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春の日差しをたっぷり浴びて旬を迎える山菜、わらび。クセのある味や食感が特徴的な食材ですが、おいしくいただくにはアク抜きが欠かせません。この記事では初心者でも失敗しないわらびのアク抜き方法について解説します。
わらびや菜の花がほろ苦いように、多くの山菜は苦味やえぐみを持っています。この不快な味の成分のことを「アク」と呼びます。わらびは特にアクの強い山菜なので、アク抜きをせずに使うと料理全体の味を損ねてしまいかねません。また、わらびはプタキロサイドと呼ばれる発がん性物質を含んでおり、アク抜きをすることで取り除くことができます。
適切なやり方でわらびのアク抜きをして、美味しく春の味を楽しみましょう。
わらびのアク抜きは重曹を使うのが一般的ですが、重要なのは「お湯の温度」と「重曹の量」です。これは、お湯の温度が高すぎるとわらびが溶けて食感が悪くなり、重曹が多くなりすぎると重曹の苦味が出てしまうためです。
必ず火をとめて粗熱を取ってからわらびを加え、重曹の量が多くなりすぎないよう計量スプーンで正確に量るようにしましょう。
それでは、わらびのアク抜き方法を解説します。
わらび...250g
水…500ml
重曹…3g(小さじ1/2杯)
1. 根元の硬い部分を2cmほどカットし、穂先を手で取り除いてから水洗いする
2. 大きめの鍋に水と重曹を入れて沸騰させる
大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したら重曹を入れ溶かします。重曹の分量は、水1リットルに対して小さじ1程度です。
3. お湯の粗熱がとれたら、わらびを入れて一晩つける
4. 水を捨てる。黒っぽいアクが出なくなるまで、水を入れ替えながら水にさらす
5. 流水で洗う
水にアクが出なくなったら取り出し、流水でよく洗います。
重曹水につけて一晩経つと、わらびをつけている水がアクで真っ黒になります。この水を2回から3回交換してあげる事で、次第に水が澄んでアクが取れてきます。
アク抜きを行った後、実際に食べてみて渋みやピリピリ感がなくなっていれば、きちんとアクが抜けていると判断できます。
アク抜きに失敗してしまうと、わらびの食感が損なわれたり、渋みが残ってしまったりする可能性があります。渋みが残っている場合は、そのまま水に1日つけておきましょう。数時間おきに何度か水を換えると、よりアクが抜けやすくなります。
わらびのアク抜きには灰を使うこともできます。重曹の場合、入れる量を間違えるとアクが抜けきらなかったり苦みが出たりしますが、灰の場合は香りと味を損ないづらく、風味良く仕上がります。
わらび...200~250g
灰...50g
水...1000ml
灰を使ってアク抜きを行う場合も、重曹のときと同様に根元と穂先を取り除きます。わらびの切り口と全体に灰をつけたら鍋に入れ、別で沸かしたお湯をかけて一晩つけておきます。つけおき後は流水で洗い流し、黒っぽいアクが水に出なくなるまできれいな水に数回さらします。
重曹も灰もすぐに用意できないときは、小麦粉でアク抜きすることもできます。
わらび…200g
小麦粉…大さじ4
塩…小さじ2
水…1000ml
水に小麦粉と塩を加えてよく溶かした後、火にかけて沸騰させます。わらびを加え、弱火で2〜3分程度ゆでます。茹でたわらびをザルに上げて冷水に10分程度さらし、流水で洗い流せばアク抜き完了です。
わらびは長時間茹でると溶けてしまうので、茹で時間に注意しましょう。
小麦粉でのアク抜きは、短時間で小麦粉にアクが吸着するため手軽に行うことができます。
また、アク抜き後も重曹特有の苦味がでにくいメリットがありますが、一般的に綺麗に食感良くアクが抜けるのは「重曹によるアク抜き」と言われています。
アク抜きをしたわらびは、そのまま保存するか、味付けをして食べることができます。料理に使う際も下茹では必要ありません。苦味やかたさが気になる場合のみ、調理前に下茹ですることで仕上がりがよくなります。
わらびは扱いが大変なイメージがあるかもしれませんが、実際に作業する時間はとても短く、やり方をマスターすれば簡単にアク抜きできます。季節限定で楽しめるわらびを上手にアク抜きして、美味しく調理してくださいね。