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テレビなどで目にする機会が増えたイデコ(iDeCo)。平成29年の法改正で、加入対象者の範囲が広がり、専業主婦や公務員の加入も可能になりました。さらには、平成30年の改正で使い勝手も良くなっています。ここからは、イデコの制度概要やメリット・デメリットについて、主婦でありFP(ファイナンシャルプランナー)でもある著者が分かりやすく解説いたします。
年末が押し迫ると、2021年はどんな年にしよう??といろいろ計画を立てたくなりますよね。
特にライフプランを見通した貯金計画は、落ち着いた冬休みにしっかり考えたいもの。2021年、お金がたまる一年にするために、ぜひ考えてみたいのが「イデコ=個人型確定拠出年金」です。
イデコの正式名称は「個人型確定拠出年金」です。自分の年金を自分で作る制度で、60歳まで毎月(もしくは毎年)お金を積み立て、さらには運用することも可能です。積み立てたお金は60歳から年金として受け取ることができます。受け取り予定期間は5年以上20年以内で、任意で決めることができます。例えば5年にすると、積み立てたお金を60歳~65歳まで5年に分けて受け取る形になります。
加入できるのは20歳以上60歳未満の方で、フルタイムの会社員の他、パート勤めや専業主婦でも加入は可能です。ただし、それぞれ「拠出上限(毎月積み立てできる金額の限度)」が決まっており、例えば専業主婦や会社に企業年金制度がない方は月々2万3,000円(年間27万6,000円)、公務員は月々1万2,000円(年間14万4,000円)、自営業は月々6万8,000円(年間81万6,000円)となっています。基本的に銀行口座から引き落としで積み立てを行います。
拠出額は月々5,000円以上から1,000円単位で決めることができ、積み立ての途中で金額を変更したり、拠出を止めたりすることもできます。しかし60歳まではお金を引き出すことはできません。
先にも述べましたが、イデコで積み立てたお金は運用することが可能です。運用先は株式(国内・海外)や債券(国内・海外)、預貯金や保険など自分で選ぶことができます。運用商品は申し込みをする金融機関で異なるので、申し込みをする前にどんな運用商品があるのかチェックしましょう。うまく運用すれば、自分の老後の資金目標に向けてお金を「増やす」ことも可能です。
積み立て期間中は、積み立てた全額が「所得控除」の対象となり、毎年の支払い税金は安くなります。ただし、ご自身で税金を支払っていない方には残念ながらこのメリットはありません。しかし、その他にも税制上のメリットはあります。
老後に受け取ったお金は「公的年金控除」が適用されるので、公的年金と合わせて65歳未満は年間70万円、65歳以上は年間120万円までは税金がかかりません。
冒頭でも述べましたが、老後のための資金なので途中で使うことができません。ライフプラン上で住宅購入や教育費などに影響のない範囲で、「老後まで使わないであろう資金」で積み立てをする必要があります。
前述の通り、積み立てたお金は運用されます。過去の運用実績、ご自身の価値基準に従って商品を選定する必要があり、それによって将来の受取額が変わります。積み立てた資金が増えることもあれば、減ることもあるので商品選びは慎重に行うことが必要です。
イデコに加入する場合は、金融機関(銀行、保険会社、証券会社)にて申し込み手続きを行います。金融機関によって取り扱っている運用商品は異なるので、希望する運用商品がある金融機関を選びましょう。
というステップで加入が可能です。加入時や拠出時・受取時には手数料が必要で、加入時に2,777円、掛け金の納付時に103円(1回ごと)という手数料はどこの金融機関でも共通ですが、それ以外に必要な手数料もありますので加入する前に金融機関で確認してみて下さい。年間で必要な手数料のイメージは、およそ5,000円以内です。また、商品それぞれにも資産残高に対して数%の信託報酬(手数料の一つ)がかかりますので、手数料以上にリターンがある商品を選ぶことが大切です。
書類を書いたり運用先を選んだりと、面倒と思うかもしれませんが、国が準備してくれた老後資金対策の制度です。ぜひ参考になさってください。
※当記事は2018年6月現在の法令・通達等に基づいて作成しております。