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インヴァネスはハイランド地方の中心部にある都市で、ネッシー伝説で知られるネス湖へ続くネス川の河口に位置しています。 12世紀に築かれたインヴァネス城がランドマークの小規模の街で、交易拠点としてスコットランド史に欠かせない重要な都市です。南から約8kmのネス湖の観光拠点として有名な街ですが、街内には歴史的な建築物や博物館など散策も楽しめます。少し足を伸ばして、古城やスコッチウイスキーの蒸留所などの見学もおすすめです。
インヴァネスは日本からの直行便がないものの、ハイランドの空の玄関口となるインヴァネス空港があるため、鉄道やバス以外にも空路も利用できます。ロンドンを経由するなら、寝台列車の 「カレドニアン・スリーパー(Caledonian Sleeper)」 の利用も検討してみてください。移動コストとしては高額ですが、ホテル1泊分の宿泊費として考えれば許容範囲という方も多いでしょう。眠っている間に終点のインヴァネス駅まで連れて行ってもらえるので、時間的にも効率的です。
聖アンドリュー大聖堂(St Andrew's Cathedral)は、ビクトリア様式の建物がネス川沿いで一際目立つ教会。 1866年にカンタベリー大司教により建設が始められ、1874年の半ばに完成しました。スコットランド内の教会の中では比較的新しく、インヴァネス大聖堂とも呼ばれ、街や地域のさまざまなイベント会場にも利用されるインヴァネスの代表的な観光スポットです。
内部はシンプルな造りでありながら、豪華な聖歌隊席や光沢のある花崗岩の柱により荘厳な雰囲気に包まれています。必見ポイントは、色とりどりのステンドグラスとデンマークの彫刻家トルバルセンによる天使の洗礼像です。特に 西側の扉の上に張り出されたステンドグラスには『最後の審判』が描かれており、イギリス国内でも最大級 を誇っています。
https://invernesscathedral.org/
スコットランドには数多くのウイスキーの蒸留所があり、インヴァネスに最も近いのが「トマーティン蒸留所(Tomatin Distillery)」 です。1897年に設立され、かつてはスコットランドでも最大級の規模を誇っていました。トマーティンのウイスキーは現在でも世界中で高く評価されており、日本でも流通しているので飲んだことがある方もいるでしょう。
蒸留所のツアーは、ガイドの説明を聞きながら蒸留所内を巡って実際にウイスキーのテイスティングも行う 「レガシーツアー」 をベースに、全3種類が用意されています。ビジターセンター内では、蒸留所の歴史と製造工程の紹介ビデオが随時上映されており、併設されているバーで「トマーティン12年」が無料で試飲できるので、ツアーに参加できなかった場合も安心。また、手作業でのウイスキーのボトル詰め体験ができ、記念品として持ち帰れるのでおすすめです。
https://tomatin.com/our-story/distillery/
インヴァネスを訪れる観光客の多くが目当てにしているのが「ネス湖(Loch Ness)」でしょう。 南北に約37kmと細長く伸びる湖で、ネッシー伝説で有名な景勝地 です。
個人でネス湖へアクセスする場合バスを利用します。しかし、ネス湖が終点ではないため、やや難易度が高め。インヴァネスのインフォメーションセンター(Inverness iCentre)で予約できる日帰りツアー等の利用が安心です。船上から絶景を楽しめるクルーズツアーもあります。
ネッシー伝説に興味があるなら、ドロムナドロケットという村にある 「ネス湖センター(Loch Ness Centre)」 に立ち寄ってみましょう。長年に渡る調査結果を基に映像や音声を使ってスコットランドの古代神話の起原やネス湖の謎に迫るツアーが、日本語の音声ガイドで楽しめます。
https://www.visitscotland.com/info/services/inverness-icentre-p333031
「アーカート城(Urquhart Castle)」は、ネス湖観光のハイライトとして知られる観光スポット。 1296年にエドワード1世の侵攻時に占拠した城の1つで、その後も紛争により管理者がスコットランド人とイングランド人の間で入れ替わっていきます。
現在の朽ち果てた姿になったのは、ウィリアム2世とメアリー2世が王となった後である1692年。多くの軍事活動で利用されてきたアーカート城が再び軍事拠点にならないように、最後に残っていた兵士たちの手で爆破されたのです。
チャペル跡や厩舎、厨房などの廃墟ばかりのアーカート城ですが、最も保存状態が良好な グランド・タワーからはネス湖の素晴らしい景色が望めます 。建築当初の模型など城に関連する展示もあり、スコットランドで最も訪問者の多い城の1つとして人気のスポットです。
https://www.historicenvironment.scot/visit-a-place/places/urquhart-castle/
インヴァネスの北東にある 「ブロディー城(Brodie Castle)」は、広大な田園地帯に囲まれたバラ色の古城 。16世紀に建てられて以降、ブロディー家の本拠地として400年以上利用されてきました。
現在のブロディー城はスコットランドのナショナル・トラストにより管理されており、ガイドツアーでかつての貴族の生活を垣間見られるようになっています。 17世紀のオランダの巨匠による作品をはじめとする数々の美術コレクションや6,000冊以上の膨大な蔵書数を誇る図書館、珍しいアンティークの調度品など、見応え満載 です。庭園にはスコットランド最大のウサギの彫刻があり、のんびりと散策するのもおすすめ。100種類以上の水仙が城を囲むように咲き誇る春に訪れると、思わずため息が出るほどに美しい姿に出会えます。
https://www.nts.org.uk/visit/places/brodie-castle
「フォート・ジョージ(Fort George)」は、1746年のカローデンの戦い後にジョージ2世によって建設された砦 です。インヴァネスとモレイ湾を挟む位置に建っており、広さはサッカー場5個分。現在でも現役として使われている中、一部が一般開放されている観光スポットです。
フォート・ジョージは、元々ジャコバイトの再決起を恐れて建設が開始されました。しかし完成まで22年の期間を要したために、ジャコバイトの脅威そのものが沈静化したため、イギリス陸軍の兵舎として利用されてきました。
兵舎内の部屋や礼拝堂から兵士の生活が伺え、 充実した武器コレクションは特に必見 。敷地内のハイランダーズ博物館で、カローデンの戦いから現在に至るまでのハイランドの兵士たちにまつわる展示もあります。 礼拝堂の後ろの城壁からモレイ湾を一望できる ので、ぜひ上ってみてください。
https://www.historicenvironment.scot/visit-a-place/places/fort-george/
スコットランドの観光は、エディンバラやグラスゴーといった大都市がメインになり南部に集中しがちです。しかし、インヴァネスはアクセス面に優れており、魅力的な観光スポットも周辺に充実しています。オークニー諸島を巡る現地ツアーもあるので、スコットランド北部観光の拠点としても便利です。
この記事を参考に、ぜひインヴァネスへの旅行を計画してみてください。
https://www.veltra.com/jp/europe/uk/scotland/?sid=1554
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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