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「サラダや付け合わせに、なじみがない紫色の野菜が出てきた」という経験はありませんか?もしかしたらその正体は「トレビス」かもしれません。
トレビスとは、ヨーロッパなどが原産の葉野菜で、最近では日本で食べられることも増えてきました。今回の記事では、まだまだ知らない方も多いであろうトレビスについて、管理栄養士がくわしく解説していきます。
トレビスは、ヨーロッパや北アフリカが原産だといわれており、現在はイタリアを中心に栽培されています。日本でも栽培されており、輸入されるものとあわせて通年出回っていますが、旬は11月〜3月ごろです。
トレビスの葉はやわらかく、サクサクとした食感を楽しめます。食べたときにやや苦みを感じるのが特徴です。
苦みは加熱すると増してしまうので、苦みを抑えたい場合には火を通さずに食べるようにしましょう。
ひとくちにトレビスといっても、品種はさまざまです。
一般的にトレビスといえば、赤紫色で球体の「ラディッキオ」「キオッジャ」と呼ばれるものを指します。そのほかにも細長い形の「タルティーボ」や、クリーム色の葉に赤紫色の斑点がみられる「カステルブランコ」もトレビスの仲間です。
トレビスは、品種によって葉の巻き方や色などが大きく異なるため、見た目にも楽しい野菜です。機会があればぜひ、その違いにも注目してみてくださいね。
※参照:霜村春菜,2018年「改訂10版 野菜と果物の品目ガイド」農経新聞社,JAグループ「秋・冬の旬野菜 トレビス」
トレビスと紫キャベツはとても見た目が似ているため、間違えてしまう方も多いでしょう。しかし、トレビスは葉脈が真っ白であるのに対し、紫キャベツは葉脈まであざやかな赤紫色をしています。
トレビスはキク科、紫キャベツはアブラナ科に属しているという違いもあります。キク科の野菜といえば、春菊やレタスなど。つまりトレビスは紫キャベツよりも、春菊やレタスに近い野菜であるといえるでしょう。
また、トレビスと紫キャベツがそれぞれどのような料理に使われるか注目してみましょう。トレビスは加熱すると苦みが増すため、日本では生のまま食べられることが多く、火を通して食べられることはあまりありません。しかし、紫キャベツはサラダや酢漬けにするほか、ロールキャベツなどの煮込み料理やスープに使われることも。
「加熱してあれば紫キャベツ」というわけではないですが、定番の調理法が少し異なることもトレビスと紫キャベツの違いのひとつです。
日本では生で食べることが多いトレビスですが、ヨーロッパではリゾットやパスタなど火を通して食べる料理にも頻繁に使われます。そこでここでは、トレビスのおすすめの食べ方をいくつか紹介します。
苦みが苦手な方や、子どもと一緒に食べるときは、サラダやマリネなど、火を通さない料理にするのがおすすめです。さっぱりとした口当たりであるため、肉料理など油っこい料理の付け合わせにもピッタリです。
トレビスを色よく仕上げるポイントは、カットするときに包丁を使うのではなく、手でちぎること。包丁でトレビスを切ると細胞が押しつぶされてしまい、鉄分の影響で苦みが強くなったり、切り口が変色したりする可能性があります。
苦みが強くてもかまわなければ、フライパンで炒めたり、オーブンでグリルしたりと、火を通して食べるのもよいでしょう。料理に添えるとお皿の上がグッと華やかになります。トレビスの苦みは酸味の強い味付けと相性バツグンなので、フレンチドレッシングなどをかけて食べるのもおすすめです。
トレビスの生産量が多いイタリアでは、リゾットに使うのが王道です。トレビスの赤紫色の色素成分「アントシアニン」が溶け出し、赤みがかったかわいらしい見た目に仕上がります。
トレビスを購入するときは、以下のポイントをチェックしてみましょう。
・葉がみずみずしく、しおれていない
・あざやかな赤紫色をしている
・葉脈が真っ白で、変色していない
・表面が傷ついていない
・切り口の変色が少ない
このような条件に合えば、新鮮である証拠です。
購入したトレビスはラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ただし、冷蔵保存の場合、日持ちはあまりせず、2日ほどといわれています。長期保存をしたい場合は、1枚ずつかためにゆで、冷凍保存するのがおすすめです。
日本ではまだなじみのうすいトレビスは、ほろ苦い味わいとあざやかな見た目が魅力の西洋野菜です。手に入れる機会があればぜひ、今回紹介した情報を参考にしながら、自宅でもトレビスを使った料理にチャレンジしてみてくださいね。