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チンゲン菜には、優れた栄養や効能がさまざま含まれることをご存じですか?
似た野菜である小松菜と比較されることがありますが、いったいどちらが優秀なのでしょうか?
またチンゲン菜の豊富な栄養をムダなく摂る食べ方のコツも知っておきましょう。
今回の記事では「チンゲン菜の栄養」について、管理栄養士が解説します。
チンゲン菜は中国からやってきた野菜で、白菜の仲間であるアブラナ科の野菜です。
1年を通して出回っており、比較的安価に手に入りやすいのですが、実は春と秋が旬になります。
チンゲン菜は鉄やカルシウム、β-カロテン、ビタミンCなどさまざまな栄養素が含まれ、野菜の中でも栄養価が優れています。
またカロリーが低いため、ダイエット中でも安心してたっぷり食べられる点も魅力です。
具体的にどのような栄養や効能があるのか、続けて見てみましょう。
栄養豊富なチンゲン菜には、次のような栄養が含まれています。
鉄は貧血予防に欠かせない栄養素です。
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運搬する働きをしています。
ヘモグロビン濃度が低下した貧血の状態では、酸素が行き届きにくくなり、疲労感、息切れ、めまいなどを引き起こす原因となります。
とくに女性は生理により鉄が不足しやすいため、意識的な摂取が必要です。
カルシウムは骨粗しょう症や骨折を防ぐために、不足することなく摂りたい栄養素です。
食事からの摂取が不足すると、骨からカルシウムが取り出されてしまい、骨がスカスカになる骨粗しょう症の原因となります。
日本人の平均的なカルシウム摂取量は不足の傾向があり、積極的に補う必要があります。
β-カロテンには抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりしてくれる働きのことです。
活性酸素はストレスや紫外線、喫煙などにより生成され、細胞を傷つけてダメージを与え、肌の老化、がん、動脈硬化、免疫機能低下の原因となることが知られています。
野菜の色素成分であるβ-カロテンは、色の濃い野菜に多く含まれ、抗酸化力が高いといわれています。
ビタミンCはコラーゲンを生成する際に必要であり、肌を健やかに保つのに欠かせない役割があります。
またβ-カロテン同様に抗酸化作用を持つため、アンチエイジング効果も期待されています。
ビタミンCは水溶性の栄養素であり、尿から排出されてしまうため、毎日意識的に補うことが大切です。
カリウムは、むくみや高血圧の予防に取り入れたい栄養素です。
カリウムは、これらの原因となるナトリウムを排出してくれる働きがあります。
ナトリウムとともに水分を排出してくれむくみを解消し、また血圧も下げる作用があります。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」
チンゲン菜は野菜の中でも栄養豊富とお伝えしましたが、具体的にどの程度優れているのでしょうか?
ほかの野菜と100gあたりの栄養成分値を比較してみましょう。
似た野菜である小松菜と見比べてみると、残念ながらどの栄養素も小松菜のほうが豊富といえます。
しかしほかの野菜と比較すると、チンゲン菜の栄養が豊富であることがわかります。
・カルシウムはほうれん草の2倍、大根の4.3倍
・いずれの栄養素も淡色野菜である白菜や大根より優れている
不足しがちな栄養補給には、チンゲン菜などの色の濃い野菜の摂取が欠かせません。
クセがなく下茹でも必要のないチンゲン菜は、毎日手軽に取り入れやすいでしょう。
チンゲン菜の栄養をムダなく摂るためには、どのように食べるのがよいのでしょうか?
食べ方のコツをお伝えします。
チンゲン菜は卵、肉、魚などの動物性たんぱく質を含む食べ物と組み合わせましょう。
チンゲン菜に含まれる鉄は吸収率が15%程度とあまり高くありませんが、動物性たんぱく質と一緒にとることで吸収率を高めることができます。
チンゲン菜を卵や肉、魚と一緒に炒めたり、スープにしたりすると、鉄をムダなく摂れるでしょう。
チンゲン菜に含まれるβ-カロテンは、脂溶性ビタミンといい、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
β-カロテンを効率よく摂りたい場合は、チンゲン菜をごま油やサラダ油で炒めたり、脂質を含む肉や卵などと組み合わせたりしてみましょう。
チンゲン菜は加熱して食べるイメージがあるかもしれませんが、実は生で食べることもできる野菜です。
生で食べることで、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素をムダなく摂れます。
茎の部分は硬いため薄くスライスすると食べやすくなります。
和え物やサラダなどにすると、チンゲン菜のシャキシャキとした歯ごたえも楽しめ、栄養もたっぷりと摂れますよ。
今回の記事では「チンゲン菜の栄養」について管理栄養士が解説しました。
チンゲン菜は野菜の中でも栄養価が優れています。中華料理に使うイメージがありますが、おひたしや味噌汁の具材に、またスープやシチューの具材など、和食や洋食にも合う野菜です。
毎日取り入れやすいチンゲン菜を活用して、ぜひ健康づくりに役立ててくださいね。
チンゲン菜の栄養をたっぷり摂りたいときにおすすめのレシピを3つ紹介します。
チンゲン菜に含まれる鉄の吸収を、卵が助けてくれます。ふんわりとした卵に、シャキシャキとしたチンゲン菜の歯ごたえも楽しめるレシピです。
青梗菜のふわふわたまご炒め
卵、青梗菜、塩・こしょう、○鶏ガラスープの素(顆粒)、○こしょう、ごま油
調理時間:10分
チンゲン菜をクリーム煮にすることで、溶け出た栄養もムダなく摂ることができます。牛乳とチンゲン菜で、カルシウムをたっぷり補給できます。
青梗菜のクリーム煮
青梗菜、ロースハム、薄力粉、牛乳、○鶏ガラスープの素(顆粒)、○酒、塩・こしょう、サラダ油
調理時間:15分
シュウマイの皮の代わりにチンゲン菜を使ったレシピです。ボリュームたっぷりなメインのおかずになり、カロリーや糖質オフしたいときにも役立ちます。
青梗菜シュウマイ
豚ひき肉、青梗菜、片栗粉、○オイスターソース、○しょうゆ、○しょうがチューブ、○片栗粉、○ごま油
調理時間:20分