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2024年から始まる新NISA。気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこでトクバイでは、新NISAについて紹介する短期集中連載を企画!
新NISAってなにがいいの? 投資を始めたいけどリスクがあるし難しそう、とモヤモヤしている人のために、専門家がやさしく解説します。
これさえ読めば、来年1月の新NISA・投資デビューも間に合いますよ!
第4回目の今回は、新NISAで買うべき「投資商品」の選び方についてです!
※本ページはアフィリエイト広告を利用しています
新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、それぞれ対象となる商品が異なります。
「つみたて投資枠」で買える商品は、金融庁の基準を満たした投資信託に限定されています。
「成長投資枠」では、つみたて投資枠で買える商品はもちろん、それ以外の投資信託やETF(上場投資信託)、さらには個別株やREIT(不動産投資信託)も対象です。
ただし、投資信託などについては、運用期間が短いなど、資産形成に向かないタイプは除外されます。
新NISAはひとつの口座で、つみたて投資枠も成長投資枠も使え、商品の組み合わせは自由。投資を柔軟に考えることができます。
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投資信託は、ひとつの箱の中にたくさんの株式や債券などの資産が入った「バラエティパック」のような金融商品。
これひとつで多くの資産に投資でき、リスクを分散することができます(詳しくは第1回の記事へ)。
ポイントは、運用をプロに任せられること。
通常、株式や債券を自分で売買して組み合わせる場合、金額が多く必要になるだけでなく、手数料や税金もかかります。
投資信託はプロに支払う手数料は若干あるものの、自分で売買する手間と費用と比べればローコストとも言えます。
本来かかるはずのコストを運用にまわせ、金額の調整も簡単。効率よく資産形成できます。
また、個別株を個人で買う場合、投資した企業が潰れると資産がゼロになるリスクがありますが、投資信託ではその心配はほとんどありません。
そういった理由もあり、投資初心者でも最初の一歩として取り入れやすいと思います。
投資信託の運営は、次の3つの会社で行われています。
・販売窓口となる証券会社などの「販売会社」
・投資信託を実際に運用する「運用会社」
・投資信託の資産を預かる「信託銀行」
購入した投資信託の資産は、販売会社でも、運用会社でもなく、信託銀行が預かっています。
つまり、仮に販売会社証券会社や運用会社がつぶれたとしても、資産に影響はありません。
さらに、もし信託銀行がつぶれても大丈夫です。
投資された資産は分別管理といって、信託銀行の資産とは別物として管理されているからです。
金融機関に万一があっても、財産が保全されるという点では、預金より投資信託のほうが安全といえるかもしれません。
ただし、運用の結果、損失が発生する可能性があることとは別のことですから、注意は必要です。
投資信託には、いくつかの種類があります。
種類によってリスクもリターンも変わってくるので、目的に合わせて使い分けましょう。
ちょうど、ゴルフと似ています。
ゴルフでは、グリーンまでの距離が最も長いティーショットでは、多少飛ばす方向にブレ幅はあっても、飛距離を出せるドライバーのようなクラブを使います。
しかし、グリーンでは、ボールを転がす方向や力加減を微調整できるパターを使いますよね。逆はあまりしません。
投資信託も同じで、資産を使う目的が老後資金のように遠い将来なら、距離(期間)は十分あるので、多少リスクは高くてもリターンを出しやすい株式中心でいくのがおすすめです。
ゴールが近づいてきたら、株式の割合を減らし、債券など値動きの穏やかな資産を組み入れていくと、大きな値下がりを避けながら目標を達成しやすくなります。
教育費のように「使う時期が決まっているお金」を投資信託で用意したい場合、万一、使う直前に大暴落があると困ります。
教育費が最もかかるのは大学入学時ですので、高校生ぐらいになったらリスクを下げ、安定した運用にしていくのが賢明です。
こうした場合に、おすすめなのが「ターゲットイヤー型」と呼ばれる投資信託です。
「ターゲットイヤー型」は、たとえば、15年、20年など運用期間が決められた投資信託で、期間に応じて運用する中身を調整してくれるのが特徴です。
具体的には、最初はリスクをとって資産を成長させ、ゴールが近づいてきたらリスクを減らし、より安定した運用に近づけてくれます。
こういった資産のリスク調整は自分で行うこともできますが、相場を見ながら資産を売買してコントロールするのは意外と難しいものです。
ターゲットイヤー型であれば、ほったらかしにできるメリットがあります。
ターゲットイヤー型は、新NISAの「つみたて投資枠」でも「成長投資枠」でも購入することができ、次のような商品があります。
<新NISAで購入できるターゲットイヤー型の商品例>
■東京海上ターゲット・イヤー・ファンド
→日本、先進国の株式と債券に投資し、ゴール時期にかけてゆるやかに安定化させます
■三井住友・DCターゲットイヤーファンド(4資産タイプ)
→日本、先進国の株式と債券に投資し、①に比べてやや保守的な運用をしています
■フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド
→日本、先進国に加えて新興国の株式にも投資します
ただし、投資信託はリスクがあります。
そのため、ターゲットイヤー型も必ず最後に利益が出ているという保証はありません。
リスクを下げても、リーマンショック級の暴落があればマイナスになる可能性は十分あるからです。
教育費に使うならこれ1本ではなく、預金など元本保証があるも並行して貯めていくのがおすすめです。
万一、最後に大きな下落があっても、預金で払うことができれば、引き続き相場が戻るまで待つことができます。
先ほど解説した通り、老後資金のようにゴールが遠いものは、リスクを取って積極的に運用していいでしょう。
具体的には、「全世界株式型の投資信託」がおすすめです。
これひとつで世界中の株式を丸ごと購入でき、地域の偏りなく広くリスクを分散して投資できます。
<新NISAで購入できる全世界株式型の商品例>
■楽天・全世界株式インデックス・ファンド
■SBI・全世界株式インデックス・ファンド
→どちらも、株式100%で長期的には高いリターンを期待できます
金融機関で取扱いがあれば、新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方で購入が可能です。
▶「楽天証券」無料口座開設はこちら!運用できる期間が短い場合や、暴落がどうしてもこわい場合は、株式だけでなく、債券やREITなど異なる資産が組み合わさった「バランス型の投資信託」がいいでしょう。
バランスファンドとも呼ばれ、株式比率が20%~80%など様々です。
一般的には株式の比率が低い方ローリスク、高いものはハイリスクとされます。
リスクを抑える分、期待されるリターンも小さくなりますが、暴落時の下落幅を抑えられれば途中換金もしやすくなるでしょう。
<新NISAで購入できるバランス型の商品例>
■セゾン・グローバルバランスファンド
→国内外の株と債券にバランスよく分散!
■日興-DC インデックスバランス(株式60)
→新興国株にも少し投資。経済成長に期待
■Smart-i・8資産バランス(安定型)
→資産の半分を外貨で運用。円安への備えにも○
金融機関にもよって取り扱い商品は異なりますが、基本的にバランス型は新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」のどちらでも購入が可能です。
リスクがどうしてもこわい人は、とりあえずバランス型で少額だけ積み立て、慣れたら「全世界株式型」や「ターゲットイヤー型」なども、取り入れてみてはいかがでしょうか。
▶「楽天証券」無料口座開設はこちら!取材・文/カクワーズ
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、日本証券アナリスト協会検定会員補(CCMA)。
FP法人シグマ代表。日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)、会計事務所系のコンサルティング会社を経て独立。個人相談のほか、全国で講演も行っている。
監修著書に「老後、教育費…将来が不安!でも、面倒くさいことナシで、お金が貯まる方法、教えてください!」(エクスナレッジ)