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お城というと桜の名所といった場所が多く、桜見物の際にはお城へ行く方も多いのではないでしょうか。
そうするとお城には昔から桜がたくさん植えられていたと思うかもしれませんが、実はそうではなかったようです。 江戸時代の頃はお城には樹木は植えられてなかったそうです。
その理由はお城が攻められた際に、樹木があると視界を遮り、敵にとっても隠れ場所になってしまうので、樹木は植えられていませんでした。
お城に桜が植えられるようになったのは、明治以降になります。 1873年(明治6年)に廃城令で大半のお城が取り壊されました。その処分で 民間に払い下げられた際に市民に公園として開放される際に桜の木などが植えられることになりました。
現在、 廃城令から100年以上経過しているので、全国各地のお城の桜も立派に育ち、桜の名所として多くの観光客で賑わうようになったのです。
桜はお城の栄華の象徴のようなイメージがあるのですが、実はこのような少し寂しい背景があったのです。
高田城址公園は、徳川家康の六男である松平忠輝の居城として1614年に築城された跡地を整備した公園です。
明治時代に廃城となり、その後陸軍第13師団が駐屯地として使用の際に土塁を撤去し、堀を埋め立てたのですが、その際に 在郷の軍人団が2,200本の桜を植栽したものが今日の桜の元 となっています。
現在は広大な内堀と外堀、その周辺に 約4,000本の桜が咲き誇り、特にライトアップされた三重櫓とぼんぼりの灯りに照らし出されている美しい景色は、日本三大夜桜の一つに数えられています。 その他にも 日本さくら名所100選、新潟景勝百選 にも選ばれている名所です。桜はほとんどがソメイヨシノになります。
https://niigata-kankou.or.jp/event/2332
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松本城は1590年代に築城された、現存する五重六階の天守としては日本最古の城で、 全国でも5つしかない国宝の城の一つ でもあります。これまで幾たびもあった存続の危機を乗り越えてきた歴史があり、松本のシンボルでもあり、市民の心のよりどころでもあります。
県内屈指の桜の名所でもあり、 松本城公園や本丸庭園、周囲のお堀には約300本のソメイヨシノ、コヒガンザクラ、シダレザクラなどが植えられていて、残雪の残る北アルプスの絶景を背景に咲き誇っています。
また開花後から松本城天守と本丸庭園が無料開放されて、桜と天守をライトアップする「夜桜会」が開催されます。合わせて外堀沿いの桜並木をライトアップする「光の回廊」も開催され、幻想的な桜の景色を楽しむことができますよ。
本丸庭園内には 「清正公駒つなぎの桜」と呼ばれる熊本城主加藤清正公が江戸からの帰りに立ち寄った際の伝承が残るシダレザクラの一本桜 があり、天守との見事な春の景色を楽しむことができます。
漆黒の天守閣とピンク色の桜、背景には 残雪の残る北アルプスの名峰とのコントラスト を眺めることができ、この時期ならではの春の絶景です!
https://www.matsumoto-castle.jp/event/spring
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上田城は戦国時代に 真田昌幸によって築城された平城 で、第一次、第二次上田合戦で徳川の大軍を撃退した 難攻不落の城 としても有名です。真田氏が入封された後は仙石氏、松平氏の居城となり、現在も城跡公園として残されています。
春になるとこの 名城を埋め尽くすようにソメイヨシノやシダレザクラなど約1,000本の桜が咲き誇ります。 3つの櫓に映える桜やお堀の水面に映る桜や花びらなど、日本の春らしい歴史ある風景を楽しむことができます。また夜になると上田城跡がライトアップされて、幻想的な美しさを眺められます。この美しい景色は日本夜景遺産にも選ばれているほどです。
また桜の開花に合わせて、上田城千本桜まつりも開催され、屋台なども出店されてご当地グルメや特産品を花見と合わせて購入できますよ。
https://ueda-kanko.or.jp/special/sakura2024/
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小諸城は前身である大井氏の鍋蓋城を佐久地方へ進出した武田信玄が山本勘助と馬場信房に設計させて築城したものとして伝わっています。その後、安土桃山時代に仙石秀久が入城し、秀久・忠政親子によって大改修され、近代的な城郭へと生まれ変わりました。
小諸城は城郭が城下町よりも低い場所に位置する「穴城(あなじろ)」であり、これは日本で唯一のものと言われています。
明治時代に廃城となると、 小諸藩の元藩士らによって公園として整備をされて、小諸城址懐古園として近代的な公園に生まれ変わりました。 公園内は四季折々の木々が植えられ、園内には美術館、記念館、動物園、遊園地も楽しむことができます。
小諸城址は長野県有数の桜の名所としても知られています。 ソメイヨシノを中心に約500本の桜が咲き、苔むした石垣と桜が見事なコントラストを映し出しています。 特に本丸跡を取り囲む石垣の上からは馬場を埋め尽くす桜を眼下に見ることができ、桜の雲海の景色を見ることができますよ。
また園内にはソメイヨシノの他にも小諸固有の「 小諸八重紅枝垂(こもろやえべにしだれ) 」やシダレザクラ、ヒガンザクラなど数種類の桜が順々に咲き誇るので、長い期間にわたり桜の景色を楽しむことができます。
https://www.komoro-tour.jp/spot/castle/sakura/
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諏訪高島城は1598年に豊臣秀吉の家臣・日根野織部正高吉によって築城され、築城当時は諏訪湖の水が城際まで迫り堀の役割をして周囲の湖水や湿地と合わせて諏訪湖中に浮かぶような景色から 「諏訪の浮島」 とも呼ばれました。
現在ある天守は昭和45年に復興されたものであり、展望室と資料室が中に入っています。
公園内は桜や藤の名所としても名高く、春の季節には ソメイヨシノを中心にシダレザクラ、ヒガンザクラなどの桜が約90本 あり、満開の時期には高島城を華やかなピンク色に染め上げた魅力的な春を楽しむことができます。今では、たくさんの花見客が訪れるようになりました。
https://www.city.suwa.lg.jp/site/enjoy/4446.html
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高遠城は武田信玄の五男である仁科五郎盛信が城主を務めた城で、甲州征伐の際に織田信長の長男である織田信忠と激戦を繰り広げた地でもあります。明治時代の廃城令で城は取り壊され、その後は城址公園として現在に至っています。
高遠城址公園といえば桜の名所として全国的にも知られていて、 青森県の弘前公園、奈良県の吉野山とともに日本三大桜の一つに数えられ「天下第一の桜」とも呼ばれているほどです。
桜の始まりは、城が取り壊された際に旧藩士たちが荒れ果ててしまった高遠城址を何とかきれいな公園にしようと、桜を移植したのが始まりといわれています。高遠城址に咲く桜は 「タカトオコヒガンザクラ」 という固有種で、 桜の季節には約1,500本が一斉に咲き誇り、城址公園を一帯をピンク色に染め上げます。 タカトオコヒガンザクラはソメイヨシノなどに比べて、濃いピンク色で花びらが小ぶりなのが特徴です。
桜の開花時期には 「高遠さくら祭り」 も開催されていて、地元の名産や特産品などの屋台も出店されていて、多くの見物客で場内は大変賑わっています。また桜の最盛期には夜もライトアップされて、幻想的な桜の風景を眺めながら桜見物を楽しむことができます。
https://takato-inacity.jp/2024/
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舞鶴城公園は甲府市の中心地にあった甲府城の跡地でにできた公園です。武田氏が滅亡した後、16世紀末に豊臣秀吉の命により築城されました。関東にいる徳川家康へ対抗するための重要な戦略拠点として築かれ、徳川時代になると逆に西側への備えとして重要な役割を持っていたといわれてます。
現在は城跡の一部が「舞鶴城公園」として開放されていて、天守閣はありませんが、石垣、稲荷櫓、山手御門などが残り、天守台も再建されていて、 日本百名城の一つ に数えられています。また天守台からは甲府盆地を一望できて、富士山や南アルプスの山々を見渡すことができます。
公園内は桜の名所としても知られていて、 約160本の桜が甲府城の石垣を囲むように咲き誇っていて、富士山を始めとする周囲の山々との絶景を観賞することができます。 場内を散策しながら、お花見を楽しめる憩いのスポットになります。
https://kofu-tourism.com/spot/19
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今回は甲信越地方にあるお城と桜の名所をご紹介してきました。昔は違ったようですが、現在お城と桜というと欠かせないイメージが強く、桜の季節になるとお城には特に多くの観光客が訪れるようになっています。これにはお城を少しでも残そうと努力した先人たちの思いが結実したものだ思いながら桜を眺めているといつもと一味違った感慨深いものがこみ上げてきます。
桜の景色とお城は日本人の心に欠かせない季節の風景で、お花見や散策するだけで昔へタイムスリップしたような、幽玄の世界に癒されることでしょう。
今年の春は桜見物へお城めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターをしています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。
【新潟・長野・山梨】桜が良く似合う!甲信越地方のお城と桜スポット7選