島根県西部に位置する江津市は「東京から一番遠いまち」として、高校の地理の教科書で取り上げられ有名になったこともあるそうです。町には、中国地方最大の大河である江の川が日本海に流れ込んでいます。良質な粘土層にも恵まれているため、日本三大瓦のひとつである石州瓦の産地としても知られており、江津市内には赤い瓦の町並みが広がっています。

そんな江津には、”有福温泉”という縁起の良い名前の温泉街があるのをご存知でしょうか。今回は、そんな有福温泉の魅力をご紹介します。

有福温泉に行こう!

1350年以上昔、聖徳太子がいた時代に修行僧が山奥で見つけた温泉が有福温泉でした。古来より、名湯が沸く福有の里として知られていることから、「有福」という名前が付けられたといわれています 。温泉街は、細い階段の道が多くあり、そのすぐそばにはレトロな建物が多く存在しています。また、夜灯りに照らされた温泉街はノスタルジックで、異世界に紛れ込んだかのような錯覚を起こしてしまうほど。温泉も有名で、 無色透明な単純アルカリ泉は、透き通るような美肌を作る『美人の湯』として、多くの観光客や地元の人に親しまれています。

3つの外湯でつるつるお肌に

御前湯

朝7時から開いているため、朝湯も楽しめるのがこちら。レトロな外壁と内観が特徴的です。温泉中央部から湧き出ているのが源泉です。広い湯舟で、ゆっくりお風呂に浸かれます。

  • 料金:大人(中学生以上)400円、小人(小学生)200円、家族風呂1,200円(60分)
  • 営業時間:7:00~22:00(最終受付21:30)
  • 定休日:火曜
  • 電話番号:0855-56-3353

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さつき湯

温泉街の真ん中に位置している、さつき湯。木造で作られた日本的な外観が温泉街に溶け込み、ひとたび中に入ると、木の香りが漂う家庭的な温泉です。熱々のお湯が沸き出ている、源泉かけ流し湯です。

  • 料金:大人(中学生以上)400円、小人(小学生)200円
  • 営業時間:10:00~21:00、火曜日のみ7:00~22:00(最終受付は閉店30分前)
  • 定休日:木曜
  • 電話番号:0855-56-3353

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やよい湯

素朴な雰囲気のする外観のやよい湯は、他のふたつの温泉に比べてぬるめのお湯が特徴的。
休憩所がなく、造りは簡素で少し狭いですが、ゆっくり落ち着いて入浴ができる、隠れ家のような温泉です。

  • 料金:大人(中学生以上)400円、小人(小学生)200円
  • 営業時間:10:00~21:00(最終受付は20:30)
  • 定休日:金曜
  • 電話番号:0855-56-3353

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体験レポート◎令和5年5月にできた、ゲストハウスに滞在!

今回筆者は、有福温泉に令和5年の5月にオープンしたばかりの宿「ロイノハコ」に滞在しました。温泉街のノスタルジックな雰囲気に溶け込んだ外観。一階にはカフェバーも併設されたゲストハウスです。お部屋は、2段ベッドのあるドミトリータイプのヨコバコと、プライベート感のあるタテバコの2種類があり、今回私はドミトリータイプのヨコバコに宿泊しました。

チェックインは、姉妹宿の『Showcase Hotel KASANE』でするので、ひとまず荷物を車に置いてチェックインをしに向かいます。
駐車場は、『Showcase Hotel KASANE』のスペースを使わせていただきます。
(※5台限定で駐車ができますが、事前に宿に空きがあるかどうかお問い合わせください。)

チェックインの際に、温泉の無料券を1枚いただけ、有福温泉の3つの外湯のどれかひとつを無料で体験することができます。これは嬉しいサービスですね。従業員の方に一通り施設の説明をしていただいたあと、早速お部屋に向かいます。

ドアを開け、ひとたび中に入れば、身体中が木のにおいに包まれ、一気にリラックスできます。ここに入った瞬間の感動たるや…。共有スペースのキッチンや、カウンターテーブルは細部まで細かいこだわりが見られます。キッチンにおいてある、食器やカトラリーなどの種類も豊富で、設備もかなり充実しており、シャワールームにはドライヤーも完備。洗濯機も無料で使えるため、長期滞在者にもおすすめです。お部屋は、色ごとに分かれていました。とにかく細部がお洒落、かつ可愛さを兼ね備えた温かみのある空間です。

お部屋に入ると、バスタオルとフェイスタオルの入った温泉セットがあり、その袋を持ってそのままお風呂へ行くことができました。有福温泉を満喫できる、最高なセット。部屋のカーテンを開けると、ライトアップされた温泉街を一望できました。
また、木の温もりを存分に感じることのできる二段ベッド、シーツの心地良さも相まってぐっすり眠れ、疲れをとることができました。

また、宿の一階には宿泊者でなくても気軽に使えるバーダイニングを併設しています。 宿泊者だけでなく、地域の方とも交流の機会があるかもしれません。土地ならではの食材を使った料理やお酒を味わいながら、有福温泉での滞在を存分に楽しめること間違いありません。

基本的に食事はついておらず、素泊まりという形になりますが、近くにお洒落なイタリアンレストランもありますのでご安心を。不安な方は、食材を調達して自炊をすることも可能ですよ。自炊の為の調味料や、調理器具はかなり充実していました。地元の食材をスーパーで買って料理するのも、楽しいかもしれません。

  • 住所:島根県江津市有福温泉町1123-11
  • 定休日:不定休
  • 営業時間:in 16:00~20:00/out 10:00

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有福温泉までの交通アクセス

車の場合

  • 広島ICから約2時間25分
  • 大阪方面から、中国池田ICより約5時間15分
  • 福岡方面から、八幡ICより約4時間5分

公共交通機関の場合

  • JR江津駅からバス、またはタクシーで約30分
  • JR広島駅から高速バスでJR浜田駅まで約2時間20分、そこから路線バスまたはタクシーに乗り換えて約30分
  • 石見空港から益田駅まで約10分、そこから特急に乗り換えてJR浜田駅まで約30分、さらに路線バスまたはタクシーに乗り換えて約30分

近場のおすすめスポット

ランチ&ディナーのススメ!有福BIANCO

温泉街の中心にある大きなガラス戸のお店。地元の美味しい食材を使ったこだわりイタリアンが食べられます。お洒落で綺麗な店内で、お隣の浜田市から水揚げされた新鮮なお魚を頂けます。イタリアンに合わせた絶品ワインもいかがでしょうか。

  • 住所:島根県江津市有福温泉町690
  • 営業時間:11:30~15:00/17:30~21:30(L.O.21:00)
  • 定休日:無し

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特殊な表情が癖になる人続出…有福大仏

有福温泉街から少し歩いた山の高台に建っている赤いお堂。苔に覆われた階段を登っていくと、お堂が見えてきます。扉を開けると、そこには 迫力満点の優しい目をした大仏様がいます。 高さは3mほどあるそうで、結構な迫力です。お堂に入ると、その空気感に吸い込まれそうになります。中には、旅行者が書き記している旅ノートが置いてあり、様々な旅行者がここを訪れていることが分かります。独特な大仏様の表情にハマる人も続出しているそう。ぜひ一度、その目で確かめてみてください。

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有福温泉から少し足を伸ばして行きたい…!

蔵庭

「ベジタブルキッチン kuraniwa」と「ベーカリーショップ tsumugi(紬麦)」が同居する、蔵と和庭園が特徴的な古民家。 古民家のリノベーションを、建築会社に全て任せるのではなく、“働く場所は自らの手で作る”という想いのもと、「リノベーションキャンプ」というワークショップ型の改修工事イベントを8日間連続で行い、地域の方々に協力してもらいながら見事に古民家を再生させたのだそうです。

「ベジタブルキッチン kuraniwa」は、「地域・食・心身」をテーマに地域にあるものを大切にしながら地域コミュニティの拠点にしたい、という店主の想いが詰まった場所。

地域の農家さんの作るお野菜をできる限り、安心安全な食材で仕上げた朝食やランチが食べられます。畳で落ち着く店内は、温かい人の良い気が流れているように思えました。

また、併設しているのが、国産小麦を使い素材にこだわって焼き上げている「ベーカリーショップ tsumugi(紬麦)」。 江津にはあまりない、ハード系のパンを充実させながら、お年寄りでも食べられるようなパンも用意したりと、日常的に食べてもらいやすいようなパンが30種類ほど並んでいます。 丁寧に焼き上げられた種類豊富なパンの匂いだけで、全種類買ってしまいそうな勢いでした。

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再生した温泉街で、新しさと歴史を感じる旅を

かつて旅館火災や豪雨災害の影響で観光客が減少し、旅館などの廃業が相次いだ有福温泉。温泉街の賑わいを取り戻すために、2021年から官民連携の再生プロジェクトが始動し、温泉街として少しずつ賑わいを取り戻しています。レトロな温泉街の景色は、ノスタルジックで異世界に来たかのような感覚になるほど。急がず、ゆっくり非日常を味わう旅を、是非ここ有福温泉で。

出典・参考


asadaruma

余暇プランナー

1992年に広島で生まれ、広島で育つ。7年半勤めた仕事を退職し、初めての海外ひとり旅へ。思い立ったときの行動の早さと美味しいものを見つける嗅覚だけが自慢。旅をしながら、時々ライターとして記事を書いています。好きなものはコーヒーとお酒と音楽と自然。国内外の良いところをたくさん発信していきます!

【島根県江津市】福が有る、山間にひっそり佇む有福温泉の魅力に迫る◎ゲストハウス体験レポートあり

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【島根県江津市】福が有る、山間にひっそり佇む有福温泉の魅力に迫る◎ゲストハウス体験レポートあり