仕事や勉強、息抜きに欠かせないコーヒーですが、つい飲み過ぎて気分が悪くなってしまったことはありませんか?

私たちの生活に馴染み深いコーヒー、飲み過ぎると体にどのような影響が出るかをご存じでしょうか。

この記事では、薬剤師が「コーヒーを飲み過ぎるとどうなるのか」「コーヒーを飲むことのメリット・デメリット」について解説します。

コーヒーの飲み過ぎは体に悪いのか

コーヒーの香りや味、成分はリラックス効果や眠気覚ましに適していますが、過剰に摂りすぎると体に悪い影響が出てしまうことがあります。
コーヒーについて詳しく知り、安全に飲めるようにしましょう。

コーヒーにはどのような効果があるのか

コーヒーに含まれる様々な成分には気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる作用があります。
含有成分で有名なカフェインは一時的に血管を収縮させ、覚醒作用を持っています。
他には、クロロゲン酸というポリフェノールを多く含有しており、下記の作用があると言われています。

・血糖値上昇の抑制作用
・内臓脂肪の軽減作用
・抗発癌作用
・抗酸化作用
・皮膚角層の乾燥緩和
・更年期症状の緩和

コーヒーに含まれる成分には、様々な働きがあることが分かりますね。

参考:食品・栄養素・食物由来機能性成分がミドルエイジ女性の健康パラメータに及ぼす効果について 更年期と加齢のヘルスケア(1347-801X)20巻1号 Page13-19(2021.07)

コーヒー(カフェイン)は1日当たりどのくらいが適量なのか

コーヒー摂取の適量は1日1〜2杯、多くても4、5杯に留めておきましょう。
またカフェインの吸収を抑えるために、食後に飲んだり空腹時はカフェオレなどにして飲むようにしましょう。

参考:LC-MS/MSによるカフェインとイブプロフェンの血中濃度の同時測定法の構築および缶コーヒー飲用後の血中カフェイン薬物動態の解析 医学検査(0915-8669)64巻4号 Page413-420(2015.07)
カフェインの過剰摂取について 農林水産省HP
健常成人に対するコーヒー豆由来クロロゲン酸含有食品の過剰摂取時の安全性評価(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験) 健康・栄養食品研究(1345-8388)18巻1号 Page1-8(2021.)

コーヒーを飲み過ぎると起こる可能性のあること

コーヒーを飲み過ぎると、下記の症状がおこる可能性があります。

・不眠
・胃腸障害
・口臭
・血圧上昇
・肌荒れ予防

順番に説明していきます。

不眠

コーヒーには覚醒作用のあるカフェインが多く含まれているので、摂りすぎると眠りにつけなかったり熟睡できなくなる可能性があります。
日頃から眠りが浅い方や睡眠に不安のある方は、少なくとも寝る6時間前からは摂らないよう心がけましょう。

胃腸障害

カフェインには胃酸を分泌させる作用があるので、胃粘膜を刺激し胃腸障害が起こりやすくなります。
普段から消化の早い方、胃が弱い方は、必ず食後や軽く何かを食べた後に飲むようにしましょう。

口臭

コーヒーはコーヒー豆を抽出しているため、コーヒーに残った微小な粒子や残渣が口腔内に付着して残りやすく、それが口臭の原因になってしまいます。
コーヒーを飲んだ後は水でよくゆすいだり、歯磨きを行いましょう。

参考:コーヒー飲用が口臭に及ぼす影響 日本口臭学会会誌(1884-4901)8巻1号 Page19-29(2017.04)

血圧上昇

コーヒーに含まれているカフェインは、一時的に血管を収縮し血圧に影響を与え、血圧を上げる可能性があります。
個人差があり、もともと高血圧の方には影響しにくいと言われています。
また、コーヒーはストレス因子を除きリラックス効果があり、中に含まれているクロロゲン酸は血圧を下げる可能性があります。
適量を心がけて飲みましょう。

参考:Influence of genetic polymorphisms and habitual caffeine intake on the changes in blood pressure, pulse rate, and calculation speed after caffeine intake: A prospective, double blind, randomized trial in healthy volunteers
Journal of Pharmacological Sciences(1347-8613)139巻3号 Page209-214(2019.03)

肌荒れ予防

コーヒーの中に含まれているクロロゲン酸には、内臓脂肪を減らしたり血圧を下げる作用が報告されています。
また、皮膚の乾燥や炎症を緩和する効果があります。
皮膚の血流量を増やし角層の水分量を上げてくれるので、お肌のターンオーバーを良くし、肌荒れを防いでくれる可能性があります。

引用:生コーヒー豆由来クロロゲン酸の単回摂取が顔面皮膚性状に及ぼす影響 日本食品科学工学会誌(1341-027X)68巻3号 Page124-132(2021.03)

コーヒーは妊娠中は飲んでもいい?飲み過ぎを防ぐには

個人差がありますが、妊娠中は胎児に影響が出る可能性があります。
多くても1日1杯、できれば週に2〜3杯までに抑えましょう。また、できればノンカフェインを選んで飲むようにしましょう。

引用:【周産期相談318 お母さんへの回答マニュアル】産科編 妊娠初期 妊娠中にコーヒー、紅茶は飲んでもいいですか? 周産期医学(0386-9881)39巻増刊 Page50-51(2009.11)

コーヒーと飲み合わせの悪い薬やサプリメント

コーヒーと飲み合わせの悪い薬やサプリメントもあります。
下記の薬やサプリメントを飲む際は、コーヒーは控えた方が良いでしょう。

・テオフィリン(テオ緒に摂ることで、フィリン、テオロング、ユニフィルLA、ユニコン)
 →過度の中枢神経刺激作用があらわれることがあります。

・アロプリノール(ザイロリック)
・シメチジン(タガメット)
 →カフェインの作用を強める可能性があります

・フルボキサミン(デプロメール/ルボックス)
 →薬の作用が強く出る可能性があります

・リチウム(リーマス)
 →薬の作用が弱くなる可能性があります

引用:飲食物と薬剤との相互作用 重症心身障害の療育(1883-2075)13巻2 Page141-154(2018.09)

コーヒーの飲み方のオススメ【飲み過ぎを防ぐには】

コーヒーの飲み過ぎや悪影響を防ぐために、次のような飲み方がおすすめです。

・食後や軽く何かを食べた後に飲む
・連続して飲み続けない
・ゆっくりと飲む
・カフェオレにする
・夕方以降はノンカフェインにする
・飲んだ後は口をゆすいだり、歯磨きをする

少し気を付けるだけで飲み過ぎや悪影響を防ぐことができるので、注意してみてください。

コーヒーの飲み過ぎを防ぎ、適量を楽しもう!

今回の記事では、薬剤師が「コーヒーを飲み過ぎるとどうなるのか」「コーヒーを飲むことのメリット・デメリット」について解説しました。

コーヒーには健康に良い面と悪い面があることがわかりましたね。
適量を守り健康的に摂取していきましょう。

情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 【薬剤師監修】コーヒー飲み過ぎは身体に悪い?気持ち悪いなどの症状を避ける適量や飲み方を解説