・シーズ(Mariner of the Seas)」は、2003年から運行している大型クルーズ客船です。船内には、レストラン、バー、ラウンジ、ショップ、スパ、フィットネス、プール等、様々な施設があります。また、船内では定期的にイベントやパーティ等が開催されているので、退屈な時間を過ごすことはありません。
船内の施設や設備については、こちらの公式サイトに日本語で紹介されています。
https://www.royalcaribbean.jp/ships/MA/
私は日本の大学を卒業後に社会人経験を経て、アメリカの大学のホスピタリティ経営学科に編入・卒業しました。この学科では卒業後に国内外のホテル、レストラン、航空会社、クルーズ会社、旅行会社等で働く人達を育成するため、学生達は在学中から勉強しながら、ホスピタリティ業界で働いて実務経験を積みます。
私が在学中、学科が「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International) 」と提携を開始。夏にはクルーズ船内で授業単位が取得できるコースが開講されたり、学生達はクルーズ関連のプログラムやインターンシップへの参加が可能になりました。
また、コースには、授業以外に実際にクルーズ船で働いている人達の仕事場を見学できるツアーが入っていました。部門によって乗組員達の仕事場を見学するには許可が必要のため、この機会を利用して参加することにしました。
クルーズ船の大きさにもよりますが、ロイヤル・カリビアンのクルーズ船の場合、大体どの客船でも1000人前後の人達が働いています。大きいクルーズ船になると、乗組員の数だけで2000人近くになることもあります。もちろん、乗客が全員の乗組員達と顔を合わせることはありません。
乗客が会う乗組員達は、大抵レストラン、ショップ、スパ、イベントやショーと行ったところで働いている人達が多いです。でも、実際には、クルーズ船を運行する船長や操縦士、料理を作るシェフやキッチンスタッフ、乗客達が利用している部屋を毎日定期的に掃除してくれるハウスキーパー、大量のベッドシーツやタオルを洗濯・乾かすランドリースタッフ等、表には見えないところでたくさんの人達が働いています。
クルーズ船には、色々な国からの乗客が乗っています。乗務員も同じく、国籍や母語も様々です。私が直接話した乗組員達はアメリカ、イギリス、ノルウェー、ポーランド、メキシコ、ニカラグア、グアテマラ、インドネシアから来ていました。
例えば、船長や操縦士達は北ヨーロッパ系、シェフやキッチンスタッフ達はヨーロッパ系と寿司シェフはアジア系、レストランやショップのスタッフ達は英語、スペイン語、フランス語を話す人達が多かったです。スーパーバイザーも含めてランドリースタッフ達は、全員インドネシア人でした。
このように、船内は本当に多国籍の人がおり、小さな地球のようでした。
実際の仕事場を見学できるツアーに参加してみて、驚いたことが多々あります。ツアー中は、それぞれの部門の管理者が業務について説明してくれました。ここでは、5つの仕事場を挙げてみます。
クルーズ船を操縦するところで、24時間体制で常に数人のオフィサーやエンジニア達が働いています。着ている制服の肩の部分に線がついていますが、この線の数によって階級が異なります。
体調が悪くなったり、病気になった際に利用するところです。船内にある医療器具は最低限しか揃っていないため、専門的で高度な治療が必要な場合は、連絡して最寄りの寄港地で対応したりするそうです。
乗客や乗組員達の胃袋を満たしてくれるシェフやキッチンスタッフ達は、毎日提供する料理について考えなければなりません。毎日たくさんの料理を作るためには、食材が必要です。船内に保管できる食材はしていますが、できない食材は、寄港地で積み込んでいます。
クルーズ船には多くの乗客や乗務員がいるため、当然ゴミもたくさん出ます。でも、海上でゴミ収集車は回収に来れないですし、海にそのまま捨てるわけにもいきません。そのため、集めたゴミを、船内の特別なところで分別や処理をしています。ここでも、その作業を専門にしている乗組員達がいます。
私が一番驚いたのは、ランドリースタッフ達の仕事場です。クルーズ船の下の階の方にあって、常に薬剤や乾燥機を使っているので、空気が悪く暑いです。私はスーパーバイザーと少し話をしましたが、ここで働いているのはみんな若い男性達だけとのこと。
また、乗組員達が寝泊りしている部屋や、食事をする食堂も見せてくれました。乗客が利用するところと少し違って、部屋も食堂も狭かったです。でも、働いている間はとても忙しく、ゆっくりできる時やプライベートの時間はほとんど無いと言っていました。私の部屋担当の掃除係は、約9か月間船内で働いた後、母国に帰って家族と過ごすと言っていました。
今回は「マリナー・オブ・ザ・シーズ」の船内の様子と、乗組員達について書いてみました。船内の様子以外に、普段見る機会が少ない乗務員さん達の仕事場や生活するところについても紹介したので、驚かれた方や意外と思われた方もいるかもしれません。実際に、乗務員さん達の業務は大変なこともあります。でも、みなさん気さくでフレンドリーな人達ばかりです。
私はこの記事以外に、「マイアミ港出発のおすすめクルーズ船」についての記事も執筆しています。海外のクルーズ船に興味のある人や、クルーズ旅行を計画中の人は、ぜひそちらも参考にしてください。
余暇プランナー
アメリカ合衆国・フロリダ在住の日本語講師兼フリーライター。学生の頃から旅行が好きで、国内はもちろん、海外は25か国以上の国に行きました。渡米後の最初の3年間は、現地レストランでの勤務やツアーガイドを経験。その後は日本語講師になり、多国籍の人達と接してきました。最近ハマッていることは、ペスカタリアン料理めぐり。10年以上前から、ペスカタリアンの食生活を送っています。
海外クルーズ船の中ってどうなってるの?実際に働いてる人達の仕事場も一緒に紹介します!