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夏の代表的な果物の1つと言えば「スイカ」ですよね。
冷えたスイカをたくさん食べてしまった後で、お腹を壊したりなどで後悔した経験はないでしょうか。
おいしい果物と言えども食べ過ぎには要注意です。
今回の記事では、管理栄養士が「スイカを食べ過ぎるとどうなるのか・食べ過ぎにならない目安量はどのくらいなのか」について解説します。
スイカを食べ過ぎると、以下の症状が起こる可能性があります。
1つずつ詳しく解説していきます。
スイカは冷やすと甘さが増すため、しっかりと冷えたスイカを食べるのが美味しかったりしますよね。
スイカは約90%が水分ですので、適量であれば水分補給にも役立ちますが、食べ過ぎてしまうと、身体が冷える原因に繋がります。
身体が冷えると、血管収縮が起こり、慢性的に細胞の栄養不足や酸素低下状態が続くことも。その結果、頭痛、肌荒れ、身体のむくみなどが生じる可能性があります。
スイカ1切れ(可食部約150g)あたりのカロリーは62kcal、糖質量は13.8gを含みます。
上記の表をご覧頂くと分かりますが、スイカが特別カロリーや糖質量が多いという事ではないため、スイカを食べる時に、1切れで止める事ができると問題がありません。
ただ、3~4切れと多く食べてしまうと、カロリーや糖質量が多くなってしまいます。
スイカの水分量は約9割ですので、スイカの過剰摂取は水分の摂り過ぎにも繋がります。
そのため、胃酸が薄まってしまい消化不良を起こしたり、下痢や腹痛になる事があるかもしれません。
厚生労働省が発表している食事バランスガイドでは、果物の摂取目安を1日2つ(SV)としています。
重さで言うと約200g程度です。
そのため、スイカだけを食べるのか、他の果物も食べるのかによって調整する必要があります。
他の果物も合わせて200gにするならスイカは100gくらいに、スイカだけなら200gになります。
スイカ1切れが150g程度ですので、100gなら小さめにカットされ、200gなら大きめのカットを1切れにされるのがお勧めです。
(参考:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html)
スイカに含まれる主な栄養素は下記の3種類です。
それぞれどのような効果・効能が期待できるのか見ていきましょう。
カリウムはナトリウム(塩分)の排出を促す作用があります。
塩分摂取が高くなると、身体の塩分濃度を薄めようとして、体内に水分を多くため込んでおく事になります。
つまり、水分やナトリウム(塩分)を排出するカリウムを摂る事で、身体のむくむ予防の一つとなります。
カリウムを摂取し過ぎると「高カリウム血症」のおそれがあります。主な症状は、胃のむかつき(悪心)や嘔吐などの胃腸症状、しびれ、筋力低下などで、重症化すると不整脈や心停止を起こす場合もあります。
ただし、腎機能が低下している方以外では、普段の食生活で高カリウム血症になる事はないと考えられています。
スイカに含まれるリコピンは強い抗酸化作用があり、がん、動脈硬化、老化を促す活性酸素を除去する効果などが期待できます。
リコピンといえば、トマトに多く含まれているイメージがあるでしょう。しかし、実はトマトよりもスイカの方がリコピンを含んでいる量が多いといわれており、その量はトマトの約1.5倍ともいわれています。
食品からリコピンを摂りすぎる事で発生する副作用はないとされています。
リコピンは、過剰摂取で健康障害が知られているビタミンAの前段階の物質ではない事が分かっているからです。
ただし、サプリメントで必要以上に摂り過ぎた場合は腎臓に負担をかけます。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれると考えられています。
紫外線が強くなる時季や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的にとりたい栄養素ですので、夏にスイカを食べることは理にかなっています。
ビタミンCを一度にまとめて過剰に摂取すると、下痢や腹痛が起こる可能性があると考えられています。
今回の記事では、管理栄養士が「スイカを食べ過ぎるとどうなるのか・食べ過ぎにならない目安量はどのくらいなのか」について解説しました。
スイカは水分が多いため、あまり栄養がないと思っている方もいるかもしれませんが、適量を守る事で、ビタミンCやカリウムなど、夏の時期に嬉しい美容効果も期待出来ます。
一方で、食べ過ぎることで良くない影響もあります。暑い夏を乗り越えるためにも、食べ過ぎは避けて適量のスイカを楽しんでくださいね。