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皮付きのたけのこを手に入れた場合、どうアク抜きするのが正解なのでしょうか?基本は米ぬかや唐辛子を使ってじっくりと下茹でしますが、できれば簡単にできないかと考える方も多いはず。この記事では、米ぬかを使った基本のアク抜き方法だけでなく、重曹や米の研ぎ汁を使った方法についても解説します。
たけのこのアク抜きをする際は、いくつかのコツを知っておくと失敗なく下処理できます。
たけのこは手に入れたらすぐに茹でてアクを抜きましょう。たけのこは時間が経つごとにアクが増えてしまい、えぐみが出て苦味やピリっとした刺激を感じやすくなってしまいます。
アクが増えてしまう前に、手に入れた当日、または遅くとも翌日にはアク抜きしましょう。
たけのこは皮がついたまま茹でる方がアクが抜けやすく、たけのこがやわらかく仕上がるといわれています。外側の数枚だけ剥き、残りは皮がついたまま茹でましょう。
もし大きい鍋がなく皮付きのまま茹でられない場合は、皮を剥いてしまっても大丈夫です。アクが抜けない、食べられないくらい硬く仕上がってしまう、ということはないので、状況に合わせて皮を剥く・剥かないを選択しましょう。
たけのこを茹で終わったら、鍋から取り出さずにそのまま放置して冷まします。冷ましている間にゆっくりとアクが抜けていきます。
冷めるのには4~5時間以上かかるため、時間に余裕を持ってアク抜きしましょう。一晩そのまま放置してもOKです。
結論からいうと、たけのこが新鮮であれば必要ない場合もありますが、スーパーなどで手に入るものは収穫から日が経っていることもあるため、米ぬかや米の研ぎ汁、重曹を用意してアク抜きする方がいいでしょう。
たけのこのアク抜きでは、これらを使って茹でることで、アクやえぐみが抜けるのを助けてくれます。
たけのこのアクの主な成分はシュウ酸といいますが、米ぬかや研ぎ汁に含まれるカルシウムと結びついて、アクを減らす効果が期待されています。また米ぬかや米の研ぎ汁、重曹を使って茹でることでたけのこがやわらかくなるため、シュウ酸が溶け出やすくなります。
さらに、えぐみの成分は主にホモゲンチジン酸というものです。これが酸性であるため、アルカリ性である米ぬかや米の研ぎ汁、重曹がホモゲンチジン酸を取り除くのを助けてくれるのです。
まずは米ぬかを使った基本のアク抜き方法を解説します。赤唐辛子は米ぬかの臭みを軽くしてくれるので、ある場合は一緒に入れましょう。
皮付きたけのこ…2~3本
米ぬか…約1カップ
赤唐辛子(あれば)…1本
※たけのこの本数に合わせて米ぬかの量を増減してください
1. たけのこの外側の皮を2~3枚はぐ。根元に硬い部分が残っていれば切り落とし、穂先は5cmほど斜めに切り落とす。縦に1~2cmほどの切り込みを入れる。
2. 鍋にたけのこを入れ、しっかり浸かるくらいの水(分量外)を入れる。米ぬか、唐辛子を入れ中火~強火にかける。
3.沸騰したら弱火にし、落とし蓋をして1時間ほど茹でる。
たけのこが浮いてこないように、落とし蓋は重みのあるものを使いましょう。落とし蓋がない場合は、一回り小さい鍋のフタや耐熱皿でも代用できます。
4. 1時間ほど茹でたら、たけのこの硬い部分に竹串を刺してみて、スッと通るようであれば火を止めてそのまま冷ます。硬いようであればさらに15~30分茹でて様子を見る。
5.完全に冷めたらたけのこを取り出し、水洗いして皮を剥く。
6. 下に硬い部分が残っていたら、包丁で切り落とす。
保存は水につけた状態で冷蔵庫で保存しましょう。水は1~2日おきに変え、1週間を目安に使い切ってください。
次は重曹を使ったたけのこのアク抜きです。重曹を使う場合は時短でき、米ぬかを使うより洗い物も楽に済みます。
重曹を使う場合は、たけのこを半分に切ってアク抜きできるので、火の通りが早くなって時短に繋がります。米ぬかだと、半分に切るとぬかが中まで入り込んでしまいますが、重曹だとその心配がありません。
たけのこ…必要な本数
重曹(食品用)…水1リットルに対し小さじ1
1. たけのこの外側の皮を2~3枚はぐ。穂先と根元の硬い部分を切り落とし、縦に半分に切る。
2. 鍋にたけのこを入れ、たけのこがしっかり浸かるくらいの水(分量外)を計量しながら入れる。水の量に合わせて重曹を入れ、強火にかける。
重曹を入れ過ぎるとたけのこの変色が強くなったり、重曹の味が残ったりしてしまいます。必ず計量しましょう。
3. 沸騰したら、沸騰が続く程度の弱火にし、落とし蓋をして30~40分茹でる。
4. たけのこの硬い部分に竹串を刺し、スッと通るようであれば火を止め、そのまま冷ます。硬いようであればさらに10分ほど茹でて様子を見る。
5. 完全に冷めたらたけのこを取り出し、水洗いして皮を剥く。保存は水につけた状態で、冷蔵庫で保存する。
米の研ぎ汁や生米を使う場合、方法は米ぬかを使う場合と同じでOKです。時短したい場合は、縦に半分にカットして茹でてください。
たけのこを2~3本アク抜きしたい場合であれば、米の研ぎ汁なら2~3合分の米を研げば十分な水の量になります。生米ならひとつかみ(約1/4カップ)の米を入れてたけのこと一緒に茹でます。どちらの場合も、たけのこの本数によって増減してください。
ただし無洗米の場合、米ぬかがついていないのでアク抜きには使えません。必ず普通の米を使いましょう。
米ぬか、または重曹でアク抜きをした場合、仕上がりにどのような差が出るのでしょうか。見た目と味を比較してみます。
見た目は、重曹を使ったものは茶色く変色していますが、米ぬかを使ったものはきれいに仕上がりました。重曹の変色が気になる場合、変色した部分を切り落とすといいでしょう。
食べてみると、米ぬかを使った方がたけのこの香りや甘味が残っており、米ぬかのやさしい風味も感じられました。重曹の方もたけのこの香りは残っており、おいしく仕上がっていますが、米ぬかに比べるとやや劣る印象です。
アクはどちらもきちんと抜けていたので、仕上がりの好みに応じて米ぬかと重曹を使い分けるとよさそうです。
たとえば、きれいに風味よく仕上げたい場合や、たけのこご飯などのたけのこの香りを活かした料理に使いたい場合は米ぬかで。濃い口しょうゆなどで甘辛く煮物にする場合など、風味や見た目を気にしなくてよい場合は重曹で、といった風に使い分けるといいでしょう。
アク抜きしたのにえぐみが残ってしまった場合でも、そのまま食べて問題ありません。ただしアクの成分であるシュウ酸が多く残っている可能性があり、シュウ酸のとり過ぎは尿路結石症の一因となります。気になる方は、たくさん食べるのは控えておきましょう。
そのまま料理に使う場合は、濃いめの味つけにするか、油を使って調理するとえぐみが気になりにくくなります。
または、もう一度アク抜きをすることでえぐみを減らすことができます。たけのこの風味は減ってしまいますが、えぐみが減る分食べやすくなります。米の研ぎ汁や重曹を使い、再度茹でてみましょう。
旬のたけのこは風味がよく、ほんのりと甘みも感じられ、春ならではの味わいが楽しめます。手に入ったらすぐにアク抜きをして、おいしいたけのこをさまざまな料理で味わってくださいね。