- 週間ランキング
使い慣れた湯呑みやコップについた茶渋は、スポンジで擦ってもなかなか落ちにくいもの。綺麗に落とすには何を使えばいいのでしょうか?今回はしつこい茶渋を落とす9つの方法をご紹介。それぞれの方法を実際に試してみて、汚れの落ちやすさについて解説します!
ちゃんとコップを洗っているつもりでも、気がつくと付着している茶渋。この茶渋の正体は「ステイン」といわれています。ステインは、お茶やコーヒーに含まれるタンニン(カテキンやポリフェノール)が、タンパク質や水に含まれるミネラルなどのわずかな金属イオンと結びつき、付着したものです。
タバコやワインなどで歯が黄ばんでしまうのも、実はステインが原因。歯と同様に、マグカップなど薄い色合いのものは、汚れも目立ちやすくなります。
つまり、茶渋は色だけでなく、汚れが付着しているということなのです。汚れ、水分、そして一定の温度の条件が整うと、その場所には雑菌が繁殖してしまう恐れがあります。水筒など、洗うのに手の届きにくい所は特に要注意。茶渋を見つけたら早めに落としておきましょう。
茶渋の落とし方にはいくつか方法があり、実際に色々試してみました。大きく、つけ置きするか、擦り落とすか、の2つに分かれます。今回はその両方を様々な方法で検証し、筆者の主観で、それぞれの方法の「お手軽さ」「かかった時間(短いほど評価高)」「汚れ落ち度」を星5つで判定してみました。
ハイターなどの塩素系漂白剤を使うと、簡単に茶渋を除去することができます。液体や泡などの種類がありますが、用途によって使い分けてみても。茶渋を取り除くだけでなく、ステンレスの水筒などの手の届きにくい場所の除菌やニオイ取りも一緒にできます。
マグカップや水筒の奥など短時間でサッと茶渋を落としたい時は、花王の塩素系漂白剤「キッチン泡ハイター」が簡単でオススメです。
【泡スプレーの使い方】
1. 汚れに直接、キッチン泡ハイターをかける
2. 5分放置
3. しっかりと洗い流す
この方法では、茶渋はすぐに取れました。つけ置きの中ではもっとも手間が少なく短時間で取れる方法です。
ただし、コップの上の縁の茶渋は、泡が垂れて定着しなかったので、茶渋が少し残ってしまいました。垂れないようラップを被せるなどの対策が必要です。
お手軽さ:★★★★☆
かかった時間:★★★★★
汚れ落ち度:★★★★★
お茶の急須などの注ぎ口の奥や、家族分一気に茶渋を取りたい時などは、液状の塩素系漂白剤でつけおきが便利です。
【液タイプのつけ置き方】
1. 容器に40℃以下のぬるま湯と塩素系漂白剤を入れて混ぜる(目安:1Lの水に対し10mlの塩素系漂白剤)
2. 30分〜1時間つけ置きをする
3. しっかりと洗い流す
塩素系漂白剤は、本来は水を使用するように記入されていますが、実際は冷水よりも40℃くらいのぬるま湯の方が短時間で効果があらわれます。なお、熱湯を使うと蒸気で塩素を吸い込んでしまい、とても危険なのでやめましょう。
茶渋汚れが強めの凹凸柄のコップは、30分では落ちず、1時間つけてみると、ツルッと綺麗に茶渋が取れていました。取れないときは、つけ置きの時間を延ばして様子をみてみましょう。
ただし、長い時間のつけ置きは、デメリットがあるので気をつけなければなりません。長い時間つけ置きしすぎてしまうと、腐食劣化が始まり、素材自体に独特のニオイが染み込んで取れなくなる可能性もあります。そうなるとせっかくの茶渋取りも台無しです。また、洗う際も漂白剤が残らないよう、しっかりと洗い流しましょう。つけ置きは、2時間までを限度としましょう。
塩素系漂白剤はとても強力な洗剤なので、手荒れを引き起こす可能性があります。洗う際は、ゴム手袋等使用するのがおすすめ。また、プールのような独特のニオイがあります。換気をしてニオイが籠らないようにしましょう。
使用する食器の素材についても注意が必要です。ステンレス以外の金属や、メラミン食器(お子さんの食器などよく使われる軽くて割れない食器)も劣化するために使えません。また、酸性の洗剤と合わせると、有毒ガスが発生してしまう恐れがあり、大変危険です。取り扱いには十分注意しましょう。
お手軽さ:★★★☆☆
かかった時間:★★★★☆
汚れ落ち度:★★★★★
ハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤は非常に強力ですが、一方でマンションなどで備え付けとなっているディスポーザー(生ごみ粉砕機)では使用不可のものも。また、塩素系の独特なニオイが苦手な方には、酸素系漂白剤がおすすめです。塩素系よりも作用は弱いとされていますが、茶渋を落とすのに十分な効果を発揮します。
なお、酸素系漂白剤を使用する際は、液タイプの漂白剤よりも漂白力が強い粉タイプの方がオススメです。
【酵素系漂白剤でのつけ置き方】
1. 40〜60℃のお湯に酵素系漂白剤を入れ、よくかき混ぜて溶かす
(目安:1Lのお湯に対し小さじ2程度)
2. 30分〜1時間つけ置きをする
3. しっかりと洗い流す
*上記の洗剤の量や時間は、目安として汚れ具合で調整してください。
水ではなく熱めの湯(約60℃)を使ったことで効果を発揮でき、1時間のつけ置きでピカッと綺麗に茶渋が落ちました。手荒れを引き起こす可能性があるのでゴム手袋等使用するようにしましょう。
お手軽さ:★★★☆☆
かかった時間:★★★★☆
汚れ落ち度:★★★★★
弱アルカリ性の重曹は、酸性の茶渋を中和させ汚れを落とす効果と研磨作用もあります。スポンジをお湯で濡らし、重曹の粉をふりかけて、茶渋汚れを擦りましょう。茶渋汚れがしつこい場合は、重曹水でつけ置きするのがオススメです。
つけ置き用の重曹水の作り方は、目安として、1Lお湯(40℃以上)に大さじ3程度。方法は酵素系漂白剤と同じです。ただし、つけ置き時間は取れ具合を確認しながら1時間以上つけ置きしましょう。また、取れきれなかった時は、スポンジで擦ってみましょう。
お手軽さ:★★☆☆☆
かかった時間:★★☆☆☆
汚れ落ち度:★★★☆☆
セスキ炭酸ソーダは、重曹と同じアルカリ性の性質を持ち、アルカリ度数は重曹より高いナチュラルクリーナーです。重曹のような研磨作用はありませんが、重曹と同じ方法でつけ置きすることもできます。
重曹とセスキ炭酸ソーダは、アルミや銅素材ものに使うと黒く変色してしまうことがあります。使わないようにしましょう。また、環境に優しいクリーナーですが、弱酸性である皮膚のタンパク質を分解してしまうことで、手荒れを起こす可能性があります。手袋を使用するようにしましょう。
お手軽さ:★★☆☆☆
かかった時間:★★☆☆☆
汚れ落ち度:★★☆☆☆
つけ置きでの茶渋の落とし方を紹介しましたが、水を貼るのが面倒な場合はマグカップなどに水を張って直接つけ置きをする方法も。塩素系漂白剤、酵素系漂白剤、重曹、セスキ炭酸ソーダすべて同じやり方でできます。
ただ、たらいなどで全体をつけ置きしたほうが、コップ外側のくすみも取れるので、この方法は容器の中の茶渋をとる時だけににオススメです。塩素系以外はニオイがしないので、お子さんなどが間違えて飲まないように十分気をつけてください。
【直接のつけ置き方法】
1. 茶渋を取りたい容器にクリーナーを入れる
(水の量にあわせてそれぞれのクリーナーの適量で。だいたいマグカップでの目安は、小さじ1弱程度)
2. 上ギリギリまで指定温度の湯を入れ、混ぜる
3. それぞれの時間でつけ置きをする
4. しっかりと洗い流す
3つのつけ置き方法を試してみましたが、結果的に最も汚れが落ちたのは塩素系、酸素系の漂白剤でした。重曹は溝に少し茶渋が残ってしまい、意外にも汚れが残ってしまう結果に。
ただ、重曹でつけ置きした茶渋も撮影の後、メラミンスポンジやアクリルたわしを使うと綺麗に取れました。つけている間に茶渋は、ゆるくなっていたようです。
強力な茶渋でなければ、洗剤を使わずに汚れを落とすこともできます。洗剤を使わず、茶渋を擦り落とす方法も検証してみました。
歯磨き粉には、研磨作用があり、歯に付着したステインを落とす成分が入ったものもあります。そのため、実はマグカップなどに付着した茶渋を取ることにも効果があります。指やふきんなどに歯磨き粉をつけて、指や布巾などで擦ってみましょう。水分はあまり含めないのがポイントです。
お手軽さ:★★★★☆
かかった時間:★★★★☆
汚れ落ち度:★★★☆☆(時間の経過したものでない場合)
塩の粒子が研磨剤の役割をし、スポンジや食器用洗剤でとれない茶渋をきれいにします。
水分が多いと塩が溶け、効果が薄れてしまうので、ごく少量の水をつけて擦りましょう。粗塩など塩の粒が大きい方が効果的です。
手に傷があると、沁みて痛いので気をつけてくださいね。
お手軽さ:★★★★☆
かかった時間:★★★★☆
汚れ落ち度:★★★☆☆(時間の経過したものでない場合)
メラミンスポンジは、研磨の役割を果たし、普通のスポンジでは取れない汚れもとれやすいですよ。メラミンスポンジにたっぷりと水分を含ませてから使いましょう。研磨しながら汚れを取っていきますが、漆器やウレタンなどのコーティングされた食器やプラスチックなどには、目に見えない細かな傷をつけてしまう可能性があります。使わないように気をつけましょう。
お手軽さ:★★★★★
かかった時間:★★★★★
汚れ落ち度:★★★★☆(時間の経過したものでない場合)
実はこの方法、洗剤をつけた普通のスポンジよりも茶渋が綺麗に落ちやすいんです。アクリルの細かな繊維が汚れを掻き出してくれます。使い終わったあとは、雑菌が発生しないよう天日干しをしておきましょう。
お手軽さ:★★★★★
かかった時間:★★★★★
汚れ落ち度:★★★★☆(時間が経過し定着しきった汚れでない場合)
茶渋がついて時間があまり経ってない場合に限ってですが、いずれの方法でもきれいに落とすことができました。ただ、アクリルたわしなどは素材によっては傷が残ったりすることがあるため要注意です。
全てを試した結果、最もよく汚れが落ちるのは「漂白剤」となりました。しかし、漂白剤を使う際は取り扱いに気をつける必要があります。一方で、洗剤を使わない「メラミンスポンジ」や「アクリルたわし」でとる方法は漂白剤ほどではありませんが、十分に汚れが落とせる上にとっても簡単。特にメラミンスポンジはきめ細かく細部までしっかり汚れを落とすことできます。以上を踏まえて総合的に見ると、メラミンスポンジが最強なのではないかと思いました。それだけでは取れない頑固な茶渋や、手の届かない場所には、お好みのつけ置き方法とセットで行うことをオススメします。
茶渋の成分は、主に酸性です。例えばクエン酸は酸性なので、茶渋が取るにはあまり相性の良いものではありません。ただし、上記のやり方をしても茶渋が取れないときは、もしかしたら、水道水の水垢やカルシウムが溜まってしまった可能性もあります。
これらはアルカリ性の性質を持つので、クエン酸が効果を発揮します。
また、強力だからと塩素系漂白剤と合わせると、有毒ガスが発生するため絶対に禁止です。
使ったコップなどは、できるだけ早めに洗うことで茶渋は付きづらくなります。とはいえ、朝のバタバタしたお出かけ前は忙しくて、すぐに洗うのは面倒。そういう時は、そのまま放置せずに水につけておきましょう。そうすることで、茶渋がつくことを防ぐことができます。
また筆者の場合、食器洗い機を使うようになって、マグカップなどに茶渋が付着することがなくなりましたが洗浄が難しい水筒などは、休み前の週末に泡ハイターをかけて、5分以内でチャチャッと終わらせています。強力な洗剤なので洗剤成分が残るのが気になると思う方は、他のやり方で試してぜひいただきたいと思います。
付着して間もない茶渋であれば、手間をかけずに簡単にとれるので、週の終わりに茶渋の確認する習慣をつけるとよいでしょう。とはいえ、週末も疲れているからこそ、茶渋をとることも忘れてしまうもの。家事代行を利用して、キッチンなどのお掃除ついでに、茶渋取りもお願いしてみるのもいいかもしれませんね!コーヒーやお茶を飲むときは、いつもピカピカのコップを使って、気持ちの良いリラックスタイムにしてくださいね。
制作協力:株式会社CaSy