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国府宮神社は、名古屋鉄道の国府宮駅から北へ歩いてすぐですが、東へ向かうと大きな石柱が建つ参道の起点があります。しかし、実は昔の参道はさらに南へ伸びていて、大通りを超えて現在の稲沢市立図書館のあたりまで参道が続いていました。 今でもその場所に石の鳥居 が建っています。
参道から大きな楼門が見えます。楼門というのはもともとは仏教のお寺での呼び方で、釣鐘がある鐘楼と門が合体したタイプのものを指していましたが、今は一般的に2階建ての門を指して使います。国府宮神社の楼門はおよそ550年前、室町時代に建てられ、江戸初期に解体修理されています。1階部分は室町仕様、2階部分は江戸仕様で、時代で違う 建築様式がミックス しています。
楼門をくぐると拝殿があります。およそ350年前、江戸初期に建てられたもので、大きな切妻屋根で、三角の妻側を正面にしている、 妻入り という構造です。
楼門、拝殿共に檜皮屋根、昭和30年に重要文化財に指定されています。
毎年2月の国府宮はだか祭りは、1300年前、称徳天皇の勅令によって悪疫退散の祈祷が行われたことがきっかけではじまりました。ふんどし姿の男・裸男たちがもみ合いながら参道を進み、境内では神男に向かって突き進みます。実際には、自分の意志で動くことができず、ただ裸の男たちに流されるだけです。
ケンカも起きて、そこらじゅうで取っ組み合っています。 神男に触れば厄が落ちる のですが、むしろ裸男たちは大混乱の中「触れるほどまで近づいた」という武勇伝のために向かっています。神男も裸男も、 昔は命がけ で、実際に命を落としたこともあったということです。
神男は「おこもり」といって、神社の儺追殿のなかで祭り本番まで三日三晩、白米とたくあん、白湯だけを口にして過ごし、身を清めます。
善光寺は各地に別院がありますが、稲沢市の善光寺が東海別院です。地元では稲沢市に編入される前の祖父江町にあったので、善光寺といえば未だに銀杏の街祖父江の善光寺というイメージです。
本堂は長野の善光寺と同じ、 2層屋根の独特の形状 です。善光寺は特定の宗派に属さない単立とされていますが、本尊や読まれているお経などからすると、やや浄土系に近いようです。
もちろん、戒壇巡りもあります。
最近新築された鐘楼は長野の善光寺と同じタイプの形で、釣鐘は金箔です。さらに屋根はチタンが採用されています。
稲沢市祖父江は市街地からやや西にありますが、名古屋鉄道のローカル線・津島駅と一宮駅とをむすぶ名鉄津島線が走っています。祖父江善光寺は森上駅から1.5キロほどです。祖父江町はイチョウの木が多く、秋には一帯に 銀杏の匂い がします。
※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、戒壇巡りや祈祷などの受付を中止することがあります。詳しくはホームページなどで最新の情報を確認してください。
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/3629/
稲沢市には国府宮駅がある名鉄名古屋本線と、JR東海道本線の稲沢駅もあります。国府宮神社へは稲沢駅から歩いて15分くらいです。稲沢駅は 国鉄時代の操車場 があり、貨物列車が格納されていて鉄道ファンには魅力的な場所になっているといいます。その少し南には三菱エレベータの実験棟があり、田んぼの中にいきなり近未来的なタワーが現れたように見え、カメラマンの 撮影スポット になっています。
神様仏様のパワースポットだけでなく、テクノロジーもほどよく融合した稲沢市に出かけてみませんか。
余暇プランナー
仏像と歴史好きな、社寺建築の仕事をしていたおじさんです。全国の社寺、仏像を見て回り、古代から戦国の時代を空想しています。 空想しすぎて小説を書き、文学賞もらっちゃいました。旅ライターと小説家の2刀流おじさんです。
【愛知】国府宮神社&祖父江善光寺~稲沢市のパワースポット2選をめぐる