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メロンを食べたら唇や舌、喉がピリピリしたりイガイガしたり。これらの症状がアレルギーなのかどうか、気になったことがありませんか?メロンアレルギーだった場合、適切な対処法を知っておくことが大切です。今回はメロンアレルギーについて、管理栄養士が解説します。
メロンは食物アレルギーを引き起こす可能性のある食べ物です。とくに口周辺に限って起きるものは「口腔アレルギー症候群」と呼ばれ、花粉症と関連があることが知られています。
ただし気になる症状の原因がアレルギーによるものかどうか、自己判断はNGです。ほかの原因が考えられる場合もあるため、医療機関を受診し医師による診察を受けましょう。
アレルギーに関する診療科は症状に応じて、内科、アレルギー科、皮膚科、耳鼻咽喉科、消化器科などがあります。受診の際は、診察可能か事前に問い合わせしておくとスムーズでしょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,⾷物アレルギーの診療の⼿引き2020
メロンを食べたときの気になる症状の種類や、検査法についてご紹介します。
食物アレルギーの症状の9割はじんましんやかゆみなどの皮膚症状です。症状の多くは食後2時間以内にあらわれるとされています。
ほかにも、くしゃみや鼻水、咳などの呼吸器症状、下痢や腹痛、吐き気などの消化器症状、目の充血や腫れなどの粘膜症状など、さまざまです。
息苦しさなどの強い症状や、複数の臓器に急激に症状があらわれるアナフィラキシーの状態、また血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックと呼ばれる状態の際は、救急搬送など急な対応を要す場合もあります。
唇や舌、喉などの口周辺に起こるピリピリやイガイガ、かゆみなどの症状を起こす口腔アレルギー症候群は、花粉症患者に多くみられることが知られています。
これは花粉と果物のアレルギーの原因であるアレルゲンの構造が似ていることが原因と考えられています。
メロンのほかにも、桃、りんご、キウイフルーツ、マンゴー、オレンジ、バナナなども原因となる果物です。花粉症のある方でこれらの果物を食べて症状が出たことがある場合、一度医師による診察を受けることが勧められています。
ゴム手袋などの原料となるラテックス(天然ゴム)にアレルギーを持つ方は、メロンを食べた際に強い症状を引き起こす可能性があります。
ラテックスアレルギーの30~50%の方に食物アレルギーがみられることがあり、「ラテックス-フルーツ症候群」と呼ばれます。メロンのほかにも、アボカド、バナナ、栗、キウイフルーツも原因となる食べ物です。
アナフィラキシーショックなどの強い症状が出る可能性があるため、ゴム手袋をしてかゆくなった経験があるなど、疑わしい症状がある場合は一度アレルギー専門医のいる医療機関の受診が勧められます。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,⾷物アレルギーの診療の⼿引き2020,日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版」,消費者庁 厚生労働省 経済産業省「ラテックスアレルギーに関する注意喚起(平成29年)」
メロンアレルギーが疑われる場合、医師の判断により検査が行われることがあります。
検査法は以下のようなものがあります。
・血液検査
・皮膚プリックテスト(皮膚を介したアレルギー検査)
・食物経口負荷試験(専門医のもとアレルギーが疑われる食品を摂取して症状の有無を確認する検査)
診察の際は、症状の様子や症状が出た時間、食べたものなどのメモを持参すると役立つでしょう。
医師の診察を受けたうえでメロンアレルギーがあることがわかった場合、どのように付き合っていくと良いのでしょうか。
食物アレルギーの対処の基本は、原因となる食べ物の除去(食べないこと)です。とくに大人のアレルギーは治りづらいといわれているため、メロンアレルギーとは長い付き合いになる可能性が高くなります。
ただし、症状によって除去の程度が異なる場合もあります。メロンアレルギーがあるとわかった場合は、自分にとって適切な対処法について、必ず医師に確認しましょう。
メロンアレルギーがあり、メロンを食べない方が良いと判断された場合は、メロンが入った加工品も避ける必要があります。
メロンゼリーなどはメロン果肉や果汁が使われていることがあるため、原材料名を見るなど慎重に確認しましょう。
ただし加工食品の中でも、メロンパンには通常はメロンは含まれません。形がメロンに似ていることが名前の由来の一説になっているため、必ずしもメロンが使われているわけではないのです。
しかし、まれにメロン果汁や果肉などが入ったメロンパンもあるため、アレルギーのある方はやはり慎重になった方が良いでしょう。
メロンアレルギーの症状は、じんましんやかゆみ、口周辺の違和感など、さまざまな症状があります。繰り返しになりますが、気になる症状がある方はそれ以上食べるのは控え、医療機関を受診するようにしましょう。