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ザクセン州の最大の都市であるライプツィヒ(Leipzig)。ICE特急を利用して首都ベルリンから1時間15分程度で、ドレスデンからも約1時間とアクセスしやすい街です。中世の頃から商業と金融の街として発展し、1409年に創立のライプツィヒ大学はゲーテやニーチェ、森鴎外、メルケル元首相が在籍していた大学として知られています。
ライプツィヒはクラシックファン注目の街 でもあり、バッハやメンデルスゾーン、シューマン、ワーグナーといったクラシック音楽家ゆかりの地があります。中でもバッハが、音楽監督を務めた「トーマス教会」とその業績がわかる「バッハ博物館」は必見です。また、第二次世界大戦後は東ドイツに属していたライプツィヒは、 東西ドイツ統一に向けての流れをつくった街 でもあります。音楽と歴史に関して重要な位置づけにある都市と言えるでしょう。
旧市庁舎(Alte Rathaus)は、ライプツィヒの中心となるマルクト広場の東側にある施設。 全体的にルネサンス様式で建てられており、バロック様式の塔がある目を引く外観が印象的です。
現在は ライプツィヒ郷土歴史博物館(Stadtgeschichtliches Museum Leipzig)として内部が公開 されています。地下室の古い独房やメインフロアの歴史的な部屋など、建物自体が歴史的な財産でもありますが、常設展示で中世から現在に至るまでのライプツィヒが歩んだ波乱万丈な歴史を巡れるのが特徴。その中には有名なバッハの肖像画もあり、観光客から大人気となっています。
また、建物の裏側にも足を運んでみてください。 若い頃のゲーテの銅像が立っているナッシュマルクト広場 があり、ライプツィヒ最古のバロック建築である旧証券取引所の白く優美な外観を背景に記念撮影ができます。
https://www.stadtgeschichtliches-museum-leipzig.de/en/
ヨハン・ゼバスティアン・バッハといえば、「音楽の父」と称えられる世界的にも有名なバロック音楽の巨匠。彼と家族ぐるみで親しくしていた裕福な商家ボーゼ家の邸宅が、現在はバッハ博物館(Bach-Museum)として利用されています。丸いアーチ型の門や2階と3階に出窓のある黄色と白のユニークな外観が特徴です。
エントランスにある 大理石でできたバッハの胸像をはじめ、バッハが所有していた家具や当時の楽器、バッハと宮廷との交流に焦点を当てた部屋などが常設で展示 されています。1743年に実際にバッハが座って試奏した オルガンの演奏台 と、彼自身の手で書かれた楽譜や文書がある トレジャールーム も必見です。無料のアプリで日本語の音声ガイドが利用できるのも嬉しいポイント。当時の楽器がどのように聞こえていたかを体験できるコーナーや作品の試聴コーナーなど、クラシックファン以外も充分に楽しめる観光スポットです。
https://www.bachmuseumleipzig.de/en/bach-museum
ライプツィヒでバッハと切り離せないスポットが、 バッハ博物館の側にあるトーマス教会(Thomaskirche) です。1723年から没する1750年まで彼は街の音楽監督を務めており、数々の名曲を生み出しました。
白を基調とした内部にはネオゴシック様式の祭壇があり、中でも注目は バッハが描かれたステンドグラスや彼が生きた18世紀の音色を再現した「バッハ・オルガン」 がある点です。1949年にはバッハの墓も教会内に移されたため、クラシック音楽のファンの聖地として多くの観光客が訪れています。
聖トーマス教会といえば、 トーマス教会少年合唱団 も有名です。トーマス教会では 毎週金曜の18時と土曜の15時から行われるモテットで、バッハのカンタータの演奏とともにその歌声を生で観賞できる機会が提供 されています。開始45分前には入場する必要があるため、最低でも2時間程度時間が取られますが、機会があるならぜひ参加してみてください。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10265578
ライプツィヒは東西ドイツ統一に向けた流れをつくった地です。その中心となるのが、ニコライ教会(Nikolaikirche)でした。 1981年から毎週月曜に開催されるようになった「平和への祈り」という集会が、やがて民主化運動のデモに発展し、1989年のベルリンの壁崩壊へと至った のです。
ニコライ教会は、1165年の建造当初ロマネスク様式で建てられていました。1525年に後期ゴシック様式のホールを持った形への改修をはじめ、何度も増改築が繰り返されましたが、正面玄関のファサードはロマネスク様式のままです。現在の内部は高さのあるシュロの木の形をした柱と天井により、明るく華やかな雰囲気が漂っています。
また、 教会前の広場には東西統一の原点であることを示すニコライ記念柱とレリーフが埋め込まれています 。合わせてチェックしてみてください。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10333317
アウアーバッハス・ケラー(Auerbachs Keller)は、メドラー・パッサージュ(Mädler-Passage)の中にある1525年創業の酒場兼レストラン。 1765年から1768年に若い頃のゲーテが通い、代表作に挙げられる『ファウスト』にも登場する場所 でもあります。
店内の天井や壁には『ファウスト』のさまざまな場面が描かれており、観光名所としても楽しめるスポットです。注目は、 和装の男性が描かれている大地下室レストランの壁画 。実はこの人物こそが森鴎外で、『ファウスト』を日本語に翻訳した偉業が讃えられ2009年に描かれました。
アウアーバッハス・ケラーは、 リーズナブルに現地の家庭料理が味わえる と好評のレストランです。ザクセン風オニオンスープ(Sächsische Zwiebelsüppchen)や、マリネ液に長時間漬け込んだ牛肉を使ったザクセン風ザウアーブラーテン(Sächsischer Sauerbraten)などを、ぜひ味わってみてください。
https://www.auerbachs-keller-leipzig.de/index.php?module=viewer&index[viewer][page]=home&lang=jp
ライプツィヒはクラシック音楽の巨匠が活躍しただけでなく、第二次世界大戦後に分かれていたドイツを統一へと導いた歴史的にも重要な位置づけにある街です。ICE特急を使えばベルリンやドレスデンにもアクセスしやすいので、東ドイツ観光の拠点にも適しています。
ぜひ東ドイツを中心に観光するなら、ライプツィヒに足を運んでみてください。
https://www.veltra.com/jp/europe/germany/?sid=1554
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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