秋の味覚の1つである柿。カットしてそのまま食べるのはもちろん、サラダやシャーベット、干し柿にしてもおいしく、案外アレンジの幅が広いフルーツです。そんな柿はビタミンやミネラルがたっぷり!美肌づくりや二日酔いの解消にも効果が期待できるといわれています。そこで今回は、魅力たっぷりな柿の栄養成分を、管理栄養士が紹介します。

柿に含まれる栄養素は?

柿にはいったいどのような栄養素が含まれているのでしょうか?注目したい柿の栄養成分をご紹介します。

美肌に役立つ「ビタミンC」が豊富!

柿はビタミンCが多く含まれるフルーツです。
ビタミンCは皮膚のハリや弾力を保つといわれるコラーゲンの生成を促進します。また、シミのもとであるメラニン色素の合成を抑える働きもあるので、美しい肌を作るためには欠かせません。

柿は品種の違いにより、収穫の時点で渋みが抜けている「甘柿」と、渋みが残ったままの「渋柿」に大きく分けられます。
ビタミンCの含有量は、甘柿100gあたり70mg、渋柿100gあたり55mgです。柿1個あたり約200gなのでこの倍の量のビタミンCが含まれることになります。

ビタミンCが多いイメージの柑橘類と比較すると、以下のとおり。

みかんやいよかんと比べると、柿の方が2倍以上のビタミンCを含んでいることが分かります。柿はさまざまな柑橘類よりも多くのビタミンCを摂ることができるといえます。

なお、生の柿にはビタミンCが豊富ですが、生柿を干して乾燥させた「干し柿」にはほとんど含まれません。干し柿にすると、ビタミンCは100gあたり2mg、1個(37g)あたり1mgと、大幅に減少してしまいます。ビタミンCをムダなく摂りたいという場合には、干し柿は避け、甘柿や渋柿を選ぶことをおすすめします。

二日酔いの解消に有効な「タンニン」も!

柿には、タンニンというポリフェノールの一種が含まれます。タンニンは柿の渋み成分で、私たちの身体の中でアルコールの分解を促進する働きがあるといわれています。つまり、二日酔いの解消に効果が期待できるというわけです。

タンニンは渋みのもととなる成分ですが、実は渋みのない甘柿にも含まれています。

そもそもタンニンの渋みは、タンニンが口の中の水分に溶けたときに感じます。もともと水に溶ける性質のタンニンは、甘柿が成長すると水に溶けにくい性質に変わります。そのため収穫した甘柿ではタンニン自体が無くなることはないものの、ほとんど口で溶けることがないため、舌が渋みを感じないのです。

収穫時点では渋みの残っている渋柿は、おいしく食べるために渋抜きという処理が欠かせません。アルコールや炭酸ガスを使って渋抜きをすることで、タンニンを水に溶けにくい性質に変え、渋みを抜いてます。また、渋柿を干し柿にするというのも、渋抜きの方法の1つです。

その他の栄養成分は?

ビタミンCやタンニン以外に多く含まれる柿の栄養成分をご紹介します。

カリウム

カリウムとはミネラルの一種。身体の水分バランスを調整し、食事などで摂りすぎた塩分(ナトリウム)を身体の外に排出します。これらの働きにより、むくみや高血圧の改善・予防が期待できます。

柿に含まれるカリウムは、甘柿1個(200g)あたり340mg、渋柿1個(200g)あたり400mg、干し柿1個(37g)あたり248mgです。カリウムは水に溶けやすい性質があるので、水にさらさずに食べることの多い柿はムダなくカリウムを摂るにはうってつけの食材です。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは、身体の中でビタミンAに変換されて働きます。ビタミンAは皮膚を健やかに保ち、粘膜を強くする栄養素。また、ビタミンAは強い抗酸化作用を持つ栄養素としても広く知られています。

抗酸化作用とは、身体の中で作られすぎると細胞や遺伝子にダメージを与える活性酸素を抑えてくれる作用のこと。日ごろから抗酸化ビタミンであるβ-カロテンを積極的に摂ることで、細胞が傷つくことによる肌の老化を防ぐことが期待できますよ。ビタミンCと同じく、美肌のためには摂っておきたい栄養素の1つです。

甘柿1個(200g)あたり320μg、渋柿1個(200g)あたり200μg、干し柿1個(37g)あたり137μgのβ-カロテンが含まれます。

食物繊維

食物繊維は便の材料となるため、便通を整えるためには摂っておきたい栄養素。また、食事からのコレステロールの吸収を抑えたり、食後血糖値の上昇をゆるやかにしたりする働きもあります。

甘柿1個(200g)あたり3.2g、渋柿1個(200g)あたり5.6g、干し柿1個(37g)あたり5.2gの食物繊維が含まれます。特に干し柿は加工の過程で水分が抜ける分、少ない量でもしっかりと食物繊維が摂ることができますよ。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

柿のカロリーは?

ここまでさまざまな柿の栄養成分について紹介してきましたが、カロリーはいったいどのくらい含まれるのでしょうか?

甘柿・渋柿・干し柿のカロリー

柿のカロリー(エネルギー量)は以下の通りです。

100gあたりで比較すると、甘柿63kcal、渋柿59kcal、干し柿274kcalと、干し柿が群を抜いて高カロリーです。
ただしこれは、乾燥させることで柿の水分が失われ、軽くなることが影響しているから。1個あたりの数値に当てはめてみると、干し柿が最も低カロリーとなります。
とはいえ、何個も手が伸びてしまってはカロリーの過剰摂取になるので注意が必要です。

よく食べるフルーツと比較

続いて、よく食卓にあがるフルーツとカロリーを比べてみましょう。なお、水分が少ない分カロリーが高くなる干し柿は除いて比較をしています。

甘柿・渋柿は、今回比べたフルーツの中では中くらいのカロリーであることがわかりました。バナナ(100gあたり93kcal)より低く、いちご(100gあたり31kcal)・みかん(100gあたり49kcal)よりは高いカロリーになります。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

身体にうれしい栄養素が多いものの、食べ方には要注意!

ビタミンCやタンニンなどが豊富な柿ですが、食べる際に注意してほしい点もあります。

タンニンによる悪影響も……

前述のように二日酔いの解消に役立つタンニンですが、鉄の吸収を悪くするというデメリットもあります。食事で摂った鉄の吸収を妨げることで身体が鉄不足の状態になると、貧血を引き起こしたり、便をかたくして便秘を誘発したりする恐れも。

タンニンの影響をできるだけ受けないようにするには、食事と一緒に食べるのは避け、食後2~3時間ほど経ってから食べるとよいでしょう。

ダイエット中であれば、カロリー面でも要注意

健康や美容にうれしい効果が期待できる柿ですが、フルーツの仲間なので比較的糖質も多く含まれます。そのため、柿の食べ過ぎはカロリーオーバーにつながりかねません。
柿以外にフルーツを食べない場合には、甘柿・渋柿で1日1個(約200g)程度、干し柿で1日2個(約74g)程度に留めると安心ですよ。

栄養豊富な柿は料理に使ってもおいしい!

栄養豊富な柿ですが、みなさんは、普段柿をどのようにして食べていますか?皮を剥いてカットしたら、そのまま楽しむのがスタンダードな食べ方ですよね。
しかし意外にも、柿はアレンジの幅がとても広いフルーツ。カットしてそのまま食べる以外にも、おすすめのアレンジがあるのです!

たとえば、サラダやなます、白和えにすると柿のオレンジ色が際立ち、自然な甘さを感じることのできる1品になります。また、柿を生ハムやチーズと組み合わせると、柿の甘さと生ハムやチーズのしょっぱさが相性抜群なおつまみに。さらに、熟しすぎた柿は冷凍してしまえば、シャーベットのように楽しむことができますよ。いつもの食べ方に飽きたらぜひ、アレンジを取り入れてみてくださいね。

秋の味覚・柿は健康や美容にも役立つフルーツ!

毎年何気なく食べているかもしれませんが、実は柿には魅力的な栄養成分がたくさん詰まっています。たくさん購入したときも、料理などに活用すればきっと飽きずに楽しめるはず。これから旬を迎える柿で秋の季節を感じながら、健康や美容にも役立てましょう!

情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 美肌や二日酔い解消にも!秋の味覚・柿の栄養成分を管理栄養士が解説