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デリケートな衣類を洗濯するときに使う“おしゃれ着洗剤”。皆さんは使い分けていますか?衣類に優しいイメージはあるものの、普通の洗剤とどう違うのかご存じでしょうか。特徴や使用方法、洗濯マニアの筆者がおすすめするおしゃれ着洗剤を紹介します。
おしゃれ着洗剤とはウールやシルクといったデリケートな素材を、ダメージを与えることなく洗うための洗剤です。
洗濯用洗剤の液性は、基本的に中性もしくは弱アルカリ性。衣服につく汚れは汗や皮脂、手垢、食べこぼしなど、ほとんどが酸性の汚れのため、酸性と反対の性質をもつ弱アルカリ性の洗剤を使ったほうが汚れを中和してよく落とせます。
ですが、おしゃれ着洗剤の液性は基本的に中性です。
その理由は、弱アルカリ性の洗剤だとウールやシルクといった動物性の繊維(タンパク質)にダメージを与えてしまうから。そのためデリケート衣類を洗うおしゃれ着洗剤は中性なのです。
実はおしゃれ着用のほかに、ほとんどの液体洗剤も中性です。おしゃれ着洗剤とその他の一般的な中性洗剤で何が異なるのかといえば、界面活性剤の割合と、シリコンや柔軟化剤など繊維のすべりをよくする成分がおしゃれ着洗剤には入っているということです。
シリコンはヘアコンディショナーなどに使われていて、柔軟剤と役割が似ています。そのためシリコンや柔軟化剤が入っているおしゃれ着洗剤に柔軟剤は必要ありませんが、香りをつけたい場合は柔軟剤を使ってもOKです。
おしゃれ着洗剤を使ったほうがいい衣類は、ウールやシルクなどの動物性素材だけではありません。
これらのデリケート衣類には、繊細な繊維をシリコンや柔軟化剤でコーティングしながら洗えるおしゃれ着洗剤が向いています。
おしゃれ着洗剤を使うかどうかの目安は、洗濯表示。
「手洗い」もしくは「弱水流」マークがついたものはデリケート衣類なので、おしゃれ着洗剤を使って洗います。洗濯機を使う場合は洗濯ネットも併用するとより生地を傷めることなく洗えますよ。
衣類に優しいおしゃれ着洗剤ですが、なんでも洗えるわけではありません。毛皮や皮、極端に色落ちする衣類など、水洗い不可の衣類には使用できないのでご注意ください。洗濯不可のマークがついたものは、クリーニング店にお願いするほうが無難です。
衣類に優しいのであれば、全ての衣類をおしゃれ着洗剤で洗えばいいと思うかもしれませんが、そうともいえない理由が2つあります。
1つはコストパフォーマンスの低さです。一般的な中性洗剤の1回の洗濯コストが約10円なのに対して、比較的安価なおしゃれ着洗剤でも、1回の洗濯コストは約20円と倍ほどかかります。
そして、もう1つ!決定的なのが汚れ落ちの悪さです。一般的な中性洗剤とおしゃれ着洗剤では、含まれている界面活性剤の割合が違います。
一般的な中性洗剤に含まれる界面活性剤の割合は23〜56%ほど、対しておしゃれ着洗剤は19〜22%です。絶対ではないのですが、基本的には界面活性剤の割合が高いほうが汚れ落ちはいい傾向にあります。
そのため、おしゃれ着洗剤は一般的な洗剤と比べて洗浄力がどうしても劣りがち。軽い汗程度なら問題ないですが、シミになった衣類や食べこぼし、泥汚れなどは落とせません。
汚れ落ちを重視する普段着洗いには、一般的な中性洗剤か、洗浄力の高い弱アルカリ性の洗剤(※)がおすすめです。
※弱アルカリ性の洗剤には蛍光剤や漂白剤が入っているものが多く、色あせや変色の恐れがあるため白物衣類にしか使えません。弱アルカリ性の洗剤を購入する場合は、蛍光剤や漂白剤が入っていないものを選ぶと使える衣類の幅が広がって便利です。
ちなみに筆者は、
こんなふうに使い分けています。
では、ここからはおしゃれ着洗剤を使ったお洗濯方法について紹介します。
1. 汚れが目立つ箇所におしゃれ着洗剤の原液をつけて軽くもみ洗いする。
2. 汚れのある面が表面にくるように衣類をたたんで洗濯ネットに入れる。
3. 洗濯機のおしゃれ着コース(※)で洗う。
※ドライコース、おうちクリーニングコース、手洗いコース、ウール用コースなど、洗濯機のメーカーによって名称が違います。
1. 大きめの容器に水をはり、おしゃれ着洗剤を規定量入れる。
2. 衣類を洗濯液につけ、20回ほど軽く押し洗いする。
3. 袖などの汚れやすい箇所は手で握るように軽くもみ洗いする。
4. 洗濯機で脱水する(タイマーで1分)。※短時間なので、洗濯ネットに入れる必要はなし
5. 容器に真水を入れて脱水した衣類をすすぐ(最低2回、泡が出なくなるまで)。
6. 柔軟剤を入れる場合は、すすぎの最後に入れて衣類全体にいき渡ったら脱水へ。
7. 再び洗濯機で脱水する(タイマーで1分)。
肩回りがなだらかになったハンガーに干すか、ニットのような自らの重みで型崩れしそうなものは平干し用ネットなどを使って日陰で平干しします。
最後に筆者が実際に使って「これ良い!」と感じた、おすすめのおしゃれ着洗剤を紹介します!
ニットやレーヨンを洗うなら「アクロン」がおすすめ。どこのドラッグストアでも手に入る最もポピュラーなおしゃれ着洗剤の1つです。
この洗剤が優れていると感じるところは、おしゃれ着洗剤を使い比べてみるなかで特に、ニットやレーヨンといった縮みやすい衣類へのダメージが最も少なかったという点(筆者の感想です)。
またおしゃれ着洗剤は、すすぎが2回必要なのものが多いのですが、アクロンの場合は1回でOK(手洗いの場合は2回)なのです。節水と時短にもなりますね。
アクロンと同じくドラックストアで手軽に購入できるおしゃれ着洗剤。アクロンは縮みやすい素材におすすめですが、エマールはウールやアクリルニットなどのヨレや、シルクの光沢などをきれいに補正したいときにおすすめです。ハリや光沢が欲しい衣類にぜひ使ってみてください。
コンビニのセブン&アイグループと花王の人気洗剤「エマール」のコラボ商品で、セブン-イレブンなどセブン&アイグループ限定で購入することができる香りに特化したエマールです。
こちらは英国IFA認定アロマセラピストの高橋美穂子さんが監修した、高級感ある香りが特徴。特別な衣類を洗うおしゃれ着洗剤は、香りも特別なものを使うことでテンション上がります。
100%植物由来(パームヤシ)の洗浄成分で環境に優しいのに、おしゃれ着洗剤のなかでも高い洗浄力が魅力。パッケージがかわいくて、ランドリールームに置いておくだけで幸せな気持ちになります。香りもそれぞれ高級感があってGOOD!
ハイベックゼロの主成分は、植物系ドライクリーニング溶剤。この成分が水に溶けて水溶性・油溶性の汚れを落とし、またタンパク質分解酵素によって不溶性の汚れも落とします。
この洗剤のおすすめポイントは、なんと水洗い不可の洗濯表示がある衣類にも使用OKな点。また洗浄力が強いため、ニットなら2〜5分の短いつけ置き時間で洗濯が完了します。
液性は弱アルカリ性ですが、洗浄時間の短さからあらゆるデリケート衣類にも使え、型崩れさせることなく洗うことができるのです。
大容量なので価格は少々お高めですが、今までクリーニングに出していたようなコートやスーツも洗うことができるので、使い切れるようならお得です。
おしゃれ着洗剤を使うとニットなどのような洗うことが難しいとされる素材を失敗なく洗うことができます。おすすめした洗剤は誰でも簡単にドラッグストアや購入できるものなので、まずは着古した衣類で試してみてください。