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さまざまな効果が期待できるといわれている「亜鉛」。
亜鉛の多い食べ物の代表として牡蠣がありますが、ほかの食べ物はどのようなものがあるのでしょうか?
手軽に食べられるものを中心に、一覧表で紹介します。
また1日に必要な量や効果的な摂り方について知り、不足することなく補給しましょう。
今回の記事では「亜鉛が多い食べ物」について、管理栄養士が解説します。
亜鉛が多い食べ物には、魚介類、肉類、豆類、種実類などがあります。
そもそも亜鉛は、タンパク質やDNAの合成に関わる栄養素です。
具体的には下記の働きがあると考えられています。
・タンパク質合成:健やかな肌や髪の毛を作る
・タンパク質、DNA合成:子どもの成長に必要
・免疫機能の維持:侵入してきた細菌やウイルスから体を守る
亜鉛が不足することで皮膚炎、味覚障害、免疫機能の低下、成長の遅れなどの影響がみられることが知られています。
そのため、子どもから大人まで不足することなく摂りたい栄養素です。
具体的に、亜鉛が多い食べ物を一覧で見てみましょう。
亜鉛は魚介類の中でも、特に貝類に多く含まれています。
注目すべきは牡蠣の亜鉛含有量で、100gあたり14.0mgと、食べ物の中でもトップクラスです。
カニやさざえなどはあまり食べる機会が多くないかもしれませんが、ししゃも、しじみ、あさりなどは普段の食事に取り入れやすいでしょう。
肉類の中でも、レバーや牛肉に亜鉛が多く含まれています。
肉類の中でも、脂身の少ない部位に多く含まれているため、脂身を避けて赤身のものを選ぶとよいでしょう。
きなこは牛乳やヨーグルトに混ぜ入れて使うと、簡単に亜鉛をプラスできます。
また納豆やがんもどきなどの大豆製品は毎日でも取り入れやすく、亜鉛を手軽に補給できるでしょう。
卵類や乳製品にも亜鉛が含まれ、特にチーズに豊富です。
鶏卵は1個あたり(約50g)では亜鉛が0.55mgとなり少なくなりますが、毎日手軽に亜鉛を補給できるためよいでしょう。
チーズはプロセスチーズに豊富で、ほかにはモッツァレラやカマンベールにも含まれます。
おつまみやおやつとして取り入れるのもよいでしょう。
種実類もよい亜鉛の補給源となります。特に多いのはかぼちゃの種やごま、カシューナッツがあります。
種実類はカロリーが高いため、食べすぎには注意が必要です。
1日あたり20~25g程度を目安に取り入れるようにし、カロリーオーバーに気をつけましょう。
これまでに紹介した食べ物の中で、コンビニで手に入りやすいものは下記があります。
・牡蠣の缶詰
・ほたての貝ひも
・あさりのみそ汁
・スモークレバー
・ゆで卵、半熟卵
・キャンディチーズ
・ミックスナッツ
手軽に取り入れられるものばかりなので、亜鉛をしっかりと摂りたい方は、間食やおつまみとして取り入れるのもよいのではないでしょうか。
食べすぎるとカロリーや塩分の摂りすぎになるため、食べすぎには注意して上手に活用しましょう。
亜鉛の1日に必要な量(推奨量)は、成人男性では10~11mg、成人女性では8mgです。
年齢と性別によって異なるため、詳しく見てみましょう。
成長期では、年齢が高くなるほど推奨量が多くなることがわかります。
亜鉛の平均的な摂取量を調査した結果では、成人男性では9.2mg、成人女性では7.7mgであり、不足気味の傾向です。
亜鉛を含む食べ物を積極的に取り入れるほか、次に紹介する効率的に取り入れるための注意点を知っておきましょう。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
亜鉛は食べ合わせにより吸収率が低下するものがあります。
絶対にNGというわけではありませんが、効率的に摂取したい方は意識してみましょう。
食べ物に含まれるフィチン酸という成分は、亜鉛の吸収を妨げることが知られています。
フィチン酸は玄米、全粒粉パン、豆類、種実類に多く含まれます。
先ほど紹介した豆類や種実類にも亜鉛が含まれるため、豆類や種実類ばかりで亜鉛を補給しないように気をつけるとよいでしょう。
亜鉛を効率的に摂りたいなら、お酒の飲みすぎにも注意が必要です。
アルコールは亜鉛の吸収を妨げ、また排出を増やしてしまうことが知られています。お酒は適量を心がけ、飲みすぎにはくれぐれも気をつけましょう。
「亜鉛は〇〇に効果がある」などの情報を耳にしたことのある方もいるかもしれません。
本当なのかどうか、現時点でわかっていることを中心に解説します。
亜鉛不足になると新しい髪の毛を作るのが難しくなり、脱毛(薄毛)の原因となることが知られています。
これは、亜鉛がタンパク質の合成に関わり、健やかな頭髪を作るために欠かせない栄養素だからです。
しかし、亜鉛を摂れば摂るほど髪の毛が増えるわけではなく、薄毛の原因によっては亜鉛では改善の効果が期待しづらいと考えられます。
薄毛が気になる方は、まず自分の薄毛の原因が何なのかを知ることからはじめてみて、適切な対策を行うようにしましょう。
亜鉛は男性ホルモンの分泌にも関わる栄養素で、妊活中に摂りたい栄養素であるといわれています。
亜鉛が不足すると、男性ホルモンであるテストステロンの合成や分泌が低下することが知られており、亜鉛を補給することで精液量の増加や精子運動を改善させる可能性があるとする報告もあります。
女性においても、亜鉛は妊娠中の赤ちゃんの発育に必要な栄養素であることから、妊娠する前からしっかりと補給する習慣をつけておくのがよいでしょう。
「亜鉛を摂ると睡眠によい」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、調べたところ、現時点でははっきりとした効果が期待されているわけではなく、研究が進んでいる段階のようです。
質のよい睡眠には、亜鉛などの単体の栄養素の摂取ではなく、規則正しい生活や適度な運動を取り入れることが大切です。
睡眠の質を向上させたい方は、まずは生活習慣で改善できるところがないか、探してみましょう。
今回の記事では「亜鉛が多い食べ物」について、管理栄養士が解説しました。
亜鉛には健康づくりや成長に欠かせない働きがあり、不足することなく摂りたい栄養素です。
身近な食べ物に含まれるため、ぜひ意識して取り入れてみるようにしましょう。
最後に亜鉛をたっぷり摂れる、簡単に作れておいしいレシピを3つ紹介します。
亜鉛を含む牡蠣とチーズを使ったグラタンです。
簡単に作れて野菜もたっぷりとれるのがうれしいですね。
牡蠣とほうれん草のグラタン
牡蠣(加熱用)、ほうれん草(茹でたもの、もしくは冷凍)、バター、ホワイトソース缶、ピザ用チーズ、片栗粉
調理時間:20分
亜鉛だけでなく、鉄やビタミンAも豊富なレバー。
レバニラにすればスタミナがつくこと間違いなしです。
レバニラ
カット野菜(ニラもやしミックス)、豚レバー、牛乳、○にんにくチューブ、○しょうゆ、○酒、○片栗粉、●しょうゆ、●オイスターソース、●酒、サラダ油、ごま油
調理時間:20分
亜鉛を摂れるほたては、冷凍のものを使うと便利です。
ブロッコリーとサッと炒めた塩炒めは、お弁当のおかずにもなりますよ。
ブロッコリーとほたての塩炒め
ベビーホタテ、ブロッコリー、○鶏ガラスープの素、○酒、○塩、○こしょう、片栗粉、ごま油
調理時間:10分