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ウィンダミア(Windermere)は、湖水地方観光のハイライトの一つ「ウィンダミア湖」の東側にある町。 ロンドンからアクセスする場合、ユーストン駅から3時間10分から4時間20分程度かかります。エディンバラから向かう場合は、ウェイバリー駅から2時間40分程度です。どちらから向かってもオクセンホルム・レイク・ディストリクトを経由するルートとなります。
湖水地方南部の玄関口となるウィンダミアの駅周辺には小さなホテルやB&Bが多く集まっており、イギリス国内を周遊する場合の拠点にピッタリの環境が整っています。自然豊かな湖水地方は主要な町同士がバスで結ばれているので、鉄道とバスの両方が利用しやすいウィンダミアはうってつけといえるでしょう。また、駅の近くにはウィンダミア湖を見下ろせる「オレスト・ヘッド」へ向かう道もあります。 湖水地方の観光スポットを回る場合に便利な町 として多くの観光客が集まるのが、ウィンダミアという町なのです。
ウィンダミア湖(Widermere Lake)は、イングランド最大の自然湖。縦に細長く伸びる美しい湖で、湖畔には 景色を見ながら散歩を楽しめるフットパス の散策や レンタサイクルでのサイクリング などが楽しめます。
広いウィンダミア湖をより楽しむなら、 クルーズ船を利用 するのがおすすめです。ウィンダミアの町から歩いて30分程度、バスで10分程度のところにある ボウネス(Bowness) という町に港があります。チケットタイプは複数ありますが、 おすすめは「ウォーカーズチケット(Walkers Ticket)」 です。まずは船に乗り、アンブルサイドで乗り換えて「レイ・キャッスル」を目指します。そこから下船して約6kmのフットパスを歩き、フェリー・ハウス(Ferry House)から再び船に乗ってボウネスに戻るルートです。
船と徒歩の両方の視点で風光明媚な景色を満喫できるので、2時間以上歩ける服装や靴などを準備して挑戦してみてください。
https://www.windermere-lakecruises.co.uk/about-us/warm-japanese-welcome
「ビアトリクス・ポターの世界(The World of Beatrix Potter)」は、湖水地方の中でも屈指の人気を誇る観光スポット。レストランやショップで賑わうボウネスの町の中にあり、童話作家である ビアトリクス・ポターの絵本をモチーフにしたアトラクション が楽しめます。
内部では、彼女が描いてきた作品の世界観が再現されており、子どもも大人も絵本の中に迷い込んだかのような気分が味わえるでしょう。代表作の『ピーターラビット』にちなんだ 「ピーターラビットガーデン」 では、ピーターが隠れているじょうろやベンジャミンがかじったロメインレタスなどの細かい部分まで再現されており、小さいながらも見応え十分です。
ピーターラビットをモチーフにしたメニューが提供されているカフェや、キャラクターグッズが充実したショップも含め、心ゆくまでビアトリクス・ポターの絵本の世界観に浸ってみましょう。
https://www.hop-skip-jump.com/
ビアトリクス・ポターゆかりの地で外せないのが、「ヒル・トップ(Hill Top)」です。 1913年から亡くなる1943年までを暮らしていた家 で、ウィンダミアの西側にある ニア・ソーリー(Near Sawrey) という小さな村の中にあります。
現在の ヒル・トップでは、ビアトリクス・ポターが生前に使っていた当時の状態がナショナル・トラストの管理下で維持 され続けています。農家らしい温かみのある内部のふとしたところに、大理石の暖炉や高級な陶器もあるのがビアトリクス・ポターのこだわり。花やハーブ、野菜などが無作為に植えられている庭も、彼女が愛した姿のままです。
この家と周辺の景色は彼女の多くの作品にインスピレーションを与え、多くの作品で登場しています。各部屋に置かれた絵本を参照して、挿絵にどう活かされているのかを見てみるのも面白いでしょう。
https://www.nationaltrust.org.uk/visit/lake-district/hill-top
イギリスは鉄道ファンの聖地でもあり、現役のSLに乗車できる「レイクサイド&ハバースウェイト鉄道(The Lakeside &Haverthwaite Railway)」が特に人気です。ウィンダミア湖南西部の レイクサイドから、さらに南西にあるハバースウェイト間を約20分で結んでおり、ウィンダミア湖から流れるリーブン川沿いの風景や放牧場を眺められます。
ハバースウェイト駅に到着したら、まずは スイッチバックによる連結切り替えを見学 しましょう。機関車のターンテーブルがないハバースウェイト駅ならではの光景なので必見です。
レイクサイド駅はウィンダミアからかなり離れていますが、駅のすぐ近くまでボウネスとクルーズ船で結ばれています。クルーズ船とセットになったチケットもあるのでぜひ検討してみてください。
https://www.lakesiderailway.co.uk/
「オレスト・ヘッド(Orrest Head)」は、ウィンダミアの背後にある丘。 360度に広がる大パノラマが楽しめます。
オレスト・ヘッドからの眺望は、イギリスで有名な登山家で作家のアルフレッド・ウェインライトが絶賛したことで知られ、 家族連れやカップルにも人気のビュースポット です。頂上では大型ベンチが設置されており、座って上からのウィンダミア湖を眺めたり湖水地方の自然を見渡せしたりと感動的な絶景に出会えます。
ウィンダミア駅からオレスト・ヘッドまでは片道約15分程度で登れる ので、夕方に到着した場合や時間があまり取れない場合にもおすすめです。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10493913
「レイ・キャッスル(Wray Castle)」は、ウィンダミア湖の北部の西岸沿いに建つゴシック風の城。 19世紀にリヴァプールの外科医によって建てられ、ボウネスからクルーズ船でもアクセスできます。
特筆すべきポイントは、1882年に 16歳のビアトリクス・ポターが両親とともに夏休みの滞在先として利用 した場所であること。この時にナショナル・トラストの創設者の1人であるローンズリーと出会い、彼からの指導や支援を受けながら後にデビュー作となる『ピーターラビットのおはなし』を出版します。 レイ・キャッスルはいわば、『ピーターラビット』出版のルーツともいえる場所 なのです。
現在レイ・キャッスルはナショナル・トラストの管理下で一般公開され、教会のような室内や19世紀の湖水地方の写真が展示を見学できます。ビアトリクスが湖水地方を愛するきっかけとなったこの地をぜひ訪れてみてください。
https://www.nationaltrust.org.uk/visit/lake-district/wray-castle
自然豊かな 湖水地方はロンドンやエディンバラから日帰りも可能 ですが、 できればウィンダミアに数日滞在するのがおすすめ です。今回はウィンダミアを中心におすすめスポットを紹介しましたが、湖水地方にはまだまだ景勝地がたくさんあります。
ぜひこの記事を参考に、ウィンダミアから湖水地方の旅を計画してみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
『ピーターラビット』ファン必見!イギリスの湖水地方「ウィンダミア」を紹介