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「生姜は体によい」とは知っていても、具体的にどのような効能があるのか知らない方も多いのではないでしょうか?
また、生姜の効能を得たいときに、酢漬けやはちみつ漬け、チューブ、冷凍のものでも同様の効能を得られるのか気になりますよね。
今回の記事では「生姜の効能」「取り入れる際のポイントや注意点」について、管理栄養士が解説します。
生姜は古くから薬として用いられるほど、さまざまな効能が期待される食べ物です。
多くの漢方薬に配合されており、胃腸薬や風邪薬などとして使われることが多くなっています。
さらに詳しく効能について見てみましょう。
生姜には体を温める働きがあります。
これは生姜に含まれる辛み成分により、交感神経が刺激されるため、体温を上げる作用が働くと考えられています。
これはショウガオールという成分にとくに期待される作用です。
ショウガオールはジンゲロールという成分が加熱されることで生成されるため、体を温めたいときは加熱して食べるようにしましょう。
生姜の辛味成分であるショウガオールやジンゲロンは、殺菌作用も期待されています。
食品や料理の保存性を高め、食中毒予防に役立つでしょう。
生姜の辛味成分や香り成分により、食欲増進を助けてくれます。
食欲が落ちてしまいがちな暑い時期や、風邪を引いて食欲がないときなどに生姜を取り入れるとよいでしょう。
生姜は漢方薬として、胃の働きを強くする効能が期待されています。
これは生姜により胃腸の血行が促されるため、消化を助けてくれると考えられています。
胃腸の調子が整わないときに取り入れるのもよいでしょう。
生姜をとることで、生理痛を和らげる可能性があるとして注目されています。
辛み成分であるジンゲロール、ショウガオールにより、生理痛の原因とされるプロスタグランジンの生成を妨げると考えられています。
また、生理のときに気になりやすい冷えの緩和にも役立つでしょう。
生姜には、吐き気や嘔吐などのつわりの症状を軽減する働きも期待されています。
これは生姜が胃腸の調子を整えてくれることが理由として推測されています。
欧米では、つわりの対策として生姜粉末の利用が進められているほどです。
しかし妊娠中は、ひとつの食べ物を偏ってとることはすすめられないため、生姜を極端にたくさんとるのは控えましょう。
生姜は体を温め体温を上げることから、脂肪燃焼を促しダイエットにも有効であると考えられています。
体温が1度上昇すると、基礎代謝が13%向上することが知られています。
生姜を取り入れるだけで劇的に痩せる効果が期待できるわけではありませんが、体が冷えがちな方は試してみるのもよいでしょう。
生姜が風邪によいといわれるのは、体温を上げることや殺菌作用があることが理由として考えられます。
体温が下がると免疫機能も低下することが知られているため、体を内側から温めてくれる生姜が重宝するでしょう。
風邪予防には、バランスのよい食事や十分な休養も大切です。生姜を取り入れながら、生活習慣を整えて風邪予防に努めましょう。
※参照:農林水産省「消費者の部屋」,Parvin Rahnama et ai.,Effect of Zingiber officinale R. rhizomes (ginger) on pain relief in primary dysmenorrhea: a placebo randomized trial,BMC Complement Altern Med. 2012 Jul 10;12:92.,日本産科婦人科学会 日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020」
生姜を取り入れる際に知っておいてほしいポイントや注意点について解説します。
先ほど伝えた通り、冷えによいといわれるショウガオールは、加熱することで生成されます。
炒め物やスープなどの加熱調理はもちろん、生姜湯、生姜入りの紅茶などを取り入れるとよいでしょう。
殺菌作用を期待する場合は、生で取り入れるとよいでしょう。
生の生姜に多く含まれるジンゲロールは、強い殺菌作用が期待されています。
薬味、和え物、ドレッシングや香味だれなどのメニューに取り入れやすいでしょう。
生姜の酢漬け(ガリ)やはちみつ漬けでも、生姜の効能が期待できるでしょう。
酢漬けは調味液に栄養素や成分が流れ出てしまうことがありますが、すべてなくなるわけではないため、心配しすぎる必要はありません。
またはちみつ漬けであれば、溶け出た栄養成分も摂れるため、効率的に生姜の栄養を摂れるでしょう。
しかし、食べすぎにより塩分や糖分を摂りすぎてしまう恐れがあります。
体によいからとたくさんとるのは控えましょう。
生姜を冷凍する場合は、すりおろさずに冷凍するのがおすすめです。生姜の辛み成分はすりおろすことで減ってしまうことが知られています。
すべてなくなるわけではありませんが、せっかくの生姜の効能を減らさないためにも、丸ごと冷凍して使うときにすりおろすようにしたり、スライスして冷凍したりするとよいでしょう。
チューブの生姜は「効果がないのでは?」と思うかもしれませんが、さまざまな効能が期待される辛み成分がすべてなくなっているわけではありません。
たしかに生の生姜に比べると、辛み成分であるジンゲロールの量が少ないことがわかっていますが、手軽に生姜を取り入れやすいのは魅力です。
生の生姜が面倒な場合や、オフィスなどでも取り入れたい場合は、ぜひ活用してみましょう。
生姜の過剰摂取は注意が必要です。
胃腸が刺激され、胸焼けや下痢などを引き起こすことがあります。
生姜の適量をお伝えするのは難しいのですが、一般的なレシピの分量である1〜2片(10〜20g)ほどであれば、過剰摂取の心配が少ないのではないでしょうか。
体に良いからといってたくさんとるのは控え、ほどほどの量を心がけましょう。
今回の記事では「生姜の効能」について管理栄養士が解説しました。
生姜には、体を温める作用、殺菌作用、胃腸によい働きなど、さまざまな効能が期待されています。
料理だけでなく飲み物にも取り入れやすいため、毎日取り入れやすいところも魅力です。
ぜひ生姜を上手に取り入れて、健康づくりに役立ててくださいね。
最後に、生姜をたっぷり摂れるおすすめのレシピ3つをご紹介します。
さんまの蒲焼き缶と生姜で作る炊き込みご飯です。生姜をたっぷりとれ、よい風味も楽しめます。
さんまの蒲焼缶で炊き込みご飯
さんまの蒲焼缶詰、しょうが、米、○酒、○和風だしの素(顆粒)
調理時間:40分
生姜入りのあんかけは、消化にもやさしく食欲がないときにもぴったりです。
鶏と水菜の生姜あんかけ
鶏むね肉、水菜、○しょうゆ、○酒、○片栗粉、●めんつゆ、●酒、●しょうがチューブ、片栗粉、サラダ油
調理時間:20分
生姜をたっぷりと使った鍋です。体を内側からポカポカと温めてくれます。
鶏手羽の生姜鍋
鶏手羽元、しょうが、レタス、豆苗、お好みのきのこ、○塩、○ごま油
調理時間:35分