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桃アレルギーのある方は、喉や口の中の違和感や、じんましんなどの気になる症状が出る場合があります。桃アレルギーには他にどのような症状があり、どう対処したら良いのでしょうか。今回は桃アレルギーについて、管理栄養士が解説します。
桃は食物アレルギーを引き起こす可能性がある食べ物です。桃はアレルギーの症例数や重篤な症状となる方の数が相当数あることから、加工食品にアレルギー表示されることが「推奨」されています。
ただし、桃を食べたあとに起こる喉や口の中の違和感や、じんましんなどの症状が食物アレルギーによるものかどうかは、医師の診察が必要です。自己判断は避け、気になる症状があるときは医療機関を受診しましょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,消費者庁 食物アレルギー表示に関する情報
桃アレルギーは以下のような症状や検査法があります。
食物アレルギー症状の約90%は、じんましんやかゆみ、皮膚の赤みなどの皮膚症状といわれています。症状が出る時間は食後30分~2時間以内が多いとされています。
他には、
・吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状
・くしゃみ、咳、息苦しさなどの呼吸器症状
・目の充血、腫れ、かゆみ、涙などの粘膜症状
などがあり、症状は人によりさまざまです。
桃を食べたあとの口や舌、喉のかゆみや違和感など口周辺に起こる症状は「口腔アレルギー症候群」と呼ばれます。
原因となる食べ物には、桃の他にも、りんご、キウイフルーツ、マンゴー、スイカ、オレンジ、メロン、バナナなどの果物があります。
口腔アレルギー症候群は花粉症の方に多くみられることがあり、注意が必要です。これは花粉のアレルゲン(アレルギーの原因物質)と果物のアレルゲンの構造がよく似ていることが原因と考えられています。
まれに強い症状がみられることがあるため、花粉症がある方で果物を食べて症状が出たことがある方は、一度医療機関を受診しておくと安心です。
問診により食物アレルギーが疑われる場合、以下のような検査が必要に応じて行われます。
・血液検査
・皮膚プリックテスト(皮膚を介したアレルギー検査)
・食物経口負荷試験(専門医のもとアレルギーが疑われる食品を摂取して症状の有無を確認する検査)
検査を受けられる診療科は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、アレルギー科などがあります。受診したい医療機関で診察、検査をしてもらえるかどうかは事前に確認するようにしましょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版」
桃アレルギーがある場合、どのように桃と付き合っていけば良いのでしょうか。
食物アレルギーがある場合、基本的には原因食物の除去(食べないこと)が勧められます。大人の食物アレルギーは治りづらく「継続的な除去が必要な場合が多い」と考えられています。
ただし全く食べない方が良いかは、症状の程度によって異なる場合もあり、医師の判断が必要です。自己判断せず、医師に指示を仰ぎましょう。
口腔アレルギー症候群では、原因食物を加熱すると食べられるようになる場合があります。症状が口周辺のみに起こる方で、桃の缶詰やコンポートなどを少量であれば症状が出ない方もいるかもしれません。
ですが繰り返しになりますが、自己判断はNGです。人によっては強い症状がみられる場合もあるため、必ず医師に確認してください。
加工食品に卵や小麦などアレルギーの原因となる食品が使われている場合、アレルギー表示が義務付けられています。ですが桃は表示が義務付けられておらず、「推奨表示」となっています。そのため必ず記載されているとは限りません。
桃アレルギーのある方は、加工食品に桃が入っている可能性が考えられる場合は慎重に確認しましょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版」,消費者庁 食物アレルギー表示に関する情報
桃アレルギーはあまり聞きなれないかもしれませんが、さまざまなアレルギー症状をもたらすことがあります。しかしアレルギーと思ったら体調不良だった…などの可能性も考えられるため、自己判断せず、体調に異変を感じたときは医療機関を受診してくださいね。