スペインといえばフラメンコや闘牛などをイメージする方も多いのではないでしょうか。これらを現実に体験できるのがアンダルシア地方で、セビリアはその州都です。

この記事では、セビリアで訪れてほしいおすすめ観光スポットを6つ紹介します。スペインの中でも独自の魅力が詰まったエリアなので、ぜひチェックしてみてください。

セビリアはどんな街?

セビリア(Seville)は、グアダルキビル川に面する地形から貿易都市として栄えたスペイン第4の都市。 現地の発音に近いのはセビーリャやセビージャですが、日本ではセビリアと呼ばれるのが一般的です。

アンダルシア州はかつてイスラム文化が栄えていた地であり、カスティーリャ王国の繁栄とともにキリスト教のカトリック文化が浸透していきました。セビリアも例外ではなく、イスラム建築とキリスト教建築を融合させたムデハル様式の宮殿である 「アルカサル」 やゴシック建築の 「セビリア大聖堂」 などから歴史の流れが伺えます。また、大聖堂の東側に広がる 「サンタ・クルス街」 も必見です。白い壁と石畳が美しい街並みを堪能できるエリアとなっています。

セビリアは他の都市とのアクセス面に優れており、鉄道で首都マドリードには約2時間半、花の小道で有名なコルドバには約45分です。セビリア空港から約1時間半でバルセロナにも行けます。

セビリアのおすすめ観光スポット6選

コロンブスの墓もあるセビリアのシンボル「セビリア大聖堂」

ユネスコの世界遺産に登録されている セビリア大聖堂(Catedral de Sevilla)は、世界3番目の大きさを誇るスペイン最大の大聖堂 。ゴシック様式ならではのステンドグラスはもちろん、ルネサンス様式の王立礼拝堂や聖歌隊席に施された見事な装飾など見どころがたくさんあります。展示されている宗教画も見事ですが、特に注目してほしいのは大航海時代を代表する冒険家である クリストファー・コロンブスの墓 です。当時のスペインを構成した4人の国王がコロンブスの棺を担ぐ像となっており、墓とは思えないほどの迫力があります。

時間に余裕があるなら、高さ約98mのムデハル様式で建てられた ヒラルダの塔 にも登ってみてください。入場に人数制限がかけられていますが、展望台からセビリアの街並みを一望できるビューポイントとなっています。

【基本情報】

  • 営業時間(月曜〜土曜):11:00〜19:00(最終入場18:00)
  • 営業時間(日曜):14:30〜19:00(最終入場18:00)
  • 定休日:1月1日、1月6日、8月15日、12月25日
  • 入場料:オンライン11ユーロ、現地12ユーロ、13歳以下の子どもは無料
  • 音声ガイド:5ユーロ

https://4travel.jp/os_shisetsu/10007232

イスラム時代の名残が残る宮殿「アルカサル」

セビリア大聖堂の南東にある城壁に囲まれた観光スポットが、アルカサル(Reales Alcázar)です。世界遺産の登録もされています。

元々はイスラム時代の城で、レコンキスタ後キリスト教徒の王たちによる増改築によりゴシック様式やルネサンス様式が取り入れられた現在の姿となりました。中でも、1350年に即位したペドロ1世による 「ペドロ1世宮殿」 の内部装飾は圧巻。イスラムの芸術と文化への憧れからグラナダにあるアルハンブラ宮殿のような建物を望み、スペイン中からイスラム建築の職人を集めて豪華なムデハル様式の空間を作らせました。

アルカサルは建物だけでなく庭園も見事です。アルハンブラ宮殿と同じ 「ライオンの中庭」 やムデハル様式の列柱に囲まれた泉のある 「乙女の中庭」 など、水と調和したエキゾチックな雰囲気を楽しめます。

【基本情報】

  • 営業時間(10月1日〜3月31日):9:30〜17:00
  • 営業時間(4月1日〜9月30日):9:30〜19:00
  • 定休日:1月1日、1月6日、聖金曜日、12月25日
  • 料金:一般13.5ユーロ

オフシーズンでも楽しめる闘牛の聖地「マエストランサ闘牛場」

スペインでは古くから大衆向けのショーとして闘牛が行われてきました。セビリアでもシーズンを迎えると競技が開催され、その会場となるのがマエストランサ闘牛場(Plaza de toros de la Real Maestranza)です。

マエストランサ闘技場は約12,000人の収容人数を誇り、白い壁に金の装飾が入ったバロック様式のファサードが印象的。 競技を生で見る機会を作るのは難しいでしょうが、内部は通年で見学でき、実際に観覧席に入れるようになっています。併設されている博物館では闘牛に関連する絵画や有名な闘牛士が着ていた衣装などが展示されており、闘牛という文化に対しての理解がより深められる観光スポットです。

【基本情報】

  • 営業時間:毎日9:30〜21:30
  • 料金:大人10ユーロ、12歳〜16歳と65歳以上6ユーロ、7歳〜11歳3.5ユーロ、6歳以下は無料

https://realmaestranza.com/en/home/

植民地時代の貴重な文献を所蔵する「インディアス総合古文書館」

セビリアにある世界遺産は全部で3か所あり、セビリア大聖堂の南にあるインディアス総合古文書館(Archivo de Indias)も該当します。1572年にフェリペ2世の命を受けたスペインを代表する建築家ファン・デ・エレーラが設計したルネサンス様式の建物です。

完成当初は商品取引所として使用されていましたが、1785年の国王カルロス3世の希望により スペインの植民地に関する資料や文書をまとめる総合古文書館 として活用されるようになりました。大航海時代当時、新大陸と呼ばれた南北アメリカ大陸の発見と征服に関する貴重な資料が収蔵されています。 コロンブスやマゼラン、メキシコの征服者エルナン・コルテスの直筆文書などが無料で見学できる 世界史ファン必見のスポットです。

【基本情報】

  • 営業時間(火曜〜土曜):9:30〜17:00(最終入場16:30)
  • 営業時間(日曜・祝日):10:00〜14:00(最終入場13:30)
  • 定休日:月曜
  • 入場料:無料

『スターウォーズ』のロケ地にもなった「スペイン広場」

スペイン広場(Plaza de España)は、1929年のイベロ・アメリカ博覧会のために建設された広場。かつてサン・テルモ宮殿の庭園の1つだったマリア・ルイサ公園の中にあり、建築家のアニバル・ゴンザレスによって設計されました。

スペイン広場の魅力は、 外周を囲む水路と中央に設置された噴水、半円形の建物による絶妙な構成 です。特に建物はルネサンス様式をベースにムデハル様式が取り入れられ、独創的かつ優美で美しい姿を演出しています。スペインの各都市の地図や象徴する歴史的な出来事が描かれている壁面のタイルも必見です。

また、スペイン広場は 『スターウォーズ エピソード2』の惑星ナブーのシーンで使われた 場所でもあります。ぜひ水路にかかる橋や建物の廊下などを写真で切り取ってみて見比べてみましょう。

【基本情報】

  • 営業時間:8:00〜22:00
  • 年中無休
  • 無料

グアダルキビル川沿いにある正十二角形の塔「オロ・タワー」

セビリアの発展を支えたグアダルキビル川の東岸にある正十二角形のオロ・タワー(Torre del Oro)。 日本語に翻訳すると「黄金の塔」 と呼ばれるこの塔は、13世紀のはじめに川の運行の検問を目的に造られ、当初は金色のタイルで覆われていたそうです。現在は船の模型や航海図などが展示される 海洋博物館 として公開されており、屋上からはセビリアの街並みが見渡せます。

大聖堂のヒラルダの塔と比較するとシンプルですが、実は夜もおすすめのスポット。すぐ南にある 「サン・テルモ橋(Puente de San Telmo)」 から眺めると、溶けた黄金のような色合いの姿をグアダルキビル川沿いの夜景とともに楽しめます。

【基本情報】

  • 営業時間(月曜〜金曜):9:30〜18:45
  • 営業時間(土曜・日曜):10:30〜18:45
  • 入場料(月曜以外):一般3ユーロ、6歳〜14歳と65歳以上は1.5ユーロ
  • 入場料(月曜):無料

見どころの多いセビリアに滞在してみよう!

セビリアは、グアダルキビル川の東側に広がる旧市街に主要な観光スポットがコンパクトにまとまっています。他の近隣都市から日帰りで立ち寄ることもできますが、できれば1泊してじっくりと散策するのがおすすめです。

ぜひこの記事を参考に、セビリアへの旅行を検討してみてください。

出典・参考


C.Wakisaka

余暇プランナー

1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。

【スペイン】セビリアの観光スポット6選!イスラムとカトリックが融合した多文化都市

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【スペイン】セビリアの観光スポット6選!イスラムとカトリックが融合した多文化都市