今年3月のイタリアは、国際女性デーとイースターがあります。3月8日の国際女性デーには、男性は女性にミモザの花を贈る習慣があり、3月上旬の街中はミモザの花で華やかに。ミモザの時期だけ堪能できる可愛らしいケーキも登場します。

2024年のイースターは3月31日。筆者の住むミラノは、すでにイースターのデコレーションで街中が溢れています。今回は、イタリアの国際女性デーとイースター文化について、さらに春の訪れを楽しむ季節限定のスイーツをご紹介します。

イタリアの国際女性デーはミモザの日

毎年3月8日に祝われる国際女性デーは、世界中の女性の社会的、経済的、政治的功績を称える特別な日です。イタリアでは、フェスタ・デッラ・ドンナと呼ばれ女性へミモザの花を贈るが習慣があります。

ミモザの花を送る文化

イタリアで国際女性デーにミモザを贈る習慣は1946年に始まりました。

ミモザが選ばれた理由には、3月上旬に咲くことや可愛らしいカラーや優しい香り、さらに当時ミモザは高価ではなかったことから誰でも購入できるということでイタリア女性同盟の人たちが採用しました。

それ以来、ミモザはイタリアの国際女性デーのシンボルとなり、3月8日は多くの男性が女性へミモザの花を贈るようになります。

3月8日になると、フラワーショップやスーパーマーケット以外に、地下鉄を出た街角などでミモザの花束や植木が販売され仕事帰りや帰宅途中に気軽に購入することができます。

イタリア流ミモザの保存方法

ミモザは、日光に直接当たることを非常に好みますが、贈り物としていただくと小枝なのでカットされています。

自宅で鑑賞する場合は、ミモザの束が腐るのを防ぐために小枝にある葉を取り除きます。そして、茎の3cmほどまで水に浸し花瓶へ。

イタリア流のカットしたミモザを長持ちさせるコツは、水にレモンを数滴垂らすこと。フラワーショップでミモザを購入するとこんなアドバイスをもらいます。

花瓶は直射日光を避け、バスルームやキッチンなどの湿気の多い場所に置くと長持ちします。

美味しいミモザをモチーフにしたスイーツも登場

この時期だけ味わえるミモザのイエローカラーが特徴のケーキも登場します。スポンジケーキを正方形にカットしてミモザに見立てた可愛らしいミモザケーキです。中は、クリームとスポンジが重なっていてふんわりクリーミーな味わいが楽しめます。

3月8日の数日のみ洋菓子店や食料品店で販売され、毎年この季節だけ味わえる春らしい華やかなスイーツです。3月上旬にイタリアへ行ったらぜひ食べてみてくださいね。

イタリア伝統のイースター限定スイーツ

イタリアでは、イースターは大きな祝日です。イースターが近づくと街中に限定スイーツが並び、イースター当日までに家族や友人、大切な人へ贈ります。

ここでは、イースターで楽しむイタリアの伝統スイーツを3つご紹介します。

鳥の形をした「コロンバ・ディ・パスクア」

コロンバ・ディ・パスクア(Colomba di Pasqua)は、平和の象徴「ハト」の形をしたイースター伝統お菓子です。パスクアは、イタリア語で「イースター」、コロンバは「鳥」を意味しています。

コロンバ・ディ・パスクアは、ケーキと菓子パンがクロスしたお菓子で、生地にオレンジピールが練り込まれ、長期発酵しているのでしっとりした味わいが堪能できます。

オリジナルは、アーモンドと砂糖がトッピングされていますが、最近ではチョコレートやピスタチオクリームなどがトッピングされバリエーションが豊富にあります。

日持ちのするお菓子なので、日本に持ち帰るお土産にもおすすめです。

卵の中にはギフトが入った「ウオヴァ・ディ・パスクア」

ウオヴァ・ディ・パスクア(Uova di pasqua)は、キリスト復活を表した「たまご」の形をした大きなチョコレートです。イタリア語でウオヴァ(Uova)は、たまごを意味しています。

ウオヴァ・ディ・パスクアの魅力は、店舗によりこだわりのチョコレートエッグを作っていることです。

ハンドメイドで一つ一つ絵を描いたり、デコレーションされているもの、ミルクチョコレートやダークチョコレートをミックスしていたり、カラフルに色付けしてピスタチオやアーモンドをトッピングしたものなど様々。

特に子どもたちに人気のお菓子で、大きなたまごを割ると中にギフトが入っているのです。

チョコレートの中は空洞になっていて、カプセルがあり中には小さな人形やアクセサリー、置物などが入っています。

イースター当日まで飾って楽しみ、当日チョコレートエッグを割って中のギフトをあけてチョコレートを味わうのが伝統になっています。

ナポリ発祥のケーキ「パスティエラ・ナポレターナ」

パスティエラ・ナポレターナ(Pastiera napoletana)」は、日本のタルトのようなケーキです。

タルト生地の中にはミルクやバター、リコッタチーズで作ったクリームに茹でた小麦とシトロンのピールなど入っています。外は、サクッと中はしっとりクリーミーな味わいが特徴です。

材料の一つでもある茹でた小麦は、「Grano cotto (グラノコット)」と言い、瓶詰めにされてパスティエラ・ナポレターナを作るだけのために販売されている重要な食材。パスティエラ・ナポレターナは、自宅で作る家庭の味でもあり、イースターが近づくと食料品店にシトロンピールなどの材料が並びます。

筆者も毎年パスティエラを自宅で作り、イースター当日はイタリアの家族や親切と集まって味わいます。

ミモザを飾り季節限定のお菓子を食べて春を楽しもう

美食の国イタリアならでは、イベントごとに限定のスイーツが登場します。特に春の知らせにもつながるスイーツは華やかで見た目も可愛いらしいのが特徴です。

3月にイタリアに行ったら春限定のお菓子をぜひ堪能してください。そして今年の国際女性デーにはミモザをお部屋に飾ってみてはいかがですか。自宅にお花があるだけで気持ちが上向きになりますね!

https://www.veltra.com/jp/europe/italy/?sid=1554


Shiho Yamaguchi

余暇プランナー

欧米のライフスタイル・サステナビリティを発信しているフリーライターです。 ニューヨーク在住中にイタリア人と出会い、現在は拠点をミラノに移し夫と娘の3人暮らしをしています。趣味は、格安フライトやフェリーで行く月1回のヨーロッパ旅行。2歳の娘は、現在12カ国の旅行を経験し旅育にも力を入れています。トリリンガル子育て中です。 旅で経験した情報をお伝えしたいと思っています。

【3月8日は国際女性デー】イタリア|春の訪れを感じるミモザの日とイースターのスイーツ

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【3月8日は国際女性デー】イタリア|春の訪れを感じるミモザの日とイースターのスイーツ