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サラダや炒め物など、料理に彩りを与えてくれるパプリカは、美容や健康へのさまざまな効能が期待されています。またパプリカは赤色と黄色などがありますが、たっぷり栄養が含まれるのはどちらなのでしょうか?今回は、パプリカの栄養や効能、またおすすめの食べ方についても管理栄養士が解説します。
パプリカはビタミンCや食物繊維、カリウム、β-カロテン、ビタミンEなど、さまざまな栄養素を豊富に含む野菜です。パプリカには赤色と黄色がありますが、とくに優れているのが赤パプリカです。
どの程度含有量が違うのか、赤パプリカ、黄パプリカ、また普通の緑色をした青ピーマンと比較してみましょう。
赤パプリカに含まれる栄養素は、食物繊維を除き、上記のすべてにおいて優れていることがわかります。とくにβ-カロテンの含有量は青ピーマンの約2.8倍、黄パプリカの5.5倍もの量です。
黄色か赤色、どちらかに迷った場合は、赤パプリカを選ぶと豊富な栄養素を補給できるでしょう。
ピーマンとパプリカは同じとうがらしの仲間ではありますが、品種が異なります。
青ピーマンは未熟な状態で収穫されたもので、完熟すると品種により赤色や黄色といった鮮やかな色味に変化します。
パプリカは完熟した状態で収穫され、赤、黄、オレンジなどさまざまな色になります。ピーマンよりサイズが大きく、肉厚で甘味もあるのが特徴です。
見た目が似ているとは言え、苦味が主であるピーマンと、甘味が特徴のパプリカでは味がまったく違います。ピーマンは炒め物や煮物に、パプリカは加熱調理だけでなく生のままサラダにも向いています。お好みによって使い分けましょう。
パプリカの栄養素の中でも、群を抜いて優秀なのがビタミンC含有量です。
パプリカとほかの野菜の100gあたりの含有量を比較してみましょう。
100gあたりのビタミンCの量は、赤パプリカ170mg、黄パプリカ150mgで、ピーマンの2倍、ほうれん草の4.3〜4.9倍、もやしの18.8〜24.3倍もの含有量です。
またビタミンCの1日の推奨量は100mgですので、赤パプリカ約半分(60g)で補える計算となります。
美容や健康づくりに欠かせないビタミンCを、たっぷりパプリカから摂れるのは嬉しいですね。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
パプリカにはビタミンCのほかにもさまざまな栄養素を含み、多様な効能が期待されています。
パプリカには食物繊維が含まれ、便秘予防に役立ちます。食物繊維は便の材料となるほか、腸内で善玉菌が増えるのを助け、腸内環境を整えてくれます。
カリウムは余分なナトリウムを身体の外に出してくれる働きがあります。高血圧やむくみはナトリウムの摂りすぎが原因となるため、ナトリウムを調整するカリウムの摂取が欠かせません。
とくに野菜不足の方は不足しやすい栄養素ですので、意識して取り入れましょう。
β-カロテン、ビタミンEには抗酸化作用があります。老化やがん、免疫機能の低下を引き起こす活性酸素を取り除いたり働きを抑えたりしてくれ、私たちの健康を支えてくれるビタミンです。
とくにビタミンEの抗酸化力は強いといわれるため、不足することなく取り入れたい栄養素です。
ビタミンCは皮膚のコラーゲンが合成される際に必要です。またβ-カロテンやビタミンE同様に抗酸化作用があり、老化から肌を守ってくれます。
さらに、日焼けによりメラニン色素が作られるのを防ぐ働きも期待されているなど、肌を健やかに保つのに欠かせません。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
パプリカの栄養素をムダなく摂るなら、油と組み合わせるのがおすすめです。パプリカに含まれるビタミンAは脂溶性ビタミンといい、油と一緒にとることで吸収率が高まります。
パプリカを炒めるときは油を使ったり、脂質を含む肉や魚と組み合わせたりすると良いでしょう。また生で食べるときも、油を含むドレッシングを使うようにしてみてください。
ビタミンCは熱に弱いため、効率良く摂るには生の方が良いといわれることがあります。
ですがパプリカはその必要はありません。パプリカは組織がしっかりしているため、加熱してもビタミンCが壊れにくく、損失しにくいことが知られています。
加熱でも生でもどちらでも栄養素をムダなく摂れますので、お好みの方法でいただきましょう。
パプリカは栄養豊富な野菜のひとつであり、中でもビタミンCがずば抜けて豊富です。黄パプリカより赤パプリカの方がβ-カロテンをはじめとした栄養素が多く含まれますので、迷った際は赤パプリカがおすすめです。さまざまなメニューで取り入れ、健康づくりや美容に役立ててください。
最後に、パプリカの栄養素をたっぷりムダなく摂れるレシピをご紹介します。
豆腐、鶏ひき肉、卵を使い、パプリカといんげんで色よく仕上げたレシピです。パプリカのビタミンCは、植物性の鉄の吸収を高める働きがあるため、豆腐に含まれる鉄を効率良く吸収できます。
【作りおきおかず】夏野菜の彩り炒り豆腐
豆腐(木綿)、鶏ひき肉、卵、いんげん、パプリカ(赤)、○めんつゆ(3倍濃縮)、○砂糖、ごま油
調理時間:15分
パプリカと鶏胸肉を炒めて青椒肉絲風にしたレシピです。ごま油を使うため、パプリカのビタミンAの吸収率がアップします。
パプリカと鶏の青椒肉絲風
鶏むね肉、パプリカ(赤)、○しょうゆ、○酒、○片栗粉、○しょうがチューブ、●しょうゆ、●オイスターソース、●酒、ごま油
調理時間:15分
ツナで作る簡単マリネです。さっぱりとした味付けで、栄養豊富なパプリカをたっぷり食べられます。
パプリカとツナのマリネ
パプリカ(赤)、ツナ(オイル漬け)、○酢、○オリーブオイル、○砂糖、○塩、○こしょう、バジル(あれば)
調理時間:15分