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にんにくを調理に使う事で、味や香りにアクセントがつき、よりおいしく料理を仕上げる事ができます。
しかし、意外と知られていない、にんにくの正しい切り方。いつも自己流でなんとなく切っている、そんな方も多くいらっしゃるでしょう。
また、切る時に手に香りが付いて困る事はありませんか。
そこで今回は、管理栄養士が「にんにくのうま味を引き出す切り方と香り移りの対策」について解説します。
この記事を読む事で、料理別の最適なにんにくの切り方をはじめ、にんにくを切る時に手に香りが移らない方法が分かるようになります。
様々な切り方があるにんにくですが、代表的な切り方を4種類ご紹介します。
それぞれの切り方がおすすめな料理についても見ていきましょう。
にんにくを細かく切り刻む「みじん切り」は、料理に香り付けをするのにポピュラーな切り方の一つです。にんにくそのものの味を楽しむというより、調味料的な使い方をする場合に適しています。
【切り方手順】
1:にんにくの薄皮を剥き、縦半分に切ります。
2:包丁のあごを使って、にんにくの芯を取り除きます。
3: にんにくのカット面を下にして、根元を切り落とさないように、1~2mmの幅で縦に切れ込みを入れます。
4:包丁をまな板に水平にして、水平方向に3回程度、切れ込みを入れます。
5:端から根元に向かって、1~2mmの幅で切ります。
6:より細かくしたい場合は、先側のみねを左手で押さえ、右手で包丁を上下に動かし、刻みます。
にんにくの芯は、苦みやえぐみがあり、さらに焦げやすいので、取り除くのがお勧めです。
【お勧めな料理】
みじん切りしたにんにくは油との相性も抜群です。そのため、炒め物、ソース、ドレッシングなどに合います。
にんにくの食感も楽しめる「薄切り」は、香り付けはもちろん、にんにくそのものを味わいたいときにピッタリな切り方です。
【切り方手順】
1:にんにくの薄皮を剥き、根元を切り落とします。
2:切った面に対して平行に、お好みの厚さに切ります。
芯が気になる場合には、切った後につまようじなどの細いもので取り除くのもお勧めです。
にんにくを縦にスライスするか、横にスライスするかで、にんにくの風味が変わってきます。縦に(繊維にそって)切ると、匂いや味が弱くなります。逆に繊維を断ち切ると匂いや味が強くなります。
【お勧めな料理】
にんにくの香りだけではなく、食感も楽しめる切り方です。パスタや炒め物、お魚に添える薬味に使ったりと、料理に食感などのアクセントもつけたい時にもおすすめです。
にんにくの香りをより楽しみたいときにぴったりなのが「つぶし」です。やり方も簡単で、にんにくの風味を味わえますが、潰す際に手やまな板などに香りが移ってしまわないように注意するとよいでしょう。
【切り方手順】
1:にんにくの薄皮を剥き、縦半分にカットします。
2:にんにくの芯を取り除きます。
3:にんにくのカット面を下にして置き、包丁の腹をにんにくの上に置きます。
4:あいている手を包丁に乗せ、軽く体重をかけてにんにくを押しつぶします。
【お勧めな料理】
肉の下茹や、煮込み料理、香り付けに使うのがお勧めです。潰す事で、にんにくの細胞が壊れて、風味が増します。
にんにくをペースト状にする「すりおろし」は、刻むよりも香りを味わえるため料理の下味付けなどにおすすめです。
【切り方手順】
1:にんにくの薄皮を剥き、根元を切り落とします。
2:つまようじなどの細いもので芯を取り除きます。
3:目が細かいおろし器を使ってすりおろします。
【お勧めな料理】
切るよりもすりおろした方が、にんにくの香りがより引き立ちます。風味付けや下味付けに最適です。にんにくの香りを最大限に保つために、調理する直前に、すりおろすのがお勧めです。
食欲を誘うにんにくの独特な香りですが、なぜ香るのかご存じですか。あの香りは「アリシン」という香気成分により発生しています。
にんにくには、イオウを含むアミノ酸の一種である「アリイン」という成分が含まれています。にんにくの組織が破壊されアリインが分解されることで、酵素が作用してアリシンを生成します。その時に、にんにく独特な香りが発生するのです。
にんにくを調理する際、香りが最も引き立つのが60~80度の温度だと言われています。そのため、常温の油ににんにくを入れてから低温でじっくり長時間炒める事で、にんにくの香りを高める事が出来ます。
にんにくは食欲をそそる良い香りですが、食事時以外に香ると少々抵抗がある方も多いことでしょう。調理の際ににんにくを切り、手に香りがついてしまったことはありませんか。ここでは、にんにくを切るときの香り移りを防ぐ方法をご紹介します。
香りが移らなくするためには、素手や肌に直接触れないように手袋を使用するとよいでしょう。ゴム手袋にもにんにくの香りが移ってしまうので、使い捨てのビニール袋を使うことをおすすめします。
にんにくの皮をむかずに1片ずつ分けて、ジップロックなどフリーザーバッグに入れて冷凍します。冷凍する事で、汁が出にくくなり、香りが手につきにくくなります。
切る前に加熱する事で、酵素の失活を促して香気成分であるアリシンの発生を防ぐことができます。茹でたり、電子レンジで温めたりするとよいでしょう。電子レンジの場合は皮をむかずに、1片あたり600Wで20秒ほど温めます。しかし、この方法はにんにくの酵素をなくすため、調理する時のにんにくの香りも弱くなります。
忙しい料理中に手間がかけられず、どうしても普通に切ったり潰したりして手に香りが付いてしまう事もありますよね。そんな時に試したい、手についたにんにくの香りの落とし方を紹介します。
手に歯磨き粉を少量付け、こすりつけながら洗ってください。
歯磨き粉は消臭効果が強いため、石鹸などで手を洗うよりも、消臭効果が得られます。
お酢やレモンで手を洗うと、流水よりも効果的に消臭することができます。
お酢の場合は直接使わず、水と混ぜて酢水にしてから洗いましょう。そのままお酢で手を洗うと、今度はお酢の香りが付いてしまうことがあります。
また、レモンの搾りかすや100%レモン汁で洗う際は、さかむけなど手に傷がないか確認しましょう。
レモン汁は傷口にしみるので、ちょっとの傷でも強い痛みを感じることがあります。
魚臭さなどを落とす「ステンレスソープ」は、にんにくの香りにも有効です。
にんにくの臭いの原因となるアリシンが、ステンレスの金属イオンと化学反応を起こし消臭されます。
頻繁ににんにくを調理する方は、ステンレスソープを用意しておくとよいでしょう。
今回の記事では、管理栄養士が「にんにくのうま味を引き出す切り方と香り移りの対策」について解説しました。
にんにくの風味が好きだけど、正しい切り方や香り対策を知らなかった方の参考になれば幸いです。
当記事を参考に、香り高いにんにく料理をぜひ楽しまれてくださいね。