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美容やダイエットによいといわれるさつまいも。
具体的にはどのような栄養や効能が期待でき、ほかの食べ物と比べどの程度優れているのでしょうか?
また、栄養豊富なさつまいもは、甘いために「太るのでは?」と心配になる方も多いはず。
今回の記事では「さつまいもの栄養」「太らない取り入れ方」について、管理栄養士が解説します。
さつまいもはさまざまな栄養素を豊富に含み、美容やダイエット、健康づくりにも役立つため「スーパーフード」といっても過言ではありません。
主食の代わりに取り入れられることもありますが、ほかの主食や芋類と比較してどの程度優れているのか、100gあたり(皮なし)の栄養成分値を確認してみましょう。
さつまいもは白米や食パンに比べカロリーが低く、食物繊維、カリウム、カルシウム、β-カロテンの含有量も優れています。
また、穀類である白米や食パンはビタミンCが含まれませんが、さつまいもは29mg含まれるのも魅力です。
同じ芋類であるじゃがいもに比べると高カロリーですが、食物繊維以外の栄養素はじゃがいもより優れていることがわかります。
甘くておいしいさつまいもから、これだけの栄養素が摂れるとはうれしいニュースですね。
さつまいもにはさまざまな栄養素が含まれることがわかりましたが、具体的にどのような効能が期待されるのでしょうか?
詳しく解説します。
さつまいもに含まれるビタミンCやβ-カロテンは、抗酸化作用により肌を健やかに保つ手助けをしてくれます。
肌の老化の原因のひとつとして、過剰に産生された活性酸素があります。
ストレスや紫外線により発生した活性酸素は、身体を酸化させ、細胞にダメージを与えるのです。
この活性酸素を取り除いたり働きを抑えたりしてくれるのが抗酸化作用です。
肌を若々しく保ちたい方は、抗酸化作用を持つさつまいものような食べ物を意識して取り入れましょう。
さつまいもはカリウムが豊富であり、むくみ解消に役立ちます。
むくみが起きる原因のひとつに塩分のとりすぎがあります。
塩分は水分をため込む性質があるため、むくみを引き起こします。
カリウムは摂りすぎた塩分とともに水分を排出する作用があるため、むくみをすっきりさせてくれるのです。
白米や食パンなどほかの主食にはあまり含まれませんので、さつまいもがカリウムのよい補給源となるでしょう。
さつまいもに含まれる食物繊維は便の材料となり、また腸を刺激してぜん動運動を促す作用や、善玉菌が増えるのを助ける作用もあり、腸内環境を整えてくれます。
またさつまいもにはレジスタントスターチという成分が含まれるのも魅力です。
レジスタントスターチとは難消化性でんぷんのことで、食物繊維と同じような働きをすることが知られています。
さつまいもは食物繊維だけでなく、レジスタントスターチを含む点からも腸内環境を整える食べ物としてぴったりです。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
さつまいもは蒸したり焼いたりすると「カロリーや栄養成分が変わるのでは?」と思うかもしれませんが、心配は不要です。
まず100gあたりの栄養素の含有量を比較してみましょう。
生のさつまいも126kcalに比べ、蒸し131kcal、焼き151kcalと高くなっています。
これは加熱することで水分が抜け、見かけ上のカロリーが高くなることが大きな要因です。
見かけ上の変化ですから、調理することでさつまいものカロリーが高くなるわけではありません。
またさつまいものビタミンCは熱に強いといわれ、加熱しても損なわれにくいのが特徴です。
上記の表を見てみると、蒸したものでも焼いたものでも、損失が少ないことがわかります。
このことから、調理法による栄養成分やカロリーの変化は気にする必要性は低いといえます。
お好みの調理法を安心して選びましょう。
さつまいもはカロリーが高く太るイメージがありますが、上手に取り入れれば心配はありません。
むしろ、腹持ちがよくダイエットの強い味方になります。
取り入れる際は以下のように取り入れるとよいでしょう。
さつまいもを毎日取り入れる場合、1日70〜140g(約1/3〜1/2本)ほどを目安に取り入れるとよいでしょう。
70〜140gでは、88〜176kcalとなります。
これはバランスのよい食事をしめす、食事バランスガイドの小皿1〜2皿分の量を参考にしています。
この量以上に食べたい場合は、そのほかの間食を減らしたり主食を減らしたりするなどの工夫を行い、カロリーの摂りすぎにならないよう気を付けましょう。
さつまいもは主食の代わりに取り入れるのもOKです。
主食として食べる場合は、普段食べている白米の量と同じ量を食べるようにするとよいでしょう。
白米に比べカロリーが低いためカロリーカットができ、さまざまな栄養素を補給できるメリットがあります。
ただし、さつまいもは食物繊維が豊富であるため、食べすぎるとお腹の張りや腹痛などを起こすことがあります。
主食として取り入れたい場合は、体調に影響しない、ちょうどよい量を見つけましょう。
普段食べている間食の代わりにさつまいもを取り入れるのもよいでしょう。
バターや生クリームを使った洋菓子などに比べると、さつまいもは低カロリーです。
また腹持ちもよく、次の食事のドカ食いを防ぐ効果も期待できます。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」
栄養豊富なさつまいもは、せっかくならおいしく楽しみたいですよね。
さつまいもを甘くおいしく仕上げるコツは、ゆっくり加熱すること。
すると、さつまいものでんぷんが甘い糖に変化し、甘みが引き立つようになります。
オーブンなら160度の低温でじっくり90分。電子レンジなら200Wで9~10分ほどが目安です。
おいしいさつまいもの調理の仕方は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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今回の記事では、「さつまいもの栄養」について管理栄養士が解説しました。
さつまいもは栄養豊富でまさにスーパーフード。とくに旬である秋は、さつまいもを見かける機会が増えますね。
ぜひダイエットや美容、健康づくりに役立ててください。