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小田原城といえば、戦国時代に活躍した北条氏のイメージが強いですが、 築城は15世紀中ごろに大森氏によって築かれました。 その後戦国時代に北条氏の居城として栄えるようになったのです。
関東支配の拠点として城下町と合わせて繁栄した小田原城は、南に相模湾、東に酒匂川、北西に箱根山という地理条件も活かした 難攻不落の城 としてその名を轟かせました。 北条氏政の時代には上杉謙信や武田信玄といった戦国大名たちをも退けるほどの名城 でした。
しかし1590年、 豊臣秀吉の小田原征伐による包囲網によって落城 し、北条氏の領地は徳川家康に代わり、家康の家臣だった大久保氏が城主になります。江戸時代になると幕府の直轄領となり、明治時代に廃城となりました。
その後は城址公園として整備され、 昭和35年の小田原市政20周年の記念事業として天守閣が再建 されました。順次、常盤木門、住吉橋、銅門、馬出門が次々と再建されています。現時点では本丸や二の丸の大部分、総溝の一部が国指定の史跡となっています。
現在の小田原城は、近年に再建されたものが多いですが、天守閣内の展示室や城址公園内が整備されて、昔からの小田原城の歴史散策ができる観光名所、また城下町だった小田原のシンボルとして、多くの観光客や市民が訪れる名所になっています。
小田原城の近くにはJR小田原駅があります。小田原駅にはJR東海道線、東海道新幹線、小田急線といった路線が乗り入れていて、アクセスが良好な場所です。 小田原駅からは徒歩10分 で行くことができます。小田原城までは道なりに案内板があり、大きなお堀が目につくので、初めていく方も迷うことはないでしょう。
車の場合は小田原厚木道路荻窪ICから約10分、西湘バイパス小田原ICから約5分で行くことができます。小田原城には 専用の駐車場が用意されていませんので、周辺の有料駐車場を利用することになります。 主な駐車場としては小田原駅東口駐車場(24時間営業368台収容)、栄町駐車場(5:00~24:00営業372台収容)などがあります。
小田原城観光のメインといえば小田原城天守閣になります。小田原市内のあちこちから見ることのできる 市民のランドマーク的な存在 です。小田原城址公園の中心部にあり、高台に位置していて、入口から5分ほど歩いて辿り着くことができます。
現在の小田原城は昭和35年に市制20周年記念建設事業でされたもので、その後大改修工事を行い、 2016年にリニューアルオープン されたものです。 3重4階の天守閣の高さは27.2m、石垣は11.5m あり、 合わせると38mもの高さ になります。天守閣の最上階からは小田原の街を一望することができ、天気が良ければ房総半島まで見ることができます。
また天守閣内部は博物館になっていて、甲冑・刀剣・絵図・古文書など小田原の歴史を伝える資料や、武家時代の文化に関わる資料が展示されています。天守閣内部は撮影禁止となっていますので、見学の際は注意してください。
さらに天守閣内には小田原城の歴代当主にまつわる資料展示、全国各地の天守閣の高さ比べをした表や展示にまつわるクイズコーナー、小田原の名産品などを購入できるミュージアムショップなどがあり。大人から子供まで楽しめるようになっています。
https://odawaracastle.com/castlepark/tennsyukaku/
正面入り口にあたる二の丸正面に位置する大きな門で、現在の門は 2009年に再建されたもの です。馬屋曲輪へ通ずることからこの名が付いたといわれています。内冠木門と土塀で周囲を囲む枡形門の構造を持ちます。
https://odawaracastle.com/castlepark/umadasimon/index.html
馬屋曲輪から二の丸へ通じる位置にある大きな門 で、渡櫓門(わたりやぐらもん)、内仕切門(うちじきりもん)と土塀で周囲を囲む枡形門の構造を持ちます。
渡櫓門をくぐる際は上を見てみると細長い窓が3つ並んでいるのが見えます。これは石落としで、敵が来た時に石を落として攻撃できるようになっています。
また渡櫓門は土日祝日のみ内部を無料で見学することができますのでぜひ立ち寄ってみてください。
https://odawaracastle.com/castlepark/akaganemon/index.html
戦国時代の北条氏を陰で支えたといわれる 風魔忍者をモチーフ に、 忍者の存在が学べて、様々な体験や体感ができる展示 になっています。風魔忍者は棟梁が「風魔の小太郎」を名乗る集団ですが、文献はほとんど残っていないので謎に包まれています。しかし昨今では人気漫画などにも登場することで、知名度が高く人気のある忍者集団です。
映像や展示を通じて北条五代の歴史や風魔忍者について学びながら、デジタル技術を活用した参加体験型の展示になっているので、子供から外国人まで楽しむことができる施設になっています。
https://odawaracastle.com/castlepark/historicalmuseum/index.html
本丸の正面にあたり、重要な防御拠点であったために 小田原城の城門の中でも大きく堅固に造られました 。多聞櫓と渡櫓門を配していて、多聞櫓は武器などの貯蔵庫として用いられました。現在の門は市制30周年事業として再建されたもので、 昭和46年に完成されたもの です。
常盤木とは常緑樹の意味で、門の傍らには古くから松が植えられていて、松の木が常に緑色をたたえて生長することになぞらえて、小田原城が永久不変に繁栄することを願って名づけられたといわれています。
https://odawaracastle.com/castlepark/tokiwagimon/index.html
2016年に小田原城常盤木門の展示をリニューアルして、 新たな歴史観光施設としてオープン しました。
甲冑や刀剣などのコーナーでは小田原城天守閣で収蔵する武具をはじめ、日本甲冑武具研究保存会会員の所蔵品などの優品を展示しています。またデジタル映像と音楽による躍動感に満ちたビジュアルのプロジェクションマッピング「花伐つ鎧」では武士の世界観を表現していて、美しい映像に思わず見入ってしまいます。
https://odawaracastle.com/castlepark/SAMURAI/
天守閣の南にあり、小田原出身の偉人で、飢饉に苦しむ多くの農民を救った偉人・ 二宮尊徳(二宮金次郎)を祀る神社 です。勤勉の象徴とされる二宮金次郎像も祀られています。
神社内には開放感のあるオープンカフェもあるので、小田原城を歩き疲れたら一息つくのにおすすめです。
小田原城では城見学だけでなく、季節の花々を一年通して楽しむことができ、年間を通して多くの人々で賑わっています。訪れる際にはお城だけでなく、その時期の花々も是非楽しんでいってください。
天守閣や銅門、常盤木橋を背景に約250本の梅が咲いています。冬の寒い時期に鮮やかな色で咲く梅の花で城下町小田原の雰囲気を味わうには最適で、シーズンには多くの市民と観光客で賑わいます
小田原城址公園内には各所に約300本の桜が植えられていて、 「日本の桜の名所100選」 にも選ばれています。長興山のしだれ桜、沼代桜の馬場で 「小田原桜まつり」 が開催されます。また桜の時期にはライトアップも行われて、幻想的なお城と夜桜の景色を楽しむことができます。
南入口付近にあり、花房が1m余りにもなる見事な藤棚で、大正天皇が皇太子の頃、この藤の花の下に召馬が駆け込み、花を散らした際に「見事な花に心なきことよ」としばらく馬を止めて感嘆されたので 「御感の藤」 と名付けられたといわれています。
城址公園内には各所に1,900本ものつつじが植えられています。御感の藤と合わせて観賞を楽しむことができます。
東堀には花菖蒲園があり、約10,000株の花菖蒲を観賞することができます。同じ時期には周辺に咲くあじさい約2,500株も併せて楽しむことができます。
開花時期には 「小田原城あじさい花菖蒲まつり」 が開催されています。
小田原城址公園の南曲輪南堀には蓮の花が群生していて、城址公園の 夏の風物詩 となっています。一斉に花開く姿は壮観です。蓮の花は日の出とともに花が咲き、午後には閉じるので、午前中の早い来場がおすすめです。
花が咲いているわけではないのですが、毎年11月上旬から中旬にかけて、愛好家が丹精込めて作った美しい菊が菊花展として展示されています。菊の良い香りに包まれて、小田原城址公園の 秋の風物詩 となっています。
https://odawaracastle.com/flower/
小田原城は戦国時代に難攻不落の城として名を馳せた城ですが、決して入りずらい、行きづらいといいた場所にはなく、現在ではアクセスしやすく、だれでも気軽に見学できる歴史スポットになっています。
またお城見学だけでなく、城址公園の中では歴史の体験資料館や季節に合わせた花々を楽しむことができるので、大人から子供まで楽しめる歴史のテーマパークといえます。
また季節の花々が一年を通して見れることからもわかるように、小田原は温暖な地域にあるので、季節を問わずいつでも気軽に行くことができるのもおすすめポイントになります。
今度の休日は、歴史と花を楽しみに小田原城へでかけてみませんか。
余暇プランナー
元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターをしています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。