- 週間ランキング
ニーダーザクセン州に属する「ゴスラー(Goslar)」は、ハルツ地方の中心的な町。深い森に囲まれた町は第二次世界大戦の戦火も免れ、現在でも旧市街には色濃く中世の木組みでできた町並みが残っています。
ゴスラーを語る上で欠かせないのは、町の南の郊外にある 「ランメルスベルク旧鉱山」 です。10世紀から1988年の閉鎖を迎えるまで銀を中心に銅や鉛などの採掘が行われ、ゴスラーが繁栄する礎となりました。1050年にはハインリヒ3世により 「皇帝居城」 が建てられ、神聖ローマ帝国の経済を支える重要な都市となったのです。
また、ハルツ地方の象徴であるブロッケン山には魔女伝説があり、毎年4月30日に悪魔たちと冬の終わりを祝うために魔女たちが集まる「ヴァルプルギスの夜」が開かれます。ゴスラーの町でもこの日はお祭りが開かれ、魔女に仮装する人々もたくさん。しかも、 お店の看板やお土産品として常に町には魔女が住んでおり、より中世らしい雰囲気が味わえる のがゴスラーの魅力といえるでしょう。
「ランメルスベルク鉱山博物館(Rammelsberg Museum &Besucherbergwerk)」は、閉鎖された坑道の一部を見学できるように整備した博物館。 ゴスラーの町とともに世界遺産に登録されています。
博物館では、1906年に建設された中央発電所をはじめ、かつての加工工場や倉庫が見学できます。しかし、よりこの施設を楽しむならガイドツアーへの参加がおすすめ。ガイドツアーは何種類かあり、なかでも 鉱山列車に乗り込むツアー と19世紀に採掘能力を向上させた水車のある 坑道を歩くツアー は貴重です。 山の斜面を登るエレベーターのツアー ではさらに100m上からの景色が楽しめますよ。
薄暗い坑道を探検したりかつての鉱山労働者の1日の生活を垣間見たりと、約1,000年ものあいだ町を支えてきたランメルスベルク鉱山の歴史を実体験できるスポットです。
https://www.rammelsberg.de/en/
ゴスラーの旧市街南の外れにある 「皇帝居城(Kaiserpfalz)」は、ドイツに現存する宮殿様式の建物のなかでも最大規模といわれるお城 。200年以上にわたり帝国議会などの各種議会が開催された歴史を持ち、中世のドイツとヨーロッパの歴史を築いてきた場所でもあります。
必見ポイントは、内部の 「帝国ホール」 と 「ウルリッヒ礼拝堂」 の2つ。帝国ホールには高さ7mもあるすべての壁一面にカール大帝からの中世の皇帝たちの物語が描かれており、360度どこを見ても圧倒されます。また、南側に併設されたウルリッヒ礼拝堂には、城を建築したハインリヒ3世の棺が地下の中心部に安置されており、ロマネスク様式の内部の雰囲気と相まって厳かさがあります。
日本ではまだまだ知名度が低いゴスラーですが、小高い丘の上に立つこの城は決してほかのドイツの城にも劣らない必見の観光スポットです。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10333607
木組みの家が建ち並ぶ旧市街の中でも、 「マルクト広場(Marktplatz)」は時間をあわせて訪れたいスポット 。広場中心には噴水があり、冠を被った帝国の鷲が翼を広げている金の像に目を引きつけられます。周囲は灰色のスレートを貼り付けた建物たちや白壁のアーケードが特徴的な市庁舎、色鮮やかな赤茶色のホテルなどがあり、様々な方向から写真を撮るのも楽しいでしょう。
マルクト広場で注目してほしいのは、東側の最上部に時計があるグレーの建物。 グロッケンシュピールと呼ばれる仕掛け時計 で、時間がくると鐘のメロディとともにランメルスベルク鉱山で働く人々の人形が現れます。 毎日9時・12時・15時・18時に始まる ので、ぜひタイミングを合わせて見学しましょう。
https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/western_europe/federal_republic_of_germany/ZET/119533/index.html
「ゴスラー博物館(Goslar Museum)」は、マルクト広場の南の小川沿いにある博物館。 看板がないと思わず見逃してしまいそうな場所ですが、実は1514年に建てられた歴史的な建物をそのまま使っており、内部は意外と広めです。
館内ではゴスラーの歴史や芸術だけでなく、この地域の地質や鉱物学に至るまで幅広いコレクションが展示されています。青銅で作られた クロド祭壇 や13世紀の ゴスラーの福音書 、 マルクト広場にある噴水の鷲のオリジナル など、鉱山で栄えていた時代の品々は一見の価値ありです。19世紀の台所や家具なども展示されているので、ゴスラーの人々がどんな生活をしていたかもわかるでしょう。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10512628
ゴスラーの町を歩く際に目印にしてほしいのが、 2本の尖塔がある「マルクト教会(Marktkirche)」 。マルクト広場にほど近い場所にあるので、尖塔を見つけられれば自分が今どの方向を向いているのかが把握できます。
1151年に建てられたマルクト教会は、今は失われた大聖堂をモデルに建造されました。14世紀~15世紀にかけて聖歌隊席の拡大と身廊の追加も行われ、 中世時代のステンドグラス や バロック様式の彫刻が施された祭壇 など見応えも十分です。なかでも ゴスラーの町全体を唯一見渡せる北の尖塔 は必見スポット。自力で階段を上がる必要はありますが、途中には鐘楼や時計仕掛けが見学でき、ところどころに椅子もあるので自分のペースで進めます。最上部では町並みだけでなくハルツの山々まで一望できるので、足腰に問題がなければぜひ訪れてみてください。
https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/western_europe/federal_republic_of_germany/ZET/126231/index.html
ゴスラーの旧市街は、石畳が敷かれた木組みの家が建ち並ぶ光景が特に美しいです。かつての貴族や商人の家では豪華な装飾も加えられており、かつてのゴスラーがいかに豊かだったのかが伺えます。
この記事を参考に、ぜひゴスラーを訪れて町歩きを楽しんでみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
【ドイツ】木組みの家が建ち並ぶ鉱山の町ゴスラーを紹介|魔女伝説が残るハルツ地方の古都