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身近な食材である豚肉は、毎日の食事に大活躍してくれますよね。
そんな豚肉には、どのような栄養や効能があるのでしょうか?
また豚肉ばかりで栄養が偏ってしまわないか、疑問に思う方もいるでしょう。
今回の記事では「豚肉の栄養」について、部位による違いや牛肉や鶏肉との比較もあわせて、管理栄養士が解説します。
豚肉に含まれる栄養素はビタミンB群や亜鉛、鉄、タンパク質などがあり、毎日の栄養補給にぴったりの食べ物です。
特に優れているのはビタミンB1の含有量で、糖質の代謝をサポートし、疲れにくい体を作ってくれます。
栄養素と効能について、さらに詳しく解説します。
豚肉はビタミンB1の含有量が豊富で、疲れをためたくないときにぴったりです。
ビタミンB1は糖質の代謝の際に欠かせない栄養素で、極端に不足すると倦怠感を引き起こすことが知られています。
豚肉の中でもビタミンB1が豊富な豚ヒレ肉は、100gあたりの含有量が1.22mgです。
ビタミンB1の1日の摂取量は成人男性は1.2~1.4mg、成人女性は0.9~1.1mgが推奨されているため、豚ヒレ肉だけでほぼ充足する量です。
元気な毎日を過ごすために、ビタミンB1が豊富な豚肉が役立ってくれるでしょう。
豚肉はビタミンB1のほかにも、脂質の代謝をサポートするビタミンB2、タンパク質の代謝をサポートするビタミンB6もたっぷり含んでいます。
ビタミンB群は食べ物から摂った栄養素を効率的に使うために欠かせないため、豚肉は毎日の栄養補給にぴったりです。
豚肉に含まれる亜鉛は、タンパク質の合成に関わります。
成長期の体づくりや、健やかな肌や髪を作るのに欠かせないため、子どもから大人まで不足することなく摂りたい栄養素です。
また免疫機能の維持や、男性機能の維持に関わることも知られています。
豚肉は鉄を含むため、貧血対策に役立ちます。
貧血になると、頭痛や息切れ、疲れやすさなどの症状を引き起こすことがあるため、鉄をしっかり摂って予防することが大切です。
豚肉はタンパク質が豊富なため、体づくりに欠かせません。
皮膚や筋肉、髪の毛を作るだけでなく、体の機能を調整するホルモンの材料にもなるため、毎日欠かさず摂りたい栄養素です。
極端に不足すると、免疫機能の低下に関わることも知られているため、毎食しっかり摂りましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
豚肉は部位によって栄養成分値が異なります。
ヒレ・もも・ロース・ばら・レバー・ハツ(心臓)の100gあたりの栄養成分値を見てみましょう。
豚肉の中でも、赤身が中心の豚ヒレ肉はほとんどの栄養素が優れています。
カロリーも低いため、ダイエット中の栄養補給や健康づくりにも役立ってくれます。
またレバー(肝臓)は、栄養素を貯蔵する内臓であるため、鉄や亜鉛、ビタミンB2などの栄養素がさらに豊富です。
ハツ(心臓)も鉄や亜鉛を含み、栄養補給に適しています。
一方で脂身の多い豚バラ肉は、カロリーが高く、栄養素の含有量もほかの部位に比べると少なくなっています。
脂質の摂りすぎにつながるため、健康面やカロリーが気になるときは豚バラ肉はなるべく避けた方がよいでしょう。
豚肉は、牛肉や鶏肉と比べると、栄養豊富なのでしょうか。
同じ「もも肉」で100gあたりの比較をしてみましょう。
牛肉や鶏肉に比べ、豚肉はタンパク質やビタミンB1の含有量が優れています。
特に豚肉のビタミンB1含有量は、牛肉の11.3倍、鶏肉の9倍の量です。
ほかの栄養素もバランスよく含むうえに、カロリーや脂質はもっとも少ないため、健康的に栄養補給できるといえるでしょう。
よく豚肉を使う場合、豚肉ばかりで栄養が偏らないか、心配になる方もいるでしょう。
豚肉を続けて摂ったときに不足しやすい栄養素は下記のとおりです。
【豚肉だけで不足しやすい栄養素】
食物繊維、カルシウム、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、EPA、DHAなど
これらが不足すると、便秘や生活習慣病、骨粗しょう症などのリスクとなることがあります。
しかし、これらの栄養素は、牛肉や鶏肉に変えたからといって補えるわけではありません。
野菜やきのこ、乳製品、魚などに含まれる栄養のため、肉の種類の偏りを気にするよりは、バランスよくさまざまな食べ物を取り入れることが大切です。
豚肉のほかに、野菜やきのこをたっぷり取り入れ、魚も適度に取り入れた、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
栄養豊富な豚肉を、健康的に取り入れるための目安の量や調理法のポイントを紹介します。
豚肉の1食の目安の量は、体格や活動量、食生活によっても異なりますが、食事バランスガイドを参考にすると、50~60gほどです。
50~60gというと少ないように思えるかもしれませんが、主食やほかの食べ物をバランスよく取り入れて、3食均等に食べるとこのくらいがちょうどよい量になります。
50~60g以上を食べたからといってすぐに問題があるわけではありませんが、豚肉を毎日のようにたくさん食べると、カロリーや脂質の摂りすぎが心配です。
肉をたくさん食べる習慣を続けていると、将来的に肥満や悪玉コレステロール値の上昇につながることもあります。
「お肉はちょっと少なめがよい」ということを覚えておきましょう。
ダイエット中や健康のために豚肉を取り入れるなら、焼いたりゆでたりして、脂を落として食べるようにするのがおすすめです。
カロリーの高い脂質を減らせるため、カロリーオフできます。
油を使って炒めたり揚げたりするとカロリーが高くなるため、カロリーが気になるときは控えた方がよいでしょう。
豚肉とニラ、にんにくを一緒に食べると、ビタミンB1を効率的に摂れます。
ニラやにんにくに含まれる辛み成分である「アリシン」には、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。
ニラやにんにくはスタミナをつけたいときにもよいので、疲れをためたくないときに取り入れてみましょう。
今回の記事では「豚肉の栄養」について、管理栄養士が解説しました。
豚肉はさまざまな栄養素が豊富で、毎日の元気をサポートしてくれます。
豚肉のほかにも、野菜やきのこなどをたっぷりと取り入れ、バランスのよい食事を心がけましょう。
ぜひ健康づくりや体づくりに、豚肉を上手に活用してくださいね!
最後に、豚肉に含まれる栄養素をたっぷり摂りたいときにおすすめのレシピを3つ紹介します。
たっぷりかかったタルタルソースと、甘酢あんが絶妙な、豚こまで簡単に作れるレシピです。栄養豊富な卵と組みわせて、さらに栄養価を高めます。
豚こまだんご南蛮
豚こま切れ肉、ゆで卵、小ねぎ(あれば)、○酒、○薄力粉、■しょうゆ、■酢、■砂糖、■唐辛子、●マヨネーズ、●レモン汁、●塩・こしょう、サラダ油
調理時間:20分
煮込みうどんに豚肉と小松菜を加えたレシピです。豚肉は糖質の代謝をサポートするビタミンB1を含むため、うどんなどの麺との相性がばっちりです。
豚と小松菜の煮込みうどん
豚こま切れ肉、小松菜、ゆでうどん、片栗粉、○めんつゆ(3倍濃縮)、○酒
調理時間:15分
豚こまで作る、簡単な酢豚です。豚肉だけでは不足する食物繊維をたっぷり摂れます。
豚こま団子の黒酢酢豚
豚こま切れ肉、れんこん、小ねぎ(あれば)、○酒、○薄力粉、●黒酢、●しょうゆ、●砂糖、●鶏ガラスープの素(顆粒)、●片栗粉、サラダ油
調理時間:15分