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コンビニやスーパーでも市販されているレモン水。「ダイエットによい」「デトックス効果がある」などと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。レモン水にはダイエットや健康によい効果が期待できるのか、管理栄養士が解説します。あわせて自宅で簡単にできるレモン水の作り方も紹介しますので、気になる方は参考にしてみてくださいね。
レモン水とはレモンの果肉を漬け込んだり、果汁を混ぜたりすることで水に風味づけをしたものです。ほのかに感じる酸味と香りが魅力で「フレーバーウォーター(デトックスウォーター)」のひとつとして人気を集めています。
レモン水を飲むと、わずかではありますがレモン由来の栄養素を摂ることができます。ここで、レモンに含まれる代表的な栄養素を紹介します。
レモンのビタミンC量は100gあたり100mgと、フルーツの中でもトップクラスです。ビタミンCは肌の弾力やツヤを生み出すコラーゲンを作り出すのに役立ちます。
またビタミンCは強い抗酸化力を持ち、シミの原因となるメラニンの生成を防ぐ効果が期待できます。健やかな肌を手に入れるために欠かせない栄養素のひとつです。
レモンの酸味は「クエン酸」によるもので、エネルギーの代謝をサポートする働きがあります。クエン酸は「疲労回復を助ける効果が期待できる」とされる一方で、現段階では人における有効性についてデータが十分ではないともいわれており、引き続き研究が続けられているようです。
※参照:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報」
レモン水について「ダイエットによい」「リフレッシュ効果がある」「デトックス効果がある」などさまざまなウワサが飛び交っています。健康効果を期待して普段から飲んでいるという方もいらっしゃるかもしれません。実際にレモン水にはどのような効果が期待できそうなのか、詳しく解説します。
2020年に発表された研究で「食前にレモン水を飲むと、食後血糖値の上昇を緩やかにすることができた」という報告がありました。レモン水に食後血糖値の急上昇を抑える効果があるのではないか、ということです。
ただし実験の条件や対象者が限定的だったこともあり、あらゆる食事パターンやすべての年齢の人に当てはまるとは今の段階では断言できません。これからも検証を続けていくということで、今後の研究によるレモン水の効果・効能の発見が期待されています。
※参照:八木雅之、上中詩央里ほか(2020)「レモン果汁と米飯の摂取が食後血糖値に及ぼす影響 」Glycative Stress Research 2020;7 (2): 174 -180
今のところ「レモン水を飲めば体重が減る」「代謝が活発になる」など、健康な人に対する効果・効能についての研究は世界的にも十分ではありません。
しかしレモンの風味があることで「通常の水より飲みやすい」「サッパリした後味が好き」などと感じる方も多いでしょう。ダイエット効果や体質の改善を期待して飲むというよりは、飲み物のバリエーションのひとつとしてレモン水の風味や香りを楽しむのがよさそうですね。
スッキリとした味わいで、ゴクゴク飲みやすいレモン水ですが、飲む際に気を付けてほしいいくつかの注意点があります。
コンビニやスーパーでは無色透明なレモン水が市販されています。ミネラルウォーターと同じような見た目なので「カロリーは含まれないだろう」と何気なく手に取ってしまいますが、商品によっては飲みやすくなるように糖分が添加されていることも。
習慣的に飲むようであれば、カロリーの摂りすぎにつながるおそれがあります。市販のレモン水は成分表示をチェックしながら、できるだけカロリーの低いものを選ぶように心がけましょう。
レモンは強い酸性を示すことから「酸蝕症(さんしょくしょう)」の原因となりやすい食材だといわれています。酸蝕症とは、酸の影響で歯が溶けてしまう症状のこと。水で薄めているとはいえ、レモン水の飲みすぎは禁物です。
また時間をかけて飲むことも、酸が歯を刺激する原因となります。レモン水のだらだら飲みは避けるようにしましょう。万が一歯に不調を感じた場合にはレモン水の摂取をやめ、早めに歯科医院を受診してくださいね。
続いて、自宅でも簡単にできるレモン水の作り方を2つ紹介します。
レモン果汁は生レモンを絞ったものを使用しても、市販のレモン果汁を使用してもかまいません。
1. レモン1/2個を絞る(市販のレモン果汁大さじ1で代用可能)
専用の絞り器を使うと簡単に絞ることができます。絞り器がない場合は、フォークで切り口に穴をあけながら、ギュッと絞りましょう。
2. 水200mLをコップに注ぎ、レモン果汁を加えよく混ぜる
レモンの量は好みによって濃さを調整しましょう。
海外産のレモンは搬送中にカビが生えるの防ぐ目的で、添加物である「防カビ剤」が使用されます。防カビ剤の量は国が定めた基準を下回る量(健康に影響を及ぼさないとされる量)ではありますが、気になる方は防カビ剤の使用されていない国産のレモンを選ぶとよいでしょう。
※参照:東京都福祉保健局「輸入のレモンやグレープフルーツに防かび剤が大量に使われていると聞きましたが、体に悪い影響はないのでしょうか?【食品安全FAQ】 」
1. レモンを3~4枚ほどスライスする
レモンをよく洗ったら、5mm幅くらいにスライスした輪切りレモンを3~4枚ほど用意します。残ったレモンは使わないので、ラップで包み野菜室で保存しておきます。
2. ウォーターボトルに水を1リットル用意する
3. スライスレモンを入れ、冷蔵庫に半日ほど置く
水の中にスライスしたレモンを入れ、しばらく冷蔵庫に入れておけば完成です。
保存期間は2日程度。作ったあとはできるだけはやめに飲み切るようにしましょう。お好みでレモンの量を変えたり、ミントを加えたりしてもおいしくいただけます。
近ごろ注目を集めるレモン水。ダイエット・デトックス効果などは認められていないものの、サッパリとした味わいで親しみやすいフレーバードリンクです。実は作り方もとても簡単なので、カロリーが気になる方や自分なりのアレンジを楽しみたい方は、ぜひ手作りレモン水も試してみてくださいね。