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鍋でご飯を炊くのは「難しいのでは?」と思うかもしれませんが、実は簡単です。
いつものご飯が信じられないほど、おいしくふっくらと炊き上がりますよ。
初めてでも失敗しないポイントや水加減を知り、おいしいご飯を楽しみましょう。
今回の記事では「鍋でご飯を炊く方法」について、管理栄養士が解説します。
鍋でご飯を炊くのは、はじめは難しく思うかもしれませんが、慣れればとっても簡単です。
最初の火加減の調節さえ気を付けておけば、あとはタイマー任せで大丈夫。
お米の芯までムラなく火が通り、おいしくふっくらと炊き上がりますよ。
ガスコンロはもちろん、IHクッキングヒーターでもOKです。
米の浸水時間を除けば20分ほどで炊き上がるので、下準備さえしておけば、時間がなくても炊けますよ。
なお、後ほど詳しく解説しますが、失敗しないためのポイントは次の通りです。
・フタ付きの鍋を選ぶ
・米を研いだらザルにあげて水気をしっかりと切る
・水は計量カップできっちり計る
・米が白くなるまで、しっかりと浸水させる
・はじめは中火→弱火で10分、沸騰を見逃さない
・炊きあがりに必ず蒸らす
続けて詳しく、初めてでも失敗しないポイントを交えながら、鍋でご飯を炊く方法を解説していきます。
今回は、こちらの小さめの両手鍋を使ってご飯を炊いていきます。
鍋は、フタが閉まるものであれば基本的には何でもOKです。
土鍋でなく、普通の片手鍋や両手鍋でもおいしく炊けますよ。
フタがガラスのものだと、中の状態を確認しやすいためよいでしょう。
フタがなくても、フライパンなどでも炊くことはできますが、吹きこぼれたり水分の蒸発が多くなったりしてしまい、失敗しやすくなります。
非常時には役立ちますが、おいしく失敗なく炊きたい場合は、できる限りフタのあるものを選びましょう。
【失敗しないポイント①】
フタ付きの鍋を選ぼう
まずはいつも通りの方法で米を研ぎます。
ボウルや炊飯に使う鍋を使って研ぐとよいでしょう。
研ぎ終わったらすぐにザルにあげます。
一度ザルにあげることで、水気をしっかりと切れるため、この後の水加減が失敗しにくくなります。
【失敗しないポイント②】
米を研いだらザルにあげて水気をしっかりと切ろう
米を研いだ後は、水加減を行います。
水の量を間違えると、硬かったりべちゃべちゃになったりする原因となるため、計量カップを使ってきっちり計りましょう。
水の量は以下が目安です。
米1合に対して200mlほどが目安になります。
水の量は、米の重さ(g)の約1.3〜1.4倍、米の体積(ml)の約1.1〜1.2倍でも計算可能です。
この水加減で失敗なく炊けますが、鍋の大きさや火加減、米の状態(古米か新米か)によって炊き上がりの硬さに影響します。
何度か炊いて、好みの水加減を見つけてみましょう。
【失敗しないポイント③】
水は計量カップできっちり計ろう
計量した水を使い、30分〜1時間ほど米を浸水させます。
炊飯器で炊く場合は、炊飯器が自動で浸水をしてくれるため不要ですが、鍋で炊く場合は必須です。
浸水をしないで炊いてしまうと、芯が残り失敗の原因となります。
朝に炊く場合は、水につけたまま一晩冷蔵保存しても問題ありません。
浸水時間は季節により異なるため、以下を目安にしてみてください。
米が透明の状態から、全体が白に変われば浸水完了です。
浸水時に使った水は、水加減をしているため、捨てずに炊飯に利用してください。
※浸水させたあとに水気を切った場合は、米が水を吸ってしまっているため、先ほど紹介した水の量から「1合あたり50ml引いて」水加減しましょう。
【失敗しないポイント④】
米が白くなるまで、しっかりと浸水させよう
準備が整ったら、ご飯を炊いていきましょう。
まずは鍋を中火にかけます。
中火とは、鍋の底に炎がちょうどあたるくらいの火加減です。
IHクッキングヒーターの場合は、10段階調整できるものの場合は3〜5くらいの火力が目安です。
強火でもよいのですが、1〜3合程度の量であれば中火でもすぐに沸騰します。
沸騰を見逃すと吹きこぼれてしまうため、中火のほうが安心です。
ふつふつ、ぶくぶくと沸騰してきたら、弱火にして10分加熱します。
10分経ったら強火にして5〜10秒数えます。
最後に強火にすることで、鍋底にたまった水分が飛び、べちゃっとしにくくなります。
5〜10秒経ち「パチパチ」と聞こえたら火を止めます。
お焦げを作りたい場合は、ここでさらに10〜30秒加熱して火を止めてください。
フッ素やテフロンなどでコーティングされた鍋では焦げができにくいため、お焦げを楽しみたい場合はステンレスやアルミの鍋、または土鍋がよいでしょう。
【失敗しないポイント⑤】
はじめは中火→弱火で、沸騰のタイミングを見逃さない
火を止めたら10〜15分ほどそのまま蒸らします。
蒸らすことで、芯までふっくら炊き上がり、加熱ムラがなくなります。
フタを開けると一気に温度が下がってしまうため、絶対に開けないようにしましょう。
【失敗しないポイント⑥】
炊きあがりに必ず蒸らそう
蒸らし終わったら、しゃもじを使って切るようにさっくりと混ぜてください。
これで最高においしいご飯の完成です。
筆者がご飯を鍋で炊くのは、自宅では今回が初めてでした。
栄養士という仕事柄、仕事では経験があったものの、自宅では炊飯器で十分と思い今まで敬遠していました。
ですが今回、ご飯のあまりのおいしさに感動したため、感想をお伝えいたします!
はじめの感動ポイントはニオイ。
鍋でご飯を炊いている間にもご飯のよいニオイがするのですが、フタを開けた瞬間、最高に幸せなニオイが漂いました……!
炊飯器では感じたことのない香りで、嗅ぐだけでお腹が空いてきます。
続いて見た目も違います。
米粒はピンと立ち、ふっくら、ツヤツヤ。
我が家の10年物の炊飯器は、炊き上がりがペタッとなってしまうため、見た目まで違うことに驚きました。
そしてなんといっても、やはり味わいが格別です!
お米のよい香り、うまみがギュッと閉じ込められていて、炊飯器で炊いたご飯とはまったくの別物。
「ご飯ってこんなにおいしかったのか~」と思わず感動しました。
おかずも不要で、ご飯1合を1人でぺろりと食べてしまったほど。
あまりのおいしさに、我が家のご飯は鍋炊きに移行しつつあります。
鍋でご飯を炊くと、炊飯器のように保温できないのがネックです。
すぐに食べない場合はラップに包む、または容器に移すなどし、食べる前に電子レンジで温めるようにしましょう。
または保温性のある「おひつ」に移したり、バスタオルなどで巻いたりして保温する方法もあります。
温め直しても鍋で炊いたご飯のおいしさは消えないため、余った場合は冷凍保存も活用しましょう。
失敗しないポイントを交えながら詳しく解説しましたが、失敗してしまった方もいるかもしれません。
鍋でご飯を炊く場合に起きやすい、失敗の原因と対策を紹介します。
炊きあがったご飯が、硬く芯が残っている場合は以下の原因が考えられます。
【硬く芯が残る原因】
・浸水していない(または浸水時間が足りない)
・炊きあがったあとに蒸らしていない
浸水が不十分のまま炊くと、米の中心まで水分が行き届かない状態で加熱されるため、どうしても芯が残りやすくなります。
米の全体が白くなるまで、しっかり浸水させて炊飯しましょう。
また炊きあがったあとの蒸らしの工程も大切です。
加熱が完了したあとの米は、まだ芯が残っている状態。
蒸らすことで中まで火が通るため、加熱後はフタを開けずにしっかりと蒸らしてください。
もし芯が残ってしまった方は、水を足して炊き直すか、水を多めに足して加熱してお粥のようにするとよいでしょう。
炊きあがったご飯がべちゃべちゃの場合、多くは「水の入れすぎ」が原因となっていることがほとんどです。
先ほど紹介した水の量を再確認し、計量カップで水の量を計るようにしましょう。
また浸漬してから水の量を計量する場合は、吸った水の量を減らす必要があります。
こちらも先ほどお伝えしましたが「1合あたり50mlの量を引いて」水加減しましょう。
べちゃべちゃになってしまったご飯は、耐熱皿に移してラップをかけずに30秒〜1分加熱して水分を飛ばすか、お粥や雑炊にするとよいでしょう。
今回の記事では「鍋でご飯を炊く方法」について、管理栄養士が解説しました。
鍋で炊くご飯のおいしさは、格別なものです。一度食べたら、止められなくなってしまうかも!?
慣れれば簡単に炊けるため、今回紹介したポイントを押さえながら、ぜひおいしい鍋炊きご飯を試してみてくださいね!