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暑い季節には冷房を、寒い季節には暖房をと、私たちの生活を快適にしてくれるエアコン。ところが、いざ使おうと思ってスイッチを押しても、全然効かずに困ったことはありませんか?今回はエアコン製造・販売を手掛けるダイキン工業株式会社に家電評論家の筆者が取材!エアコンの効きが悪くなる原因や、解決方法を紹介します。
私たちが生活を快適におくるために欠かせないエアコン。基本的には1台に冷房・暖房・除湿などの機能が備わっていますが、なかには冷やす機能だけをイメージする「クーラー」といった呼び方をする人もいますよね。
エアコンの語源は、英語の"Air Conditioner(エアー・コンディショナー)"から。これを縮めた略称になるのですが、現代の日本においては、冷暖房機を表す一般名称として定着しています。
ところが、エアコンの発祥は実は冷房機能のみを持った空調機でした。現在は、エアコンという呼称が定着していますが、ひと昔前には、"Cooler(クーラー)"と呼ばれていたのはそのためです。
エアコンは文字通り室内の空気(エアー)のコンディションを調えます。簡単に説明すると、エアコンの仕組みは室内の空気中に含まれる熱を奪って外に排出するというもの。
エアコンというのは、室内機と室外機の2つがセットになって機能しますが、それぞれに備えられている"熱交換器"と呼ばれる部品を通じて、熱が室内外に出入りしています。
熱を行き来させる際に利用するのが"冷媒"と呼ばれる液体ガス。冷媒には圧縮すると温まり、膨張すると冷たくなる性質があり、この現象を利用することで冷媒の温度を変えて、熱を奪ったり取り込んだりするのです。
エアコンの室内機と室外機の内部には、パイプを通じて冷媒が循環しており、空気中から奪った熱はこの冷媒によって室内外に運ばれます。
エアコンの効きが何となく悪いと感じるときには、外気温に対する設定温度が適していないことが理由として考えられます。また対処をしても変化がみられない場合には、本体側に何か不調の原因や故障している可能性もあるでしょう。
そうした状態のまま放置していては、単に不快なだけではなく、必要以上に電力を消費してしまい非経済的。また大きな故障に発展することもあり、メンテナンスに必要以上に費用がかかるなど得策ではありません。
それだけでなく、エアコンの温度調整能力や機能の不調により、夏場の熱中症のリスクも高まり、とても危険です。効きが悪いと感じたら早期に原因を突きとめ、手遅れにならないうちに解決策を講じるようにしましょう。
具体的に、エアコンの効きが悪くなる原因にはどういったことが考えられるのでしょうか?
国内の空調機専業メーカーであるダイキン工業に教えてもらったところ、主に3つの原因が考えられるとのことでした。
以下に解決方法と合わせてご紹介します。
フィルターの自動お掃除機能が搭載されていない機種については、2週間ごとを目安にフィルターの掃除をするのをおすすめします。掃除をせずフィルターにホコリがついたままになると、空気がうまく出ず室内の温度がコントロールしにくくなってしまうためです。
基本的な掃除方法は、フィルターを外して掃除機でホコリを吸うなどの作業で十分。料理で発生した油煙(ゆえん:油の混じった煙のこと)のなどの影響でフィルターに汚れがこびりついている場合は、中性洗剤を溶いたぬるま湯にフィルターを浸けて直接洗う必要があります。
前述のとおり、エアコンによる冷房は、室内外の熱を冷媒にのせて室内機から室外機へと移動させて、室外へ放出する仕組みとなっています。
効率よく熱を捨てるには、室外機の中に風を通し、運転効率を上げることが重要。しかし室外機の周囲に物を置いていたり、カバーで覆ったりしてしまうことで、室外機の中を通る風が遮られてしまい、運転効率が低下してしまいます。
こうした現象を避けるためにも、室外機の周辺には物を置かず、整頓しておくことが重要です。
エアコンの据え付け後に、室外機を無理に移動させたりすることで、配管が破損して冷媒の漏洩につながることがあります。それにより冷媒が不足してしまうと、室内の熱を室外機に運べなくなり、冷房運転の場合には十分に室温を下げることができなくなります。
またそのままの状態で使い続けてしまうと、冷媒配管に空気や湿気が入り込み、圧縮機などの故障の原因にもつながるため、注意が必要。このような不具合が疑われる場合には、エアコンを購入した業者やメーカーへ速やかに相談しましょう。
エアコンの効きが悪いと感じたら、まずは①、②の可能性を疑って、解決方法を試してみてください。それでも改善が見られない場合には、素人判断はせずに、メーカーや専門業者に相談してみましょう。
エアコンを使う際はメンテナンスを心がけながら、快適に暑い時期・寒い時期などをのりこえていきたいですね。