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やさしい味わいを楽しめるほうじ茶。
緑茶や紅茶などはさまざまな効能が知られていますが、ほうじ茶にはいったいどのような効能が期待されるのでしょうか?
ダイエットや便秘、冷えに効くとうれしいのですが、実際どうなのか気になりますよね。
今回の記事では「ほうじ茶の効能」について、管理栄養士が解説します。
ほうじ茶はリラックス気分を味わいながら、生活習慣病対策や美肌づくり、冷えなど、さまざまな効能を期待できます。
そもそもほうじ茶とは、煎茶(一般的な緑茶)などの茶葉を強火で炒って焙煎したお茶を指します。
ほうじ茶と緑茶の茶葉は同じため、効能も似たものが多いのですが、ほうじ茶に特徴的な効能は「リラックス作用」です。
リラックスしながら、緑茶と同じような健康や美容への効能も期待できるため、忙しい中でも健康づくりを支えてくれるでしょう。
ほうじ茶に期待される効能は、具体的には下記があります。
これらについて、続けて詳しく紹介します。
ほうじ茶はリラックス効果があるといわれるピラジン、ゲラニオール、リナロールなどの香り成分を含みます。
緑茶の茶葉の状態ではさほど含まれないのですが、焙煎することでこれらの成分が増加します。
仕事か家事、勉強の合間などのリラックスタイムにほうじ茶がぴったりでしょう。
ほうじ茶には抗酸化作用のあるカテキンが含まれ、美肌づくりを助けてくれます。
抗酸化作用とは、シワやたるみの原因として知られる「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりする働きを指します。
カテキンの抗酸化力は強いといわれるため、美肌づくりに積極的に取り入れたい成分です。
カテキンの抗酸化作用により、動脈硬化やがんなどの病気の予防にも役立ちます。
過剰な活性酸素により、動脈硬化やがんなどの原因のひとつとなることが知られています。
バランスのよい食事を心がけるとともに、ほうじ茶のような抗酸化作用のあるものを意識して取り入れましょう。
ほうじ茶はカロリーを含まないため、ダイエット中の水分補給にぴったりです。
甘いコーヒーや紅茶、ジュースなどで水分補給をしていると、気付かないうちにカロリーを摂りすぎてしまうことがありますが、ほうじ茶であれば安心して飲めます。
またほうじ茶にはカフェインが含まれ、脂肪燃焼を助けてくれることが知られています。
運動の前に摂ると効果的といわれているため、運動もあわせて取り入れると、さらにダイエット効果が期待できるでしょう。
ほうじ茶は直接的に冷え性を改善するわけではありませんが、手足の冷えが気になるときにおすすめできる飲み物のひとつです。
一般的に、緊張状態では血管が収縮して血流が悪くなるのですが、リラックス状態になると血流がよくなり、末端まで温かい血液が循環しやすくなることが知られています。
そのため、冷えが気になるときに、リラックス作用が期待される成分を含むほうじ茶を取り入れてみるのもよいでしょう。
ほうじ茶の便秘への効能は、残念ながらあまり期待できないと考えられます。
便秘の解消に役立つ食物繊維は、ほうじ茶の茶葉には豊富ですが、お茶自体には含まれていません。
便秘の対策として水分補給は大切ですが、ほうじ茶にはカフェインが含まれるため、摂りすぎると利尿作用により、便まで水分が届きにくくなることも考えられます。
便秘が気になる方は、食物繊維を含む野菜や、カフェインを含まない水や麦茶を取り入れる方が効果が期待できるといえるでしょう。
ほうじ茶と緑茶の効能を厳密に比較するのは難しいのですが、リラックスや冷えに関する効能は、ほうじ茶の方が優れていると考えられます。
これは、リラックスに関わる香り成分が、緑茶よりほうじ茶に多いことが理由です。
一方で、カテキンの量は緑茶の方が優れています。
そのため、抗酸化作用による美肌づくりや生活習慣病対策には、緑茶の方が向いているといえるでしょう。
また、どちらもカロリーを含まず、カフェインの量は同等であるため、ダイエット効果はどちらも同じであると考えられます。
期待したい効能により、ほうじ茶か緑茶を選ぶようにするのもよいでしょう。
さまざまな効能が期待されるほうじ茶ですが、取り入れる際は下記の注意点に気を付けましょう。
ほうじ茶はカフェインを含むため、寝る前に飲むのは避けましょう。
カフェインは覚醒作用があるため、寝つきを悪くしたり、眠りを浅くしたりするなどの影響が知られています。
ほうじ茶のカフェインの量は緑茶と同じで100mlあたり20mgです。
カフェインに敏感な方は、寝る5~6時間前からカフェインを避けた方がよいといわれています。
睡眠の質を高めたい方は、夕方以降はほうじ茶を控え、水や麦茶などを中心に水分補給しましょう。
ほうじ茶が体によいとはいえ、たくさん飲むのは控えましょう。
ほうじ茶だけで水分補給を行うと、カフェインの過剰摂取につながることがあります。
カフェインの基準は日本にはありませんが、米国食品医薬品局(FDA)では1日400mgまでとされており、ほうじ茶を2L以上飲むと基準を超えてしまう計算です。
カフェインの過剰摂取により、めまい、心拍数の増加、興奮、不眠、下痢、吐き気などの症状を引き起こすことが知られています。
例えば、普段は水や麦茶などを中心に水分補給を行い、ほうじ茶は休憩時間に取り入れるようにするなどの工夫をすると、カフェインの過剰摂取の心配を減らせるでしょう。
ほうじ茶はさまざまな効能が期待されていますが、ほうじ茶を取り入れる以外にも、バランスのよい食事を心がけましょう。
ほうじ茶を取り入れるだけで健康になれたりダイエットできたりするわけではないため、食生活の土台を整えることが大切です。
野菜たっぷりで脂質を控えた食事を心がけながら、ほうじ茶を上手に取り入れてくださいね。
今回の記事では「ほうじ茶の効能」について、管理栄養士が解説しました。
ほうじ茶はさまざまなうれしい効能が期待され、リラックスタイムにぴったりのお茶です。飲みすぎに気を付けて、ほうじ茶を健康づくりに上手に活用しましょう!